短歌

(詩歌集「もう、生きてゆかれません」「君が銀河のどこにいたって」収録)


かなしみをちぎって投げる噴水にひとつくれよと鳩が飛びこむ


フラスコのなかにあいつを閉じこめて3回揺らして窓から投げる


「発射します」膝を抱えて泣く人へ放物線を描いて届け


ユキちゃんが汗と唾液を練り込んだチョコを青木に渡す前に盗る


この先を生きてもきっと雨だから 黒髪が落ちる晴れた午後一


名も顔も知らぬどこかの君のためデパ地下でケーキ買ってきて食う


チケットを1枚くださいチケットを僕がここにいるためのチケットを


卒業のコーラス響く体育館声よ想いよ羽ばたいてゆけ


おじさんを横一列に正座させ端から端までビンタを食らわす

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かしわぎ

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