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無愛想な人間が「接客してもらうのって楽しいな」と思った話~ミケランジェロとの出会い~

どちらかというと私は人見知りで無愛想なので、買い物中に店員さんが声を掛けてくることは滅多に無い。
話し掛けないでオーラを感じるらしく(自分ではそんなつもりは全くないのだけど…)、
美容室でさえ「雑談しない人」扱いとなり、黙々と髪を切ってもらって帰る。

ある日、「HAPiNS」というお店にふらりと入って、猫のキャラクターのグッズを買った。
それは留守番してくれた娘へのお土産で、娘は猫ちゃんが好きだからなんとなく選んだ。
レジではラッピングするか聞かれ、家族へのお土産だから…と「自宅用なので大丈夫です」と答えた。

すると店員さんはキラキラと「ミケランジェロくん、お好きなんですか?」と聞いてきた。
私はミケランジェロといえばダヴィデ像か何かの芸術家しか思い浮かばない。
私が詳しくなさそうとわかると、店員さんは「この猫の名前です。男の子なんですよ。」と教えてくれた。
私は突然会話が始まったことに動揺しながらも 「娘がこういうハチワレの猫ちゃんが好きで」と答えた。
娘が猫の絵を描くときは必ずハチワレである。
かなりしどろもどろになった自覚はあるが、そこから店員さんの提案ラッシュが…!
「娘さんがお好きなんですね。もしよろしければ簡単にラッピングしましょうか。」
「猫たちみんなお名前付いてます。この紹介の紙入れてよろしいですか?」
「あ、でもおうちではお好きな名前を付けてあげてくださいね。」
「ミケランジェロのイラストのタグと袋にいれますね。」
私は「ありがとうございます」「お願いします」としか言えず、でもそのレジでの数分間がとっても楽しかったのだ。

きっと店員さんは猫ちゃんたちが大好きで、全力で「ミケランジェロを嬉しい気持ちで迎えてもらう」ために提案してくれたのだなと思う。
もちろん娘は、可愛くラッピングされたミケランジェロをとても喜んでくれた。
それと同時に、無愛想でしどろもどろなお客(私)も、楽しい買い物体験をさせてくれて、なんだか「私でもちゃんと買い物できた」という気持ちになったのだ。
お店で詳しい人にアドバイスをもらうのは、とても満足度の上がることだったのだなぁ。

こうして、私が偶然出会った可愛い猫ちゃんは、すっかり「Fuku Fuku Nyanko」(ふくふくにゃんこ)のミケランジェロくんと認識され、
親切な店員さんのおかげで、推しキャラクターと推し店舗(?)となったのだ。

そして「ハチワレ」だったらハッチだったな…とキャラクター紹介の紙を見ながら思うのでした。
(ミケランジェロくんはミケネコでしたね。でもどっちも可愛いから良し!)

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