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身体が反応して、脳が追いつくとき

あ、落ち着ついてる。

金曜に焼肉に行ったときのことです。
お酒も来て、お肉も来て、焼き始めたあたりで、ふと襲ってくる違和感。

それは、知らぬ間に自分の気持ちが"落ち着いている"こと。

そのどこが変なのか意味がわからないと思うのですが、正直、僕も最初は自分の感情を把握できずにいました。

間違いなく言えるのは、それはソファに身を預けた瞬間に「落ち着く〜!」と声が出るような、よくある”落ち着こうとする"体験ではないということ。

なんというか、脳が気づくころには"とっくに落ち着いてしまっていた”という感じ。無意識のうちに落ち着いて、それからスイッチを入れるように"落ち着いてるという意識"がパチっと現われる。そんな身体と脳のズレが感覚として合ったんです。

なんだここは…と、店内を改めて見回してみると、広々とした天高の空間に、焚き火のような柔らかい火。声をかけたらすぐに動いてくれる店員さんと、それとは対照的に黙々と調理をする店主。確かに落ち着くだけの要素はバッチリ詰まっていたわけです。

そうして辿り着いた仮説は、焼肉屋なのに落ち着きのあるお店というギャップと、実際に身体と心が落ち着くまでのスピードの速さが素晴らしかったのではないかということ。

焼肉屋は「やきにくゥ!!」というテンションで挑むようなお店しか知らなかったし、そもそも落ち着く場所というイメージもない中で、次々と差し込まれていた魅力あふれる落ち着きたち。

だから「落ち着く〜!」じゃなくて、「あ、落ち着いてる」という気持ちになったのだなと。

自然とギャップが生まれるような環境で、脳が気づく前に先に身体を反応させる。そうすると、そこには驚きと発見の感情が湧いてくる。

そんなヒントを焼肉屋さんからもらった金曜は、言わずもがな華金だったのでした。

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