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知らないところに連れていく

今朝、このツイートが流れてきた。

読んでふと、僕は自分の原体験を思い出した。
原体験とは「その人の思想が固まる前の経験で、以後の思想形成に大きな影響を与えたもの」。僕にとってのそれは「知らない世界に連れていったもらった」ことなのである。

それは長野オリンピックの時にノルウェーの選手家族をホームステイで受け入れ、数年後に彼らの家に長期滞在した。母親が気合を入れた日本の朝ごはんは「ディナーなの?」と言われ、ノルウェーでは馬小屋でパーティーをした。なかなかエキセントリックな交流だった。

だから今でも僕は海外がとても好きだけど、旅行というよりかは、どちらかというと長期滞在してそこに住む人や文化をゆっくりと吸収したい派だ。

そして原体験を改めて眺めてみて思うのは、そこから派生して、どうやらそれを他の人にも味わってもらうことに興味があるようだ。

Netflixの『クィア・アイ』にハマっているのも、そういったところがあるからかもしれない。単なる外見のビフォーアフターではなく、内面も一緒にケアすることで、Fab 5(メインの5人の総称)はターゲットとなる人たちを知らない世界に連れて行ってくれる。だいたい毎回泣いてしまう。

また僕の妻はほとんど海外に行ったことがなく、がっつり滞在に早く連れていきたいと思っている。けど結婚して3年になるのに新婚旅行に行けてないのは、タイミングとお金を逃したこともあるけど、安易に選べなくて困ってしまうから。僕が満足する以上に彼女の原体験となるような滞在にしたい。

そして冒頭にあるようにデザインは、人を知らない世界へ連れて行ける可能性をたくさん秘めているから。そして2回目の原体験が「デザインの輪郭」を読んだことだった。

こうやって原体験を潜って眺めてみると、原体験と今現在がどれだけ密接になっているかは人生の幸福度につながるのだなと思う。道に迷うことがあれば、心の底から原体験を引っ張り出して会話してみるといい。

案外するっとモヤモヤしていたことが晴れるかもしれない。

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