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海保の「おおわし」

野鳥を探しに北大の苫小牧研究林に入った朝。

▲ 研究林の池(2022年2月)

池のほとりでターボプロップの音に見上げると、海上保安庁のQ300が上昇してきました。

▲ ボンバルディアDHC-8-315、Q300

JA724A、海保では「おおわし2号」と愛称が付けられています。北海道を管轄する第一管区海上保安本部、その千歳航空基地の所属機です。民間機とは異なる胴体下面の装備に興味をひかれました。

機首下部の黒い出っ張りは「赤外線捜索監視装置」と海保webサイトに説明がありました。温度差から赤外線で要救助者などを検知するのでしょう。

胴体中央部にある黒くて大きいブツは「航空用高性能監視レーダー」です。敢えて“航空用”とか“高性能”などと言わなくてもいいと思うけど、船舶などを発見するために使われるレーダーですね。

それらの間にも、胴体にわずかな膨らみが見えます。赤の点線内は何でしょうか?

後部の左下面には、救助用の資機材を空中から投下するためのハッチが付いています。このハッチを通らない大きさのものは後方左側のスライドドアを使うそうですが、飛行中に開けたとき気流の巻き込みを低減するため、開口部の上流側に整流板が設けられています。


FLIR(前方監視赤外線装置)(Teledyne FLIRのweb写真に加筆)

このQ300に搭載された「赤外線捜索監視装置」は、web情報から総合的に判断すると、Star SAFIRE HD ではないかと思います。そのスペックは、解像度1280×720のカメラを複数内蔵し、レーザーによる探知距離が最大25kmというものでした。6軸スタビライザーにより120倍ズームでも安定した映像を得られるようです。いい眼を持っていますね。(勝手に推定しただけなので配置など誤りがある可能性があります)

▲ 恵庭岳(左)と紋別岳の上空を飛行する海保のQ300(2021年3月)

このとき千歳飛行場から離陸したQ300は道南方面にでも向かったのでしょうか? およそ3時間半後に戻ってきました。

DHC-8-315、JA724A(海上保安庁ホームページより)

「おおわし2号」のまともな姿はこちらの写真で。この山はおそらく羊蹄山でしょう。出典:第一管区海上保安本部ホームページ(明るさと色を微調整)

▲ タカ科のトビ(2021年7月、冒頭の写真も)

いい眼を持っている生のオオワシは撮っていませんでしたので、代わりにワシ・タカ類のトビ(いずれもタカ目タカ科)の写真でご勘弁を…。


※ 特記のない写真はすべて、やぶ悟空撮影


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