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クロネコ・フレイター

この春4月、ヤマトの貨物専用機が荷物を運び始めました。

11日に就航したという報道の数日後、ちょうどお昼ごろ新千歳空港に到着するエアバスA321型機を待ち構えました。


▲ エアバスA321 P2F、JA82YA

霞んだ春の空に、シンプルな塗装のエアバス機が進入してきました。子ネコをくわえて運ぶ 見慣れたマークが機体前方に、そして黄色い尾翼にもクロネコ塗装です。ウイングチップ・フェンスが付いていて、ボディには塞がれた窓が見えるので、中古のA321旅客機を貨物機に改修したようです。“A321 P2F”、Passenger to Freighter で「P2F」。

機番は「JA82YA」。1号機が 81YA、2号機がこの機体、そして3号機 83YAはシンガポールで改修作業中なのだそうです。「YA」はヤマトから? もともと カタール航空で旅客輸送用に使用されていた機体、A7-AIAA7-AICA7-AID の3機を貨物専用機に改修したもの。良い出物が見つかったようです。

機体後部には、Operated by SPRING JAPAN と大きく書かれており、JALの連結子会社であるスプリング・ジャパン(旧 春秋航空日本)がヤマト便の運航を担っています。無線でも「ジェイ・スプリング」というコールサインが使われていました。

ナローボディーのA321なので、そのアッパーデッキにどんな形のコンテナを積むのだろう?と興味を持ち、調べてみると…


▲ エアバスA321 P2F 搭載コンテナ(イメージ図)

エアカーゴのコンテナにも、ずいぶんいろんな種類があるようです。キャビンの下、ロワーデッキは旅客便でも貨物用に使うでしょうから、空港で見かけたことがあるのかもしれません。A321には、AKHLD3-45W)というタイプのコンテナが前方に5個、後方に5個の計10個搭載できるそうです。

客室を貨物用に改修したメインデッキ(アッパーデッキ)には、そのサイズに合った大きなコンテナがありました。AKHと比べてかなり大きいAAYというタイプで、A321P2FにはAAYが14個も収まるそうです。

上と下、どちらのデッキにも、丸いボディに上手く収まるよう角を削られたぴったりのコンテナがあることが分かりました。AAYAKHというのは、IATA(国際航空運送協会)の規格です。


▲ 新千歳空港を離陸する クロネコA321

新千歳着陸からおよそ1時間半後、クロネコ機は成田空港へと飛び立ちました。どのくらいの貨物量なのか分かりませんが、軽々と機首を上げて行く様子を見ると ペイロード満載(28トン)にはなっていなかったのかもしれません。

4月の成田~札幌は、1日2往復4便(403/406、405/408)ということですが、3機体制になる夏ごろからは増便されそうです。


▲ 新千歳空港を離陸した クロネコA321 P2F

これが、トラックドライバー負担軽減の一助になればいいのですが。


※ 写真はすべて、2024年4月の新千歳空港で、やぶ悟空撮影

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