目の前に ジャンボジェット!
ウイングレットが付いた主翼に、エンジンが片側2基づつ。747ダッシュ400です。新千歳空港の撮影場所のひとつ、「A10ポイント」(誘導路の名称が変更されたので、今は「A12ポイント」などと呼ぶのかもしれませんが…)を、2年ぶりに訪れました。
この日の離陸滑走路は01L。思いがけずジャンボ機が地上走行してきたので驚きました。なんと幸運な! ナショナル・エアラインズの747ダッシュ400(N936CA)です。雪景色に白い雲が浮かぶ青空に、赤白の太い機体が映えます。
客席の窓は、アッパーデッキを除いて塞がれています。"BCF" は Boeing Converted Freighter の略、旅客型から貨物型に改修された機体です。そのため貨物デッキの扉には「EXIT INOPERATIVE」(出口不作動)と表示され、非常口として使えなくなっています。
右端のナンバー4エンジン。機体後部に「N936CA」が見えます。
独特な形の懐かしいウィンドシールド。
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この貨物機はどこからやって来たんだろう? 新千歳空港に到着したところを見ていなかったので、flightradar24 で探してみました。
新千歳への着陸は、この日の11時ごろだったらしい。その飛行航跡をずっとさかのぼっていくと、出発したのはイギリスでした。前日の12時20分(日本時間同21時20分)ごろに、ロンドン・スタンステッド空港から離陸していました。
飛行経路は、もちろんロシア領空には入りません。オランダ、ドイツ、オーストリア、ハンガリー、ルーマニアを通過し、黒海に出るとトルコ寄りを飛行します。そしてジョージア、アゼルバイジャンを通過してカスピ海に出ました。
その後、トルクメニスタン、ウズベキスタン、キルギス、中国北部を抜け、韓国を通過して日本に入りました。その飛行時間は 13時間40分ほど。ロシア上空を通るより、少しばかり余分に時間がかかっています。
4基のエンジンは、燃費は良くないけれど安心感が違います。今どきの双発機が どれだけETOPSの時間を延ばしても、それは数値の上での信頼性。エンジン1基が故障したとき、推力が半分になるのと4分の3を維持できることの違いは大きい。故障確率が下がっているとしても、感覚的には双発機での長距離洋上飛行に微かな恐怖が残る、古い人間です。
ゆっくりとしたタクシーで4発の雪煙をもうもうとあげながら、誘導路A12の待機位置に向かいます。
01Lにラインナップして離陸許可を待つ間に、隣りの滑走路01Rに香港航空のエアバスA330-300(B-LHJ)が進入してきました。スペースシャトル・オービターを背中に載せる、シャトル輸送用ジャンボ機を思い出すようなショットになりました。
ウィキペディア、Shuttle Atlantis at Davis Monthan AFB.jpg
このジャンボ機のことを調べてみると、ちょっと変わった経歴をお持ちのようです。
32年の間に旅客、貨物、そして空中消火と、多様な仕事ぶりだったようです。今の外観は、「世界最大の空中消火機」スーパータンカー時代の配色やデザインの大部分をそのまま流用した特別塗装になっています。
残念ながら、今日の撮影ポイントからはジャンボ機の離陸シーンは狙えません。帰宅後に flightradar24 を見て、一路 香港へと向かったことを確認しました。新千歳空港には、およそ3時間の滞在だったようです。
今日は出かけて良かったなぁ。
※ 写真はすべて、2024年1月、やぶ悟空撮影
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