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ダメ男の野球こぼれ ♯6 ~夢を拓く男~

土曜日に夢の話を書いて、また夢の話か!と思われるかもしれませんが、ぜんぜん違います。
というか、まさかこのタイミングでこんな活躍するとは思わんわ!

さて、夢を拓いたご当人の話の前に今週の阪神の話をば。
5勝1敗。まずまずどころか上出来もいいところですが、内容的には4勝2敗ってところですかね。
甲子園の巨人3連戦の2勝1敗は妥当。1戦目と2戦目は内容でも圧倒、3戦目は高橋の出来が良すぎた。あれは簡単には打てません。
「そういう出来の良い投手からでも、何とか1点でももぎ取って・・・」とかは、別に思わない。短期決戦ならともかく、ペナントレースは長いからね。次にどう攻略するかの方が大事ですから。

で、横浜スタジアムでのDeNA3連戦です。
こちらは実際は3連勝で乗り切ったけど、内容で言えば2勝1敗ですね。
こっちも初戦と2戦目は点差以上に内容は圧勝。しかし3戦目は、まァ、DeNAが普通にさえやっていれば負けてた試合です。
先週も書いた通り、どうも岩崎の調子が上がらない。だから昨日打たれたのも、ま、そうなるよなぁ、くらいの気持ちで見ていました。
あの8回の、1死1、3塁の場面、あんなの宮崎のボーンヘッドですよ。2ボール0ストライクからあんな難しい球を打つ必要はどこにもない。もしヒットだったとしてもそれこそ結果論で、完全に岩崎を助けてしまった。

先週、マスターこと中日の阿部や元阪神の佐野の名前を出して「こういうタイプの選手が好き」と書きましたが、そこに宮崎の名前はない。いい選手だとは思うけど、阿部や佐野のような独特の嫌らしさがない。これは首位打者を獲った頃からずっと思っていたことだけど、この人クラッチじゃないんですよ。
佐野なんか死ぬほどわかりやすいけど、佐野ってね、狙い球を決めたらテコでも変えないのです。ヤマを張って、ヤマが外れたら無抵抗で三振。でも狙い球が絞りやすいチャンスには滅法強い。
宮崎はそういうタイプではない。だから、少なくとも「好きなタイプの選手」ではないって話でして。

さて、本題の前に(まだか!)今週の影のMVPは梅野でしょう。
あの「好調の好打者絶対殺すマン」リードは本当にすごい。今のDeNAで言えばルーキーの牧がその条件に当てはまります。
先に言っておくけど、牧は本当にいいね。むしろ牧の方が阿部や佐野の系譜を感じるくらいで(数字的にはもっと伸ばせるだろうけど)、ガンケルから打ったホームランなんか、絶対決め打ちですよ。つか決め打ちでないとあそこにホームランは打てないですもん。

つまり牧には「絶対殺すマン」リードをする価値がある選手ってことなんですが、3戦目でホームランを打たれたとはいえ「打たれて調子づかれるくらいなら歩かせる」ってのを徹底して、クサいコースにしか投げさせなかったからね。だから8回のあの場面で三振が取れた。
梅野、本当に成長したなぁ。

んで、中野拓夢です。
何て言えばいいんだろ。ちょっと過去に似た選手を探すのが難しいタイプです。
とにかく当てるのが上手いんだけど、髙山のような曲芸打ちじゃないし、もちろんイチローのような「バットが届くところは全部ストライクゾーン」って感じでもない。かと言って今岡のような変態打ちでもないし。
よく「基礎が出来るかどうか」なんて言うけど、どれだけ一流でも基礎ならば100回やれば100回出来るわけではない。
それほど基礎は<初歩>でもあり<高等技術>でもあると思うのです。

ところが中野は、おそらく誰でも習うであろう「バットをこういうふうに入れれば、こんなふうに打球が飛ぶよ」というのが、相当高い確率で出来てる。
昨日の9回の三嶋からのヒットなんか震えたもん。あの打ち方こそ<基本に忠実>であり<高等技術>であり<あの打ち方でなければ絶対にヒットにはならない>んだから。
もしかしたらこういう変態性のない、ただ基礎が恐ろしく完璧に出来る選手を<天才>というのかもしれないな、と。

ただし中野をショート固定は反対。
左の時は山本でいいし、たまに木浪も使ってね、とにかく今年一年はヘバらせないことがチーム強化になると思うから。