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ダメ男、高木ブーの引っ越しを手伝う

♪ ねぇ、相棒なら 聞いィてくださるゥ
 ねぇ、相棒なら 聞いィてくださるゥ
 ダメ男ォの 打ち明けばァなし~

ニャんだ、おミャえのダメ男っぷりは散々知ってるんだが、ミャだ、ニャにかあるのか・・・

まあまあ。そう醒めた顔をするんじゃないよ、我が相棒・ぽんぽこよ。
というのも、ここまで散々自分のことをダメ男だなんだと書いておきながら、具体的なエピソードはただのひとつも書いてなかったってのに気づいて。アタシはフィクションの出来不出来は「どれだけキャラクターエピソードをしっかりやってるか」で決まると思っているので、ここままじゃ、フィクション失格になってしまう。

あ、これ、フィクションじゃないからね。多少は<文学的>誇張はあるけど、おおむね実際にあった話です。


◆ 何が嫌いかより何が好きかで自分を語らニャいか!

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アタシは自分のサイトを運営しております。名称は「yabuniramiJAPAN」。これ、近々名称を変える予定なのですが、とりあえず現状はこんな名前です。

はじめたのは2003年だから、開設して実に17年になる。これだけ続けば、まァ、老舗と言ってもいいんじゃないでしょうか。
アタシがyabuniramiJAPANに書いてきたのは、もう、超ざっくり書けば「その時々の好きなもの」ってことになると思う。
サイトをはじめた当初は主に芸人とかお笑いのこと、最近で言えば戦前モダニズム(建築物の話ではなく、戦前期におけるモダニズムあふれる芸能文化を指した、いわば造語)について書くことが多い。
戦前モダニズムってのはね、これだけ長く、しつこくやってきたから嫌ってほどわかってるのですが、もう、呆れるばかりにウケないんです。
悲しいかな、人々は戦前文化なんてもんにほとんど興味を示さないのです。いや、まったくそういう人がいないわけじゃないけど、ごくごく一部の人だけです。

これがもっと古い、例えば大正時代とかなら、ぜんぜん興味を惹く。それこそ「鬼滅の刃」も舞台設定は大正時代だし。
で、戦中の話ならまだ人気があるし、それ以降、と言うと、もう「三丁目の夕日」の頃になってしまいます。
しかしてアタシはというと、まァ、1960年代はまだ興味の範疇なんだけど、アタシが生まれた後、1970年代以降になると著しく興味が薄くなるのです。
というか幼少期に熱中したモノに、今のアタシはまったく影響を受けていない。あれだけ「タイガーマスク」にハマったのにプロレスへの興味はゼロですし、「仮面ライダー」を愛してやまなかったのに、むしろ特撮モノは苦手だとかね。

そんな中、1970年代に全盛期を迎え、かつアタシが幼少期にハマり、今も大好きっていうね、いわば例外中の例外なのがザ・ドリフターズでありまして。


◆ ドリフじゃない、ドリフターズだ!

何しろ一番初めに買ってもらったレコードがドリフターズのコンパクト盤(LPレコードと同じ回転数なので音質が劣る代わりに長時間収録が可能)なわけで、かれこれ50年ほど、彼らのファンと言えるんですがね。

ま、だから、世間一般からすれば、アタシは十分「ドリフターズマニア」の範疇に入ると思う。
ドリフターズがあったから、というかドリフターズが好きだったからクレージーキャッツに行ったし、最終的にはエノケンこと榎本健一に行き着いた。つまり今のアタシを形成する<きっかけ>はすべてドリフターズだったんです。
そんなアタシですが、何の偶然か、ドリフターズのメンバーと接触したことがあります。
ブーさん。アタシたちはこの男をそんなふうに呼ばせてもらっていたのですが、1990年代の数年間、何度か高木ブー氏とお会いさせていただく機会があったんですよ。

先日放送された「アナザーストーリーズ 運命の分岐点」でも高木ブー氏は「自分が一番のドリフターズマニア」と自認されておられましたが、もう散逸していると思われていた数々の資料をブーさんは保管されており、それらを見せていただいたことはもちろん、実に貴重な話をいろいろと聞かせていただきました。
それだけじゃなしにね、ブーさんとカラオケに行ったりして、ブーさんのパートはご本人が歌うという豪華さ!あれはもう、一生モンの記念です。

ま、noteにドリフターズのマニアックな話を書いていってもしょうがないんで、というかnoteにはそういうことは書かないように留意しているので、高木ブー氏からうかがった「マニアックな裏話」は下記のページで記しています。

http://www.yabunirami.org/archivesentry/driffun.html

もしご興味がおありでしたら是非読んでみてください。


◆ ブーさん、引っ越しするってよ

ではここに何を書いていくか、なのですが。

というかここで終わると「どうだ、アタシは高木ブーさんから直接話を聞かせてもらったことがあるんだぞ!」というタチの悪い自慢話になってしまいます。
そうじゃない。そーゆーことはいいんです。自慢じゃないのかと言われたら自慢だけど、それを開陳して悦に入りたいわけじゃないんです。
いや、それ以前に冒頭でアタシは「ダメ男のダメエピソードを書かなきゃ」と書いたわけですよ。
ここからどう、ダメエピソードにつながるか、つながったらご喝采。って無責任だなぁ!

さて、1990年代のある日、アタシと高木ブー氏をつないでくれた方から電話があった。

「某月某日にブーさんが引っ越しするんだけど、手伝ってくれない?」

嫌も応もない。そんなの、手伝うに決まってる。
もちろん下心がないではなかった。何しろ引っ越しなんだから、とんでもない貴重な資料が発見出来るかも、という期待があったことも事実ですが、それよりも、あれだけアタシを楽しませてくれたブーさんに恩返しがしたい、何でもいいからお力になりたい、という気持ちの方が強かったのは事実です。
だから、もう、意気揚々とね、当日、高木ブー氏の転居先である新居に向かったわけでありまして。

ブーさん、アタシが力になったら百人力ですよ!

ま、現実のアタシはぽんぽこ(猫です念の為)にさえコテンパンにされるほどのヘナチョコなんだけどさ。


◆ 山根をディスるわけじゃないが

ここで突然話が変わります。あ、ここで言う<山根>とは田中が言うところの「やァまァね~」のことではありません。

ダメ男ことアタシの、日常生活をおくる上での最大の弱点は「とにかく腹がユルくなりやすい」ってことです。
胃腸が弱いとも違う気がする。だから「ちびまる子ちゃん」の山根くんとは別タイプのようにも思うんだけど、下痢になってってわけじゃないのに、もうホント、突然、それも結構な頻度で便意に襲われるのです。
この話の本題はまた今度書くけど、某国にある某超有名アパレルブランドの超有名人とお話しをさせていただいた時も便意をもよおしてね。あれは辛かった。当たり前だけど、周りはガイコクジンばっかり。しかもアタシときたら英語を苦手としている。

え、えと、「トイレを貸してください」って何て言えばいいんだ。トイレはトイレットでいいのかね

というか、この場のこの雰囲気で「トイレ貸して」なんて、やっぱ、はばかられることだよな

はばかりを借りたいのにをはばかられるとはこれ如何に

この時もそうだったけど、頻度の高い便意のせいで、とんでもないことがいろいろ起きた。
ということを考えれば、もうこれは十分「ダメエピソード」になるんじゃないかねぇ。


◆ ブーさん宅を探せ!!

話を戻します。
1990年代のあの日、アタシは意気揚々とブーさんの新居の最寄り駅に来ました。
それはいいのですが、探せど暮せど、ないんですよ。そう、ブーさんの新居が。

困ったなぁ。少しでも早く着いてブーさんのお力になりたいのに。しかしまさかここまで迷うとは。もちろん時代的にスマホのGoogleマップで、なんて無理ですから、とにかく、シラミ潰しにね、当たっていくしかないわけで。
で、突然、来た。便意です。ヤ、ヤバッ!しかし見渡せど住宅地でコンビニはおろか公園すらない。うーん、コイツは困った。
流れる脂汗。唇が痺れてきてるのが自分でもわかる。
もうこうなったら、一分一秒でも早くブーさん宅を探し当てて、ブーさん宅でトイレを借りよう!それしかない。
え?お力になりたい云々はどうしたんだって?
今、それどころじゃないのは見たらわかるだろ!!

5分、10分、いやもう、どれくらい時間が経っただろう。おぼつかない足を引き摺りながら、何とかブーさん宅を探し当てることが出来た。
中に入るとブーさんがいた。当たり前です。この家の主なんだから。

すいません、今日は引っ越しを・・・

「あ、手伝ってくれるんだね」とブーさん

はい。・・・ですがその前に、えと、その、お手洗いを・・・

この時のブーさんの表情が忘れられない。引っ越しを手伝いに来たかと思ったら、いきなりトイレかよ、というような、もう何ともいえない表情。
あれはさすがにブーさんも呆れただろうな。顔面蒼白の小汚い男が内股でやってきて、いきなりトイレを貸せ、とは。もうただのイタいヤツでしかなったと今考えたら痛切に思うけど、その時はそんな余裕はなかった。
トイレに入るや否や、ズボンとパンツをバサッと下ろして、便座に座った瞬間、ドバっと出た。

あ~~~~~~~ッ!助かったァ・・・

安堵いて見渡すと、紙がない。そりゃそうです。まだ引っ越しの最中なんだから。
ま、幸いポケットティッシュを持ってたので事なきを得たけど、ふと、あることに気がついた。

これ、もしかして、この家で最初に、したのはアタシじゃね?

「アナザーストーリーズ 運命の分岐点」でもブーさん宅にカメラが入って取材してましたが、ああ、あそこの家のアレの第一号はアタシなんだ、と妙な感慨をおぼえた。
というか、こっちの方がよほど自慢じゃね?と思うのですが。


◆ マーキングマン

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マーキング、と言えば犬が有名ですが、実は猫もするらしい。
とくに途中で別の猫を飼い出した場合に縄張りの意思を示すためにすると言われています。
ぽんぽこの場合はそれはなかったようで、最初くるくるにあれだけ敵意を見せていたのにマーキングはしかなかった。

ニャア(←しつこいけど、ぽんぽこの一人称)でさえマーキングをしなかったのに、おミャえときたら、ホント、ところかまわずマーキングするんだニャ・・・

そう呆れるなって。いやアタシは別にマーキングのために便意に襲われてるわけじゃないんだよ。
・・・待てよ、もしあれがマーキングだったとするなら、ブーさん宅はアタシの縄張りってことじゃないか!
な?そういうことだよな、ぽんぽこ。って寝たんかい!

そんな感じで、ま、今回のように多少シモがかった話も混じりますが、いろいろ書いていきますんで、もしよろしければ何らかのリアクションをお願いします。
さらばじゃ!