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商業施設運営のDX

COUNTERWORKSの薮本です。
SHOPCOUNTERというサービスを軸に事業を展開している会社ですが、1/20にSHOPCOUNTER Enterpriseというサービスをローンチしました👏
構想から1年ちょっとですが、社内外多くのかたのご協力のもと世の中にお披露目できました。このプロダクトは確実に商業を理想形に近づけるものになっていると確信めいて感じているので、プレスリリースその他情報として出していないものも含めて、小売・商業に起きている変化とあるべき理想について書いてみたいと思います。

SHOPCOUNTERがやってきたこと

SHOPCOUNTERはスペースのマッチングサービスであり、商業施設や駅ビル、繁華街の路面・空中階店舗など商業用に特化しているところがユニークなポイントです。この10年、Eコマースの拡大にともなってリアル店舗を持たずにオンラインだけで商売を行うかたが増えましたが、SHOPCOUNTERは今までリアル店舗を持っていなかったような事業者さまがポップアップストアをやろうかなというときによくお使いいただいているサービスです。

商業不動産は、長期で借りることが前提の制度・オペレーションが中心で、短期で利用できる場所について十分な情報開示がなく、自らどこに出店できるのかを探すのが一苦労。さらに商業施設は、内装費や敷金を含む出店時の初期投資や与信チェックなど初めての出店にはハードルが高い。このような負を解消して、今までリアルの店舗に出店できなかったプレイヤーが自由に出店できるようになる手助けとなっています。

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私たちが思い描く商業の理想

簡単に・自由に・最大限のポテンシャルを引き出せるようになるためのインフラとなることが、商業としての役割を発揮していると考えています。

・出店期間/時間を自由に選択できる
・自社の商品サービスのターゲット層にアプローチできる
・どこで何をやればどのような成果が出るのか見通しやすくなること

などがあげられます。このようなことが実現できる世界では、だれもが自分の実現したいことに向かって、チャレンジしやすい状況をつくれているのではないかと思っており、COUNTERWORKSの掲げるビジョン「意志ある人と自由をつくる」に近づけている状態だと思います。(ちなみに、BaseさんやCampfireさんと領域は違えど、目指している世界観は近いのではと勝手に思っています)

SHOPCOUNTER Enterpriseの役割

SHOPCOUNTER Enterpriseは、SHOPCOUNTERで培ったノウハウ・テクノロジーを用いて商業施設のDXを強力に推進するとともに、理想の世界に近づくための重要なサービスです。機能は大きく以下の2つ。

1. オンラインリーシング(テナント募集)による出店増・賃料収入増
2. クラウド管理システムによる、電子化を通じた業務プロセスの効率化

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SHOPCOUNTERの取引量は、20年4月前後にコロナ禍による大きな影響を受けましたが、その後は回復期を超えて大幅に過去実績を上回って成長しています。テナントさまの出店ニーズが後退しているなかにおいても、消費者の買い物ニーズの変化をとらえたフレキシブルな出店形態が拡大しています。

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一方で、多くの商業施設では来館客数の減少とテナントさまの長期出店需要の減少を背景に、この波を十分にとらえられていません。背景としては下記2点があげられます。

情報のオープン性:出店に関する情報がオープンにされておらず、様々なテナントさまに出店いただける可能性を伝えきれていないこと
契約・オペレーション対応:商業施設の契約・オペレーションが長期出店を基本とした重厚なものになっていること(短期出店のような契約回数が多く、何度もオペレーションが発生するため、対応工数が大きな課題になります)

①情報をオープンに

今回、SHOPCOUNTER Enterpriseの最初の導入企業となっていただいた丸井さまでは下記のようなサービスサイトをオープンしました。オンライン上に商業施設の情報が掲示されており、テナントさまはスペースの検索から出店プロセスの完了までオンラインで完結することができます。

情報がオープンになるとともに、出店プロセスの簡素化にもつながり、テナントさまにとっては従来に比べて出店スペースを発見しやすくなります。選択肢が提示されていることで、テナントさまにとって出店をおこなうことが現実的に検討できるようになり、チャレンジをしやすくなる下地が整いました。

さらに、SHOPCOUNTER EnterpriseはSHOPCOUNTERとの連携がおこなわれます。SHOPCOUNTERをご利用いただける18,000ユーザーさまが、SHOPCOUNTER Enterpriseに掲示された情報をみることにより、商業施設への出店申込増加が期待されます。これは、出店プラットフォームとしてのSHOPCOUNTERがもつ独自の強さであり差別化の源泉です。

②契約・オペレーションのデジタル対応

多くの商業施設や店舗のみなさまにSHOPCOUNTERのサービスを提供するなかで、担当者さまの手間がかかるという課題を多くいただいておりました。SHOPCOUNTERを利用すれば新たな取引が増える一方で、従来の電話・書類郵送などのオペレーションに加えてSHOPCOUNTERでの対応が発生することによる工数増加が負担となり、施設によっては月間での受入案件数を限定される場合もありました。

一方で、SHOPCOUNTERを使ってうまく出店数&収入の増加と工数の削減を両立されている企業さまもいらっしゃいます。ポイントは、すべてのオペレーションをデジタルに変え、取引のすべてをSHOPCOUNTERでの契約に変更したことでした。従来のオペレーションを撤廃し、メッセージのやり取りと電子での提出書類・契約書のやり取り、請求はすべてSHOPCOUNTERからなされることにより少人数での運営を実現されていました。

SHOPCOUNTER Enterpriseでは、商業施設のスペース予約のすべてを一元管理できる仕組みを提供します。具体的には下記のような機能があることで従来の1/3ほどの時間で予約締結ができるようになり、営業員の事務コスト減と営業にかける時間増加による生産性の向上を実現します。

・オンライン契約・決済・請求
・スペースの予約スケジュール管理
・テナントさまとの交渉管理
・テナントさまの検索とコミュニケーション履歴の蓄積

テナントさまと商業施設の間の情報流通を円滑にすることでみなさまにこのような成功体験を広げていきます。商業施設に出店したいなと思えるテナントさまを増やし、消費者のみなさまがさまざまなテナントさまが出店する商業施設に行きたいと思える体験のループを加速させていくことがビジョンの実現につながると考えています。

バーティカルSaaSとしてのSHOPCOUNTER Enterprise

SHOPCOUNTER Enterpriseは、商業領域におけるバーティカルのSaaSとして機能の拡充を図っていきます。COUNTERWORKSとして商業施設・店舗運営のフロンティアに関わり続け、産業全体での課題を1つずつ解決していくことで産業の変革を主導していきます。

テナントさまと商業施設の間にある情報流通をより簡単に・より便利にしていくことを念頭においています。具体的には、反社チェックや与信の代替、テナントさまの出店効果の予測分析、テナントさまの発生債権のファクタリングや将来発生債権をもとにした融資などのファイナンス領域も想定しています。

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まずは、ポップアップストアなどの短期利用のスペースを中心に取り扱っていきますが、長期利用のテナントさまにも使っていただける仕組みを創ります。

SHOPCOUNTERがやっていくこと

COUNTERWORKSのミッションは、
「すべての商業不動産をデジタル化し、商いの新たなインフラをつくる。」

中期的に、SHOPCOUNTERおよびSHOPCOUNTER Enterpriseを中心に、商業スペースのカバレッジを拡大していくことをミッションに据えています。そのような意味では、今後やっていくことは下記のようなイメージです。

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中期的に、商業施設(売上高規模32兆円、約3,200施設)から路面店舗、スーパーやホームセンターなどの大規模小売店舗までサービスを拡大していくほか、その先には小売市場全体の変革が待っていると思っています。巨大な産業全体のなかで、目の前のお客さまに向き合い、将来のお客さまの課題も解決し続け、ワクワクするような商業界をみなさまと共につくっていきます。

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*1 一般社団法人日本ショッピングセンター協会「販売統計(2020年度)」
*2 経済産業省「2020年小売業販売を振り返る」



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