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『 屋号は、bar torico 』

ちょうど10年前の、2014年 4月9日に

木更津市内、東太田にbar toricoはオープンした。

屋号というのは、ものすごく大切だと思っている。

僕の主義としては、あまり立派な名前や

すごく、難しい名前は付けたくなかった。

慎ましく、読み方も簡単で、そして何より

響きの良さを重視した。


あれこれ悩むかと思ったが

ほんの一瞬で決まった。

決まったというよりは、"降りてきた"という方が正しいのかも知れない。


僕はファッションが大好きである。

もともと、美容師を志したというのもあるが

30代からは、ずっと

コムデギャルソンを着ていた。

それは今も変わっていないのだが…。


コムデギャルソンのラインのひとつに

コムデギャルソン・トリコというのがある。

女性のラインだが、響きをずっと気に入っていた。

Comme des Garcons  tricot

これが、本来の綴りである。

tricotは、編む、紡ぐと言った意味があり

僕がやりたいbarの趣旨にも沿うような気がした。

ただ、このまま使うと「トリコット」と読まれてしまうと思い

あえて、綴りを「torico」に変えた。

日本語にしても、"ひとを虜にする"

そんな意味も踏まえて…。

さらに言えば、僕は

ゴダール、トリュフォー、ルルーシュといった

古いフランス映画、ヌーヴェル・ヴァーグが好きだったり

アール・ヌーヴォー、ベルエポックなどの

古き良き、フランスの文化がとても好きだ。


その辺りを書くと、かなり長くなるので割愛するが

とにかく、bar toricoしかない

直感的にそう思ったのだ。


bar toricoのロゴや、マークなどにもこだわった。

ずばり、テーマは

『 心の雨やどりである 』

友人のデザイナーに、趣旨を伝え

作ってもらった。

見てわかる通りだが、傘の片側はあけてある。

toricoの、tは、傘の柄の部分だ。


昨今の、流行りや、トレンドに左右されることなく

古き良き時代のBAR

人びとの憧れであった時代のbarをテーマにし

音楽には、Jazzを使うことにした。

若い頃、ジャズバーで得たものが生かされることとなったのだ。


こうして、想いは着々と形になり

現在もbar torico は、それを守り

営業を続けている。


移転する時、決めたことがある。

それは、絶対に前の店より、素晴らしい店にすること。

それが出来なければ、やる意味はない。

それが、今から10年前の出来事だ。

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