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横浜から松本へ。2023の松本山雅ホームゲーム運営ボランティアの日誌4

9月9日 FC琉球戦
リーダー反省会が終わって外に出たら、10番会議室の照明がついていたので、ふと覗いてみるとグッズチームの反省会が続いていた。 グッズとそれ以外の運営の反省会は別々にやっている。普段も無線の別チャンネルを使うぐらい、別々の業務体系なのだ。
試合終了からは2時間以上も経っていて、選手やトップチームのスタッフはもう既にいない。 結構この辺りの時間は好きだ。 ほんの数時間前まで多くの人が熱狂していたスタジアムがすっかり静かになっていて、それぞれのスタッフが黙々と片付けを進めている。
人間は自分で努力した訳ではなく誰かに与えられたものに執着する傾向があって、それを無くしそうになったらただ誰かの責任にして泣きわめく。浅ましいものだ。 「求めよさらば与えられん」って、聖書にも書いてあるだろ。仏教でも似たような言葉があったとは思うが。
今日は勝ったこともあり、お客さんのお帰りが遅くなって、片付け開始の時間も遅くなってしまった。 少ない人数で片付けていると、やはり一人一人の負担も大きくなる。 家の事情でナイトゲームはボランティアできない人がいるのも仕方ないしなぁとは思う。
各リーダーはみんなヘトヘトの状態で反省会にも出る訳だが、それでも何とか運営を改善しようと思ってるからやってる訳だ。 テレビの前に座ってビール飲みながら、誰それが悪い、とか口先だけで偉そうな人間には分からん世界だよ。いや、分からなくてもいいさ。

9月24日 FC岐阜戦
久々に4ゲートのリーダー。そもそも4ゲート自体も1年ぶりぐらいなので、何もかもを忘れていたww とは言え、優秀なスタッフ陣のおかげで着々と設営も進み、まぁ、無難にこなせた感はあった。 それにしても途切れなく入場者がいる4ゲートはやっぱり大変。
アルウィンはプロの興行を想定して設計はされていないので、いろいろ無理をしているww 現在ゲートがある箇所は本来はスタジアムの外なのである。本来のゲートは4隅のトイレのある部分なのだ。 ただ、まぁ、いろいろ工夫して現在の形になったんだろうなぁ、という先人の苦労は偲ばれるww
今後のことを考えると、アルウィン改修は最低限にして、もっとアクセスの良い場所に新スタを作った方がベストなのだけれど、それが果たして現実的なのか、はたまた地域にとって幸せなことなのかは、わからない。 否、何が正解かではなくて、決断したことを正解にしていく努力こそが必要か。
なんにしても口だけ出す人は沢山いるんだけど、実際に汗をかいたり、お金を出す人はそうはいない。 しかも何故か口先だけの人の方が偉そうなのである。不思議だww

10月8日 盛岡戦
今節もそこそこ忙しい4ゲートリーダー。 声をかけられて振り向くと、エプロンをつけた友人たちだった。ママサポチケットのボランティアのお手伝いをしていたらしい。 今年は大勢でお手伝いしていたようで、そして、みんな楽しそうだった。
どんなに応援頑張っても試合結果や内容が思うようにはいかないこともあるし、それだけを目的にスタジアムに来ていたら、そりゃ楽しくない日もあるだろう。 ただ、自分の努力次第でスタジアムを楽しむ方法というのは他にもいくつもあって、それが地元のプロスポーツを楽しむ、ということだ。
試合内容も天候もよろしくなく、途中で捨て台詞を吐いて帰るお客さんも大勢いた。個人的には別にそれは大して気にはしていない。 一方で、今日ボラを手伝っていた友人たちは試合や天候がどうあれ、多分充実した日になったと思う。 同じ一日なら、楽しんだ方が得だと思うけどなww
ここ数年、ほぼサポはやめてバモスをやっている中で、なんとなく理解した松本山雅の本来の価値は、それぞれが主体的に楽しい空間を作っていくこと。 そして、そういうことができる場所であること。 それはそんなにありふれたことではない。 ま、それに気付ける人は幸せだよね。

10月15日 長野戦
久々にリーダーから外れて1ゲートのチケット責任者。 相変わらず「譲渡した記憶はない」がおそらく操作ミスで自分のチケットを譲渡した人がちらほら。 罪なシステムだぜ。便利なんだけどね。
本節はかなりフルタイムのバモスが多かったので、余裕のある安定した運営ができた感。 そして、リーダーじゃないので責任感から解放されてメンタルがとても楽だったww 1件どうも納得がいかないお客さんがいたので、氏名をメモって、クラブに報告することにした。ズルはいかんよ、ズルは。
もっとカオスになるかと思った2年目のリーグ戦のダービーだったが、今年は結構整然としてた。 決起集会も事前にクラブと連絡が取れていて、集合、解散時間もちゃんとしていて、混乱がほぼなかった。 この辺りは応援をリードする団体の皆さんのお陰だな、と思った。
神田社長や飯田さんからダービーに関わる選手やスタッフ、スポンサーさんの貴重な話が聞けた。 これは記事やインタビューでは聞けないバモスだけの特権かなw
個人的にはダービーには思い入れはないのだけれど、来場した人たちが感動できるような一日になったのであれば、それで良かったよ。

11月5日 北九州戦
終礼の際に気付いたのだが、今節は知っている限りでも東京から3名、埼玉から1名、横浜の自分の5名が参加していた。 みんな泊りがけだったり、数時間かけてボランティアをしに来てるのだ。
県外だけでなく、県内でも東信や北信から来ている人もいる。 もし、ホームタウンの人だけでやるとなるとかなりの戦力ダウンになるだろうww
つまり松本山雅は松本地域の人だけに支えられているわけでも無いと言うことだ。
先日も「どうしてそこまでするんですか?」と訊かれたが、本気でその答えを知りたいのなら、自分もバモスをやってみれば良いと思っている。 自分の時間を割いて、自分の目で見て感じないと理解できないものもあるからね。
正直なところ、個人的には松本という土地が好きとか、信州が好きとかそういうのはないww 時々山雅サポの田舎根性にイラつくこともあるしw ただ、サッカーや応援といった目立つところ以外の山雅の本質を垣間見ることができるのが、自分がボラやっている理由ではある。

11月18日 YSCC横浜戦
今季最後のバモス。1ゲートの責任者。 今日はスイスからの留学生が体験で参加、ということで英語でのお世話を任された。 本人は多少日本語が話せる(母語はドイツ語らしい)
「スイスではサッカー人気あるの?」と訊くと「とても人気ありますよ。」 「あーそういえば、W杯出てたね。ストロング・ディフェンスだったっけ」 自分が普段は横浜でサッカー見てるが、ボラをしに松本まで来てることを話すと、少し驚いて「どっちが好きなんですか?」と尋ねられた。
なかなかストレートな質問に虚を突かれたが 「I love here, I like Yokohamaかなw、このスタジアムが好きなんだ」と答えると 「わかります。このスタジアムの雰囲気は素晴らしいですよ」 その時、彼が以前にアルウィンを訪れたことがあることに気づいた。
終礼で感想を言ってもらうよう頼まれたので、「Tell us how you feel from today's experience at meeting」と伝えておいた。 で、通訳を頼まれたので、「リーダーがとても素晴らしかったです」とか勝手に意訳しようと企んでいたら、綺麗な日本語で挨拶してたので、出番はなかったw

残念ながら、最終戦には行けないため、2年連続の皆勤とはならなかった。まぁ、特にそれが目標でもなかったけれど。
来季は個人的な事情により、特に前半はあまり参加できないだろうと思われる。
コロナ明けで以前よりもさらに活気が戻った首都圏で普段生活していると、松本の街は勿論、アルウィンもまだ活気が戻ってきていない感じもする。
厳しい言い方をすると、サポーターの当事者意識や熱量が低いかなと。それはクラブの責任でもあるし、選手やスタッフの責任でもあるかもしれないし、サポーター自身の問題かもしれない。
勝って、上のカテゴリーに上がることがかつての熱量の原因だったとすると、それだけに頼るビジネスや娯楽は健全じゃないし、いかにそこから脱却するかが今後の復活の鍵なのかもしれない。

できない、やらないことの言い訳はいくらでも作れる。言い訳を作る暇があれば、自分にできることを見つけて、それをやってみろと。
この2年の収穫は山雅だけに関わらず、何かに真摯に向き合う人たちと出会えたことが大きかったな。そういう人たちはカッコいいし、一緒にいて楽しい。
自分がアルウィンに戻った時、そういう人たちが増えていることを期待している。(2023/11/25記)

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