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FINAL FANTASY VII REMAKE をやった

FINAL FANTASY VII REMAKE をプレイした.
プレイ中に感じたことやクリア後の感想をつらつら書く.どこかに吐き出したかった.

個人の感想かつエンディングを含むネタバレがあります.読む場合はご注意ください.

つらい

自分は面白いゲームは終わるのがもったいなくて,のんびりじっくりやりたい派.しかしこの FF7R に関してはストーリーやキャラクター設定の切なさ,愛しさがどんどん思い出されてきて,「つらい」気持ちが日常生活に支障をきたすレベルだったので,子供を寝かしつけた後の可処分時間を全投入してクリアした.サブクエ等もしっかりやって 40 時間くらい.

つらい.

発表時に「ミッドガル脱出まで」と聞いた時思ったのは「なるほど,いいものになりそう」だった.
オリジナルの記憶がかなり薄れているけど魔晄炉爆破作戦から始まるミッドガルの話はとても印象的だったし,登場するキャラクター達(特に死んでしまうアバランチのメンバー)やミッドガルという都市の設定もかっこよくて魅力的だったのは覚えている.そのあたりをもっと深く掘り下げ,より鮮明に描いてくれるなら最高だ.そうだよね,作ってる側だって今の技術を使ってもっと語りたくなるよね.ゲーム一本分のボリュームで思う存分やってくれ,頼んだ.という感じだった.

開発者インタビューを見ると当時のファンが作り手側になっていたりと,とても期待できた.

実際にプレーしてみるとその期待にきちんと応えて余りある出来栄え,いや応えすぎててつらかった.

グラフィックが綺麗で繊細.カットシーン等演出も素晴らしく,世界の再現度も非常に高い.キャラクターのモデルも完成度が高いしなにより表情や仕草の細やかさとボイス,,,BGM の懐かしさ,そしてゲームが持つインタラクティブ性,何もかもが相まって感情移入の度合いが半端ない.

プレイを始めてすぐのアバランチメンバーの存在感が,特にジェシーのクラウドに対する態度が,エアリスとの出会いが,昔の思い出を勝手にどんどん掘り起こしてきて「つらさ」がすごかった.切なさからくる「つらさ」,愛おしさからくる「つらさ」,プレイを終えたくない「つらさ」.

また,オリジナルプレイ時には何も感じなかった「花売り」「デート1回」「公園のシーン」とか「空,きらいだな」などなど,この 23 年の間に広がった FF7 の世界のおかげで感じる意味が変わってきていて心への刺さり方がえげつなかった.

「FF7 オリジナルの良さ」に 23 年分の「FF7 の世界の広がり」「ゲームの技術的進化」「プレイヤーの成長」の全てがかけ合わさって濃厚すぎる体験だった.こんな体験ができるコンテンツが他にあるのだろうか.

オリジナルのプレイもそうだけど,クライシスコア等派生作品にも触れていて本当に良かったと感じた.未経験の人も YouTube に色々上がっているのでこれから触れてみるといいと思う.未体験の人にはややつまらない場面もあったかと思うが,経験者にとってはどの瞬間も最高だった.

希望への救済と The Unknown Journey

プレイ中に「すごい」と思ったことをつらつら書いていたが,とっ散らかりそうなので消した.別で書く.一つだけ最も感動した部分を書いておく.

プレイ中いろんなことに感動しながら,おぼろげにミッドガル脱出後のことを考えたりしていた.
ミッドガルを抜けた後ってどんなストーリーだったっけ?ゴールドソーサ,コスモキャニオン,ニブルヘイム,アイシクルロッジ,いろいろあったけどやっぱり忘らるる都か.本作にもちらっと出てきたケット・シーにシド,ユフィにヴィンセント.飛空艇とか海山チョコボとかどうするのかな.ワールドマップに出て以降をこの勢いで作れるのかな?

とはいえエアリスが死ぬのは見届けたいし,崩壊するクラウドとそれを支えるティファとかこの勢いで作られるとまたすごそうだ.やりたいような,やりたくないような.ぶっちゃけ FF7R はこれで終わりでもいいかな.

なんてことを考えながら終盤を迎える.「運命」と「フィーラー」という設定の導入がうまくて,「ああ,なるほど」となった.「フィーラー」の扱いは最初はなんか妙な設定を足してきたな,,,という感じだったし,意味がおぼろげに分かってきてもうまく言語化できていなかったけれど,運命の番人という説明で綺麗に解決された.

そしてザックスが死なない世界線が表現され,エアリスは「未来は白紙」と言い,セフィロスは「未来はお前次第だ」という.あれ,そういえばさっきレッド ⅩⅢ が「我々が捨てようとしている風景」と言った中にエアリスの水葬シーンなかった???

自分はけっこう原作原理主義者で,大きなストーリーラインは変えないで欲しい,エアリスやザックスは死んでこそ悲しい物語の上に成り立つ FF7 だと思っている.ただこの展開はそういった人に対しても「それも FF7(運命)だけど,新しいものも見てみないか?」という提案をしているように感じられた.フィーラーとの戦闘そのものが,そういった原作原理主義を壊す行為であり,それをゲームプレイとしてやらされてしまって感服した.すごすぎないか.完全に手玉に取られた.納得感の持たせ方がゲームにしかできない方法で実現されている.「オリジナルが存在する」というある種の制約を最高にクールな方法で利用している.妙な感動でいっぱいだった.

もうどうなるか分からないので自分の目で確認するしかない.やりたいような,やりたくないような?あれは嘘だ.やらざるを得んだろう.

感謝

FINAL FANTASY VII REMAKE はファンの期待に愛をもって応えるだけでなく,それを上回る完成度で FF7 の世界を深く描き出し,さらに秀逸なストーリー展開によって独自の発展を遂げようとしている作品.素晴らしい作品をありがとうございました.

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