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まんが「江戸時代の経済入門」

 まんが「江戸時代の経済入門」(企画原案:大福組、作画:アイタロー、発行:パンローリング)。電子書籍版はこちら↓

https://www.amazon.co.jp/dp/B09Z2C3RQM/

 大福塾という経済を学ぶ江戸時代の寺子屋に、農家のせがれヒデと、時代を超えてドサクサに紛れてやってきた犬のアイタロー。大福塾の先生の下で、信長・秀吉・家康時代から江戸時代に至る産業、貨幣、経済、交易の変遷や概要が体系的にレクチャーされる。なぜかそこにはフランシスコ・ザビエルや江戸初期の豪商たちの幽霊が居ついて、歴史の生き証人となる。漫画なので読みやすいが、解説内容は本格的で決して子どもだましな内容ではない。

 著者のアイタロー先生にお話しを聞く機会があったが、なんと三年がかりの作画だったそうである。ネームもご自身で調べたから大変だったとのこと。参考文献もすごい数である。アイタロー先生は金融機関にお勤めの傍らで本書を執筆された。2018年に参加された経済歴史マンガトークイベントが面白すぎて、それ以来この分野でマンガを描くことにはまってしまったそうだ。「好きこそモノの上手なれ」を努力で実現なさってきた。

 以前にトラウマ童話作家の大海赫先生に「作家として一番苦労なさったことは何ですか?」とお訊きした際に「孤独に耐えること」とおっしゃっていた。われわれは組織に属していれば、懇親会があったり、ミーティングに参加したりと、コミュニケーションの場が持てる。しかし作家や漫画家は、編集者やアシスタントの助けがあったとしても、最後は一匹狼の勝負である。そこがクリエイターとそうでない人の間に引かれる一線である。

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