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原恭久「キングダム64」桓騎vs.李牧、決着は近い

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 桓騎vs.李牧。ついに激突。結論は出ない。しかし答えは近い。用意周到に張った謀略の陥穽。お互いにそこをかい潜って、遂に直接の干戈を交える。
 桓騎率いる14万の秦軍を圧倒して包囲した趙の李牧軍31万。活路を見出して宜安城を落とした飛信隊と楽毅軍。変則陣形によって時を稼いだ桓騎本隊は、夜闇に乗じて川に逃れて、宜安城に合流する。趙の群勢を分断したい秦は、出城の赤麗に兵力を注ぐ。しかしそこには李牧の敷いた罠が用意されていた。袋の鼠になった宜安の秦軍に襲いかかる趙軍だったが、城はも抜けの殻。秦軍の向かった先は、李牧が10万人の宜安住民を逃した肥下城。『すわ繰り返される桓騎の虐殺⁈』と肥下城に急ぐ趙軍。
 騙し騙され、お互いの智略を競う春秋戦国時代。兵力の差こそあれ、鉄砲も核兵器もない時代。だからこそゼノウのような剛勇無双の戦士も登場する。そしてピンチに陥った時の両将の冷静沈着ぶりが見もの。どう見ても明らかに見込み違い。謀る李牧に、騙す桓騎。それはイコール謀られる桓騎に、騙される李牧だ。しかしどちらも決して狼狽えない。誰もが泡を食う中で、鋭く相手の出方を分析する。そして何より、自らの勝利を疑わない。決して不安を顔に出さない。だからこそ麾下の部下たちは、不安に捕らわれることなく、安心して希望を持って付き従う。


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