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クリスチャンとお酒

尾久キリスト教会の高橋武夫牧師先生の9月5日の説教。この日の題材はルカ伝第22章7〜20節。テーマは「聖餐は宣教への派遣式」。これが表のテーマで、裏のテーマは「クリスチャンと酒」。カトリックでは幼児洗礼を堅信礼とし、葡萄酒やパンなどの聖体を与えない。ある幼女がパンを貰えないまま、ずっと下がらなかった。慌てた母親が娘を席に戻そうとすると、幼女は神父を睨みつけて「ケチ!」と叫んだ笑い話がある。このようにカトリックでは聖体の葡萄酒にアルコールを含んでいる。高橋武夫先生が川越少年刑務所で教誨師を務めた際には、川越カトリック教会のフランス生まれの神父が推薦してくれた。この神父はお酒が大好きで、聖餐式の時は大きなマグカップ一杯に葡萄酒をなみなみと注いでいた。
 日本ホーリネス協会では、飲酒に関して、明確な規程はない。一般的にはピューリタンやメソジスト系では、飲酒を奨励していない。聖餐式で使うのはノンアルコールの葡萄ジュースが用いられている。聖書の中でもイエスや弟子が葡萄酒を飲むシーンが頻繁に出てくる。パウロは「酒に酔うな、乱行のもと」と言いつつ「水ばかり飲まず、少量の葡萄酒を飲むべし」と知人に説いている。これは欧米の飲料水の質に拠るものである。同様にドイツでは14歳からビール・ワインを16歳から飲めて、ビールは水のように飲んでいるので、国それぞれである。
 ちなみに過越の祭はユダヤ教では除酵祭と呼ばれ、葡萄ジュースを飲む。ユダヤ教では伝道という概念がなく、キリスト教では福音を伝えることが伝道となる。聖書学院では7〜8月に夏季ミッションとして、日本ホーリネス協会の全国教会に学生が派遣される。高橋武夫先生は静岡市の常磐町教会(現在の梅屋町教会)に派遣された。そこは静岡を代表するお茶の製造販売「喜作園」の社長が建立した教会で、そのご子息が牧師を務めていた。その教会に来る人は「ただいま」と入り、出てゆく人は「行ってまいります」と声をかける。そういう素晴らしい教会の志を持って、礼拝が終わって次の週まで教会員は証し人として、常に伝道の心を意識して生きてゆかねばならない。

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