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平沢進私的詩的レビュー 白虎野

白虎野の私的詩的レビューになります。

時間の西方:”西”とは?人が向かう先は死のみ、なら死線を超えて西に真理を見た道は砂上の楼閣の如く崩れ去るのみか光速の船で遡行する時間の大河

白虎野:あらゆる分岐と選択の果に手にするモノは、手にしたとして失う分岐も内包するが故に、私達はただ”選択する”ことを放棄してはならない。

生まれなかった都市:存在と非存在は同じ流れの中に有り、またそれは無い。全選択してなお多層化する流れに還る。

記憶からきた男:過去に置き去られた私を私は忘却し、そして私は未来の私を追う。加速する空に色を見る、ヴィジョン。

水脈:荒野に砂を飲み、水辺に毒を撒く我々の底に湧く水は甘いのか、苦いのか、味わう術すら忘れた私は。

CODE-COSTARICA:夢のバックドアに侵入し、現実に接続する。救済は祝祭の街、頽廃の都市に聖杯は有り、再会は来世に期待。

Σ星のシダ:死ぬ種子を買い求め、根付かぬ土地を耕すのは滑稽かと問う老父はかつて神と呼ばれた不死の父子。

確率の丘:千年の時をこえ、この一瞬の結実を千年のときを生きる人は見るだろう。色も香りも自らでは知らぬ花が、花を咲かすこの軌跡が情報を受取る君への賛辞足り得る。

白虎:言葉すらなき太初より、立つものはかつて有り。

パレード:トピアを目指し、ユートピアを騙る。気管支カタルは足るを知る老博士蝕み、白亜で白痴が描く地図を頼りに民衆は海に沈む。




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