東京の雨はやまない。
七ヶ月弱、おそらく日本でも屈指の田舎の島に住んでいた。虫や鷹の声、風の冷たさやたくさんの音に包まれた生活だった。思っていた以上にあの場所に身体が馴染んでいたんだなと、帰ってきて、島のカケラのようなものを感じる。
島ではとにかく人が少なかったので、移動や行動が他人に左右されることはないし、島の雰囲気もあってゆるりと過ごす毎日だった。久々に東京に出てみると、人が多いのはもちろんだが、他人の歩くペースに合わせないと邪魔になってしまうので、自然と、しかし意識的に周りと協調した振る舞