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レコ発ライブ

2月の後半、最後のライブは、光栄にも岐阜県は北方にあるワタルカフェでの開催。
私がギターを始めたのは、やっぱり高田渡さんの影響が大きいので、そのゆかりの地で唄うというのは特別なことです。
しかも今回は、アルバムリリース記念を謳った、大江田信さんとの初共演企画。

音楽ライター兼、佐久間順平さんと共にフォーク・デュオ“林亭”のメンバーとしても活動をされている大江田さん。
昨年末には、note というツールに私へのインタビュー記事も書いて頂きました。

『シンガーソングライター 辻井貴子に会った』

「林亭」 は、その演奏スタイルや声の合わせ方など、やぎたこがお手本のようにずっと憧れ、追いかけていたユニットです。
2018年に発表したやぎたこ 唯一の日本語アルバム『WE SHALL OVERCOME』のレコーディング時に共演をお願いして以来、前よりは少しだけ近く、ライブを見聞きできる機会も増えて嬉しく思っていました。
上記のインタビューでも少し触れていますが、いくつかのキッカケを経て2021年の秋頃から、やぎたこの次のアルバムについて、大江田さんに協力を仰ぎ、選曲などのアドバイスをもらって、話が少しずつ進んでいるところだったのです。

そのアイデアが具体化する前にやなぎさんが急逝した時、私にソロアルバムを作りなさい、と背中を押し、励ましながらさまざまなアドバイスをくれ、サポートしてくれたのが大江田さんでした。

ソロ活動がメインになって、まだようやく2年。
いろんなことが「まだまだ!」なのに、今回の「わたしのうた」というアルバムが、こんなに早く世に出ることになったのは、ひとえに彼の協力のおかげ。
そんなわけで、記念のライブをやる時に共演をお願いするのなら大江田さん!とずっと心に決めていました。


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共演は快諾して頂いたものの、2人での共演は初めてです。
せっかくの機会だから、ゲストで「大江田さんコーナー」があるだけでは勿体無い!
と私は贅沢なことを考えて、図々しくも、とてもたくさんのことをお願いしてしまいました。

『わたしのうた』に収録されている私の作った歌に伴奏を付けてほしいこと。
大江田さんがソロで唄う歌に、私も参加させてほしいこと。
大好きな林亭のレパートリーも、何曲か共演させてほしいこと・・・・・・

しかも、
「こう弾いてください」
ではなくて「何か弾いてください」
と、楽器もフレーズも何も指定しないで丸投げのようにお願いした私のリクエストに、大江田さんは200%、応えてくれました。

自分ひとりで弾ける範囲の楽器のフレーズを寄せ集めて作ったアルバムの音は、私が思いつく音の範囲内から飛び出すことは決してありません。
でも大江田さんがそれぞれの歌に、私が思いつかなかった楽器で、私には弾けない違う切り口のフレーズを入れてくれた途端、まるで違う歌になったみたいに違う風景が浮かんできて、ビックリしました。
想像していたよりもさらに何百倍も新鮮で、リハーサルのたびにワクワクして、嬉しくてたまりません。

さらに、大江田さんのソロのレパートリーは、私の知らなかった歌ばかりだったにも関わらず、曲調はなんだか懐かしくて、音楽を始めた頃から耳馴染んでいたような気がする雰囲気のものがたくさん。
これもなんだか嬉しくて、唄うパートを考えたり、楽器を変えてみたりするうちに、どの歌にも愛着が湧いて大好きになってしまいました。

でも、そもそも出会えたキッカケである林亭のレパートリーもやっぱり、ぜひ、取り上げたい!!

「レコ発なんだからもっとソロで唄った方が良いよ」

そういうアドバイスをもらいつつも、結局、せっかくリハ―サルしたものを取捨選択するのは嫌、と、「ソロの演奏曲が減ってもいいから2人でできそうなものは全部やる」と私のワガママを通してしまいました。

結果、たしかに、いわゆる「レコ発ライブ」にしては、アルバムに収録された曲の演奏がやや少なめだったかも、、、?

でも、多重録音のアルバムとは違う、また、私の普段のソロでの演奏ともまた違うものが生まれる瞬間を、記念すべき舞台でお聞かせできたのだとすれば、それはそれで良かったのでは、と思っています。


2024.2ワタルカフェにて

いくらリハーサルをしたと言ってもやはり即席のユニット。
息ピッタリ、とはいかないところも多々あったし、「もう一度やり直しさせてほしい!!」と思う箇所もゼロではないのですが、それでも、少なくとも私にとっては、「やぎたこ」ともソロ演奏とも違うやり方や発想で唄い、演奏するのはとーっても刺激的でスリリングで、そして楽しかったのです。
すごーく世界が広がった気分。

ああ、こんな風にやればこういう風に変化がつく。
こんな風にやれば、もっとこんなこともできるかもしれない。

「他の誰かと共演する」ということの面白さや可能性と共に、難しさも一緒に、改めて考える良いキッカケになりました。

この日のワタルカフェには、渡さんがかつて使っていたオートハープも展示されていて、ライブ中もステージ上に置いてありました。
古いはずなのに綺麗で、良い環境で保管されていたようで、ちゃんと弾ける状態でした。
思わず記念撮影!!

伝えたいことがありすぎて、ついつい長くなってしまったこの日のライブ。

その反省を生かして、2週間後の共演2弾は、セットリストもちょっとだけ調整して臨みました。

二度目の共演ライブは下北沢のラ・カーニャにて。
いろいろな人を聴きに行くことはこれまでにもときどきあったけれど、ステージに立つことはなかなかない、私にとってはワタルカフェとはまた違う意味で特別な場所です。

緊張しましたが、それでも、1回目よりは息が合っていたような・・・!?
2度目の共演では、大江田さんが歌で参加してくれる箇所が倍増し、さらなるパワーアップを遂げたサポートでした。

自分の作った歌を誰かが一緒に唄ってくれるなんて!!

考えてみたら生まれて初めての体験でした。


2024.3ラ・カーニャにて

ああ、嬉しかった。

終った後のひとときも、私が本で読んで憧れていたような時代のことをリアルタイムで体験してきた先輩方のあんなことやこんなこと!のお喋りを聞きながら、なんだか夢のような時間でした。

こんな風にCDができたのも、贅沢な記念のライブを開催させてもらえたのも、本当にいろいろな人たちが応援してくれたおかげ。
大江田さん、そして2回の記念ライブをいろんな方面から支え、協力して下さった関係者の皆さま、そして足を運んだり心を寄せてくれたお客様。
本当にありがとうございました。

また、できますように!!
・・・頑張りマス。

さて
3月は、他にも贅沢で嬉しいライブがイロイロ。
また次のブログでご報告したいと思います。
今週末は、久しぶりの宮崎!
大好きな場所で、大好きな共演者と唄います。

お近くの方、ぜひぜひ。


2024八町坂にて

スケジュールはこちらから ↓


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