クリスマスだけどandymoriを布教したい
andymori(アンディモリ)は、2014年に解散した日本のロックバンドである。
この一年、僕が死ぬほど聴いてるバンドです。
既に10年近く前に解散しているにも関わらず、andymoriの事を考えているだけで一日が終わってしまうこともしばしば。それくらいのめり込んでいます。
そして本日、andymoriのCDデビュー15周年を記念して、突如レーベルスタッフのInstagramとTikTokが開設されました。
そして、最初に投稿された動画がこれ。1分足らずの短い動画なのでとりあえず聴いてほしい。
※期間限定公開らしいので、いつか見れなくなるかもしれません
メッチャ良くないですか?????
andymoriの良さを、たとえ何時間、何文字費やして記しても、このたった48秒には敵わないと思う。(この記事自体のコンセプトが破綻してしまうけど)
静かなメロディから段々とボルテージが高まり、力強いドラムが、うなるようなベースが、響くギターが、叩きつけるような歌声が、たった48秒をあっという間に駆け抜けていく。
『andyとrock』、音源版でもたった56秒しかない曲。
アルバムには入っておらず、メジャーデビューして最初のEP『アンディとロックとベンガルトラとウイスキー』、その一発目がこの曲。
今回の動画自体は2010年に行われた日比谷野外大音楽堂でのライブ時のもの。ライブDVDでしか見れない貴重な映像をYoutubeで公開してくれた事には感謝しかない、本当に。
もしかすると、ショート動画やらTikTokからandymoriを知ってくれる人も、これから増えていくのかもしれない。
という訳で、andymoriをまったく知らない人にも魅力が伝わるといいな、という思いで、居ても立ってもいられなくなったオタクが語ります。
メンバーについて
andymoriを語る上で一点外せないのが、メンバーの変更について。
しゃらくせぇ!いいから曲を聴かせろ!って人はさらっと読み飛ばしてもらっても構いません。
Vo./Gt.小山田 壮平、Ba.藤原 寛、Dr.後藤 大樹→岡山 健二 のスリーピース構成のバンドですが、上記の通り2010年にドラムが後藤大樹から岡山健二に変わっており、それを境に楽曲の雰囲気も異なったものになっています。
大まかに言えば、
前期(後藤大樹時代)・・・激しいドラミング、焦燥感、熱
後期(岡山健二時代)・・・安定したドラミング、明るさ、温かさ
という印象の違いがあります。
圧倒的なカリスマと力強い歌声、甘いマスクまで備えたボーカルの小山田壮平。常にバンドを支え続ける鉄人、凛々しい黒縁メガネが印象的なベースの藤原寛。この二人を軸に、ドラムによって全然雰囲気が変わる。
前期は風刺も交えたストレートなロック。今回公開された『andyとrock』のライブ映像もそうですが、今改めて見ると、ボーカルの小山田壮平が格段にギラついていて、若さを感じる時期。代表曲は『FOLLOW ME』『everything is my guitar』『ベンガルトラとウィスキー』『すごい速さ』『1984』『CITY LIGHTS』など。
後期は、前期にあったようなギラつきが薄れてライトな雰囲気の曲が多く、ライブでもにこやかに歌う小山田壮平の姿を多く見る事ができます。代表曲は『革命』『Sunrise&Sunset』『投げKISSをあげるよ』『ベースマン』『光』『クラブナイト』など。
楽曲紹介
本格的に聴き始めるのなら、1stアルバム『andymori』がもう自己紹介か?ってレベルでandymoriを表現してるので、そこから聴いて、アルバムを順に追っていくのがいいと思います(全体的に短い曲が多く、アルバムも5枚しかないので)
先ほど挙げた代表曲を一通り聴いてくれたらそれでもいいかな、という気もするんですが、とりあえず、僕が好きな曲をメチャクチャ厳選して紹介していこうと思います。
基本はアルバム順で、可能な限り簡潔に…。
~前期~
1.ベンガルトラとウィスキー
まずは1stアルバム『andymori』から『ベンガルトラとウィスキー』。
前期のライブ映像だとこの動画の一曲目のテイクが最高。
(非公式の映像で恐縮ですが、前期のライブ映像は公式Youtubeに残っておらず…)
最初に見て衝撃を受け、andymoriに沼り始めるきっかけになった映像。とにかくカッコいい。この小山田壮平を見て、僕はバンドマンに恋する女の子の気持ちが分かりました。
個人的にはandymori一番の代表曲。
2.FOLLOW ME
続いて、こちらも1stアルバムから『FOLLOW ME』。
早口でまくし立てるような、一見不可解な歌詞が特徴の曲。よくよく見ると、しっかりとした意味が込められていたりする。
風刺を盛り込んだ、andymoriの過激な一面が垣間見えます。歌詞の意味を調べながら聴いても面白いかも。
andymoriの社会風刺や皮肉を交えた歌詞は前期に強く見られる傾向です。
それ以降に発表された曲でそういった表現がある曲は、大体初期から存在して、後からアルバムに収録されていたりします。(Weapons of mass destruction、空は藍色、などなど)
例えば、他の曲にはなりますが、『CITY LIGHTS』曲中の「エコバッグのアバディーンアンガス」という一節は、アバディーンアンガス(牛の品種名。食肉用で、畜産に伴う環境問題が指摘されている)を、エコバッグに入れて購入する、そんな消費者の矛盾を表した歌詞だそうです。
小山田壮平、とんでもないセンスしてません?
(1曲目の『everything is my guitar』も併せて、個人的ベストテイクの映像)
3.遠くへ行きたい
EP『アンディとロックとベンガルトラとウイスキー』より、『遠くへ行きたい』。
小山田壮平の”歌”が全面に出ている曲。静かな夜にひとりで聴くと情緒がおかしくなる。1stEPは全部の曲がマジで良いです。
遠くへ行きたい、そんな切実な気持ちは、果たしてどこから来るのでしょうね。
4.クレイジークレーマー
2ndアルバム『ファンファーレと熱狂』より、『クレイジークレーマー』。
2ndアルバムはandymori一番の名盤との呼び声も高く、『1984』や『CITY LIGHTS』といった代表曲も大好き……なんなら全曲大好き……なんですが、個人的に”クる”のはこの曲。
ヒロという友人に向けた曲。(アルバムジャケ中央付近の、金髪に黒い服で首を傾げている男性)
友人への思いを、暴力的なまでに繊細で優しく歌い上げる。涙出ちゃいます普通に。
曲中に出てくる「ひまわり畑」とは、彼がタワーレコードの黄色い袋を部屋中に貼っていた様子を喩えたもの。彼は鬱病を患っていて、アルバム発売前に薬の過剰摂取で亡くなったらしい。
(余談ですが、他のアーティストとも交流が深かったらしく、竹原ピストルの『例えばヒロ、お前がそうだったように』やクリープハイプの『リグレット』も、同じ人物をモチーフにした曲だとか。)
~後期~
5.Peace
3rdアルバム『革命』から『Peace』。
ドラムの入りといい、このイントロが大好き。とにかくストレートな歌詞。
これはandymori史上最も純粋かつ、シンプルで美しい詩なんじゃないかと思う。
ちなみに、小山田壮平のお姉さん、小山田咲子さんも若くして事故で亡くなっています。
6.ベースマン
同じく4thアルバム『光』より、『ベースマン』。
タイトルの通り、ベース担当の藤原 寛への思いを綴った曲。誕生日にサプライズで披露したんだとか。
ヒロシ、いつもありがとう……。
一言だけ言わせてください。あまりに粋。
この小山田壮平の、身近な人への思いを真っ直ぐに歌うスタイルは後期から増えていきます。
ちなみにandymoriを解散した今でも、ベースの藤原寛さんは、小山田壮平のソロ活動でよくベースを担当してくれています。バンドツアー、軒並みヒロシ。ヒロシと小山田壮平が並んで歌ってくれているだけで、在りし日の姿を思い浮かべずにはいられませんね。
7.クラブナイト
4thアルバム『光』から『クラブナイト』。
これはなんていうかもう、小山田壮平のビジュが爆発してるので見てほしい映像。前期のギラギラした小山田壮平とはまた違った良さがある。
輝いてませんか? 小山田壮平。
8.それでも夜は星を連れて
最後に、『それでも夜は星を連れて』。
解散を控えたSWEET LOVE SHOWER 2014と、この武道館ラストライブの2回だけ披露された未音源化曲。ファンのために書いた曲。
もはや、何も言うまい。ついていきます。最高。
おわりに
いかがだったでしょうか。
初めてまともな記事を書いたので、いかんせん見辛さ等もあったかもしれませんが、ご容赦ください。
できるだけバランスよく紹介したかったのですが、僕自身前期andymoriの雰囲気が大好きなので、そちらに比重が傾いてしまった感は否めませんね……。
1stアルバムも2ndアルバムも本当にいい曲多すぎて、全部語ってたら何文字になるか分かりません。
モンゴロイドブルースや都会を走る猫、サンセットクルージング……SAWASDEECLAP YOUR HANDS、Transit in Thailand、僕がハクビシンだったら、バグダッドのボディーカウント……。
もちろんそれ以降のアルバムにも大好きな曲はいっぱいです。
他にも音源化されていない名曲もたくさんあったりと…是非、興味が湧いた人は調べてみてほしいと思います。僕はマイアミソングが大好きです。
(好きな曲を厳選してSpotifyプレイリストまで作ったので、気が向いたら紹介しきれなかった曲も是非)
さて、本日は2023年12月25日。
熱心にコレを書いている内に日付を跨いでしまってもう26日ですが、クリスマスの夜にひとり、過去の楽曲やライブ映像を見漁っていました。すべては突然動きを見せた公式のせいです。
最後に、僕がandymoriを知るきっかけになった曲を紹介します。
andymoriは9年前に解散してしまいましたが、悲しさや儚さと同時に、なにか妙な納得感があるんですよね。
いつも一歩先を駆け抜けていく。追いつけそうで、決して追いつけない速度で過ぎ去ってしまう。andymoriはそんなバンドで、だからこそ僕はこのバンドにこんなにも惹かれているのかなと思います。
すごい速さで夏が過ぎ、あっという間にクリスマスも過ぎ、もうすぐ2024年だってやって来ます。
年月も気付けば過ぎ去ってしまいますが、そんな中だからこそ焦がれるものがあるのかもしれません。
十年前のバンドに思いを馳せながら、そんな事を考えました。
それでは、またいずれ。
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