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役に立つかどうか、誰が決めるのか?

ビジネスは常にフロンティアを探す

ビジネスはすごい勢いで、値がついていないものに値段をつけていき、気づくとすべてが商品にされていく。あれもこれも金になる、と気づいた人がそれに値段をつけて売ったり、商売の場をつくったりする。そんな状況下では、「それは役に立つか?」という言葉は「それは金になるか?」と同義だ。

行動は認識の影響を受ける

いまは世の中にいろいろな情報が溢れている時代だ、などと人は言う。
さまざまな方法で、いまこの時代に対する「認識」は語られている。

「いまはこういう時代だから、これからはこうしなければならない」
「いまはこういう時代だから、これをやっているのはおかしい」
ついでに元号を組み合わせたりしながら話しのネタにするのが昨今である。

これらの発言から推測できるのは、認識が行動につながるということだ。
人の行動はすべて認識に影響を受けている。認識が行動を変える。

いま自分はどこにいるか?を知る手段

認識といっても大きくふたつに分けられる。
ひとつは自分に対する認識。もうひとつは社会に対する認識。時代といっても良いし、世界といっても良い。
これをかけあわせると、自分はどんな人間で、どんな社会のどのへんにいるか?がわかる。人はみな違うし、いる場所も違うので、結果として、どんな素敵なアドバイスも、人によって役に立ったり立たなかったりする。

古来から言い伝えられている賢人の言葉も、ビジネス的な成功者の言葉も、その言葉が役に立つかどうかは、それを聞いた人がどんな世界のどのへんにいるかで変わってくる。

野球でたとえる。「ホームラン狙っていいすか?」

野球のバッターでたとえるとわかりやすい。
自分がバッターボックスに立ったときの世界。

いまはゲームの何回(表・裏)なのか?点差は?ボールカウントは?ランナーはいるか?投手は誰?どんな球を投げてくるのか?
が世界に対する「認識」。(この試合がペナントレースの何試合目なのかも、世界に対する認識になる)

それと、自分はどんなことができるのか?という自分についての認識をかけ合わせた上で、最終的にどう行動するかが決まる。
ランナーを返すバッティングをする?ホームランを狙って良い?バントするのが良いか?を考えなければいけない。
そのとき、自分のバッティングの力量に対する認識は絶対必要である。

学校では。

学校教育は基本的に、世界を認識するための基礎をつくる場所だ。
学校生活を通じて「自分ができること」も増えていくかもしれないが、
学校は「誰かが何かをできるようになる」まで面倒をみてくれない。
テストで試されるのは、「きちんと認識できているか?」「認識できる準備は整っているか?」だけだ(先生がそういう認識をしているかは知らない)。
体育や音楽、美術のテストは「できる」と良い科目だが、下手でもそのまま放置されていくものだ。「できる」は世界の認識とは別の次元にある行動の話で、学校はそこまで面倒を見切れない。

教養は役に立つのか?

「教養はすぐには役に立たない」とか役に立つとか、「どっちなんだ」と言われていることがある。
役に立つかどうかは、その人が世界をどう認識しているかに左右される。
自分は誰で、世界のどのへんに立っていると思うか?に左右される。

ゾンビでたとえる。「いま、斧振ったほうがいいですか?」

「ゾンビに襲われそうになっている」と認識している人は、斧がほしいだろう。それが「すぐに役に立つ」道具だ。
「いまは仲間と少ない食糧を分かち合おうとするときだ」と認識している人は、斧よりも「将来を見据える力」や「人々の感情を推し量る力」、「どう振る舞えば仲間割れを起こさないかを考える力」のほうが役に立つ。そこで悩んでいるとき、「あーだーこーだ言ってる場合じゃないだろ!」と癇癪を起こす人が斧を持っていると、ただただ危険である。

結論:認識から行動へ。そのとき

教養は世界をより正確に認識するために役に立ち(社会認識)、その状況下で自分はどうできるか?(社会の中の自分についての認識・行動)を決めるときにも役に立つ。「金になるか?」よりも広い範囲が見たいときに役に立つものでもある。
でも今が斧を必要としている状況下だとわかっているのなら、そのときは教養は役に立たないだろう。いますぐ斧を手に取るべきだ。

認識が不十分だと実は行動もあまり伴わない。そんな状態のことを昔の人は「わかっちゃいるけどやめられない」と歌った。そうやってノラリクラリしてる人にいうべきことは「いや、やれよ」ではなく「お前はなにもわかってない」のほうだ。

〆切が迫っているという認識

仕事の〆切が迫っているので(認識)、今日はこの辺で終わります(行動)。

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