コミュニティすいもあまいもの、その2

いわゆるコミュニティをゼロから立ち上げて2年間運営して、そのすいもあまいもをお伝えする後編。

前記事はこちら↓
https://note.mu/yahagikenta/n/n3467c8ce7d36

前記事の要点は、ファシリーターから広がるフォロワーシップが重要で、それをちゃんと維持できれば資金繰りも問題なくいけるし、SNSの使い方も規定されてくよね、という話だった。

さて、後編。
今回は④環境と⑤集客について。

④環境
こちらは、コミュニティの内の環境と、外の環境との付き合い方の話。

中の環境の話からしていく。

まず環境という言葉をどう使っているかというと、家の衛生面の話からモノの配置の話、そこに広がる人間関係まで含めて広い意味で捉えていただければと思う。

この内の環境とはつまるところ、
コミュニティを訪れた人がもう一度来てくれるか、継続してきてくれるか、に直結する。
言い換えればフォロワーシップの濃淡に関わる。

単純にある程度清潔に保つことはもちろん、
来ていただける方にどう印象づけるかが大切だ。

とはいえ清潔さだけがあれば良いわけでなく、「ほどよさ」が大事なんだと思う。

例えば超センシティブに清潔だった場合、
okuruの場合セカンドリビングというコンセプトなので、家に行くというより、お店にいく感覚に近くなるのではないだろうか。

なのでokuruの場合、大事なことは自宅にいるようなほどよい雑然とした感じを「残す」ことだ。
決して片付けるのがめんどくさい、というわけではない。わけではない。

ちなみにこの考え方でいくと、なんとお片づけをするのも1つのコミュニティのイベントにできてしまう。事実、今年家の前の庭を片付けてDIYすることをイベントにした。正直めっちゃ助かった。

それが、なんとなくお店じゃないから気を張らなくていいんだなぁという安心感、ゆるさを産み出して、来られた方の「あぁ、わかるなぁ」という感覚になるのだと思う。

それに紐付いて人的な話をすると、
同様にコンセプトに紐付いて考えると、つまるところコミュニティはお店ではないので、
「もてなさない、おもてなし」が起こる。

okuruでは初めてきた人はそれぞれ自己紹介などご挨拶はするものの、基本的に何かしてとお願いはしないし、何もしなくても本当に何も思わない。

それは家にいるぐーたら父さんを見ているような感覚だし、何かするのはごはんを作るお母さんを見てるようで両方安心する感覚なのだ。

実はこのもてなさないことが、濃いフォロワーシップになっていくかのフィルタリングとしても機能している。

つまり自発的にその場のために何かしようと思う人は、結果残っていくし、それにより強いコミュニティができていくことにつながっている。

次に外の環境の話。
一口で言えばこちらはご近所づきあいの話。
次の項目である集客にも繋がる話だ。

さて、濃いフォロワーシップを築いて広げて行きたい時に、コミュニティができる以前、あるいは関係のないとこで友人であったなどの関係性は強く作用するが、その次に作用するのがこのご近所付き合いだと思う。

地元に根付いていて、かつアンテナを外に貼ってる感度の高い方も良い関係のもと繋がりうる、ということ。
そして文字通り近所なので、濃いフォロワーシップになりやすい。その点でご近所づきあいは大事だ。

事実、okuruでは地元の方々と組んで農園をはじめた。当初okuruだけでは人員集めなどに苦戦して中々農園をはじめる上でのスタックする要素となっていたが。

だが、この地元の方々という新たなコミュニティと接続できたことで次のアクションに繋がった。

⑤集客
決してきらびやかな場、
ではなくあくまでセカンドリビングというコンセプトの家に近い場は、
いわゆる集客にはインターネットというものは向いていない。

一方、コミュニティが完全にクローズになっていると、池の水が滞留して腐っていくようにコミュニティ自体の鮮度、刺激が失われてシュリンクしていく。

なので、クローズなコミュニティにしつつも人を呼び込む、という行為自体は必要だ。

okuruはFBとInstagramを利用して定期的に発信しているが、これは基本的にはコミュニティに来たことある人に個人日記をチラ見せする感覚に近い。

言い換えると、来た方との接点を途切れないようにするニュアンスが強い。だから、広告配信など、集客目的にはせず、どちらかというと再訪のニュアンスが近い。

SNSを運用していると来たことが無くとも興味ある人は見て取れる。

だが、そこから実際に来るかは個人的にはストーリーを重視したい。すなわち、誘ってくるのではなく、フィルタリングの要素も兼ねて自分の意思で参加してほしい。

フォロワーシップを高めていく上でこの違いは重要だと思っている。

だからインターネット上で個人に来てね、と声はかけない。

それより重要なのは、
濃いフォロワーが広告塔になることだ、すなわち口コミベースの集客だ。こちらの方がそもそも場に来ても友人がいるので、心理的安全性を確保できる上、濃いフォロワーシップを築きやすい。

このそもそも友達である、という部分が強い、とても強い。

なので、インターネットというより、フォロワーの場への誘いやすさ、というのが集客のキーポイントになる。

その誘いやすさを作るときに、
場を清潔に保つこと、FBなどの「個人日記」を更新していくことが紹介しやすさをつくりだすポイントになる。

これがokuruで考える集客に関する考え方である。

さて、
つらつらとポイントを分けて書いてきた。

つまるとこコンセプトをベースとした
ファシリテーション、そこから派生するフォロワーシップの構築が場を運営する軸としてあり、そこを持続させるための資金繰り、環境、集客がある、と説明してきた。

この要素はセカンドリビングというコンセプトを 軸に組み立てており、違うコンセプトにすると違う形式の場になるのだと思う。

場の運営は、ここでは書かないがいろんなコトが起こる。なので、ある意味鈍感力というかタフネスが必要だが、普段の仕事以上に自分の名前で勝負している以上リアルな実力がでるし、そこが醍醐味でもある。

それでもこの自分の中で描いたビジョンをコンセプトに落とし込み、ひとつひとつの要素に頭をぶつけながら実験できる、しかも低リスクでというのはホントにかけがえのない経験だ。

挑戦しないのは、勿体無いなーと思うくらいだが、挑戦するもしないも個人の自由だ。

まごついて、留まってしまう気持ちもわかる。だから、その舞台をつくることもきっと自分が果たす役割なんだろうと思うようになった。

そんな言葉で締めくくりたいと思う。