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ここからの人生で今日が1番若い日!おばちゃんたちのフットサル

46歳でフットサルを始めた。
それまで何のサッカー経験もないのに、だ。


きっかけは、同じマンションのママ友だち・ちかちゃんが「フットサル始めるんだ」と言ったこと。彼女だって何の経験もないのに、ひとりで近所の初心者向け個サル(個人で参加できるフットサル)に行くというのだ。
女でよ。40代でよ。ひとりでよ?

すごない?ふつうに。

びっくりして、俄然「わたしもやりたい!」となった。これが「一緒にやらない?」と誘われていたなら、「むりむり~!」と言っていた気がする。
「わたし、行ってみるんだ」と話すちかちゃんが、ものっすごくかっこよくて、一気に羨望!憧れ!そんなに惹かれるものがあるならわたしも!となってしまった。

体力のどんどん落ちるこの年代で、なんて勇敢なんだ。


始めたころの躍動するちかちゃん


実際にやってみたらばよ

向かったのは、「イーズスポーツ」のフットサルクラス。初心者向きの「ゆるサル」と銘打たれているだけあって、90分のうち前半45分は基礎練習を行なってくれる。

組になってパスをしたり、列になってフットワークをしたり、部活みたいでめちゃくちゃ懐かし楽しい。
40代の気分があっという間にずうずうしくも10代に。

それにしても、遊びでもサッカーをしてこなかった人間が、足でボールを操るというのは、無理難題の曲芸の域なんですね。
「ドリブルでコーンまで行って、ぐるっと回って帰ってくる」などという練習では、「そのコーンの直系10メートル?」というくらいどこまでも行ってしまい、コーチに「旅に出ないで~」と突っ込まれる始末。

だってねえ、昭和の女の子は本当にサッカーと無縁だったんですよ。足で何かをするなんて、行儀が悪いと言われてなんにもしてないでしょ。
下の方の引出しを足で開けたり、足の指でものを拾ったりなんて言語道断、
のわりには得意ですけど。
ボールに関しては何もしてこなかった。

コントロール、できねえ~。

サッカー少年たちがどれほど高度なことをしているか知る

クラスの後半45分は、5人ずつに分かれてミニゲームを行なう。
これでまた、すっごい驚いたんですけど、
想像しているのの10倍くらい疲れる。
たった4分で息も絶え絶えになり、終わった途端よつんばいだ。

そもそもフットサルを始められたのは、ランニングを1年弱続けて足に自信がついてきたからこそであった。
そうでなければ、衰えきっていた私が走るスポーツを始められるわけがない。

それがですよ。
よつんばいだもん。

続けられるペースで走る長距離走と違い、
フットサルはいわばダッシュの連続。
ボールに追いつかなければいけないし、
いいスペースに回り込まなくてはいけない。

最初は回り込むなんてできずに、ただひたすらボールを犬のように追い回し、犬のようによつんばいになり、全体的に老いた犬といった趣であった。

しにそー

もちろん、敵がどう動いてるか、味方がどこにいるかなんてこれっぽっちも目に入れる余裕などない。ボールが回ってきたら頭が真っ白になり、視界は20㎝四方。あげく味方のゴールにシュートをし、あげく外す体たらく。

めちゃくちゃであった。

こんなにフットサルが、サッカーが難しいものだとは知らなかった。

ほんとに、子どものサッカーが上達しなくてもどかしい~なんて思っている親御さんがいたなら、ぜひ「やってごらんよ!」と言いたい。
びっくりするほど難しい。
頭にも体にも、とても高度なことを要求されているやつです、これは。

めちゃくちゃ難しくて、めちゃくちゃ楽しい

なーんにもできていないながらも奮闘していると、ちょっとした隙にコーチが「今のいいですよ!」「うまい!」と褒めてくれることがある。
これが、大人になるとそうそうないことで非常にうれしいのだ。
「えっそうですか~?」とかいって、顔がにやけるのを抑えきれない。

救いようのないヘタクソだとしょげかえっていた心が、「初心者なのにほめられるなんて、もしや才能が……」とか一転自信過剰に。

救いようのないヘタクソのうえ救いようのないオメデタ野郎だが、
このよろこびが続ける原動力になった。
最初はお試し感覚でちょっと通ってみようくらいだったのに、
「もっとうまくなれるかもしれない」「また褒められちゃうかもしれない」
そんな子どもみたいな気持ちで通い続けてもう2年なのである。

ときおり、少年サッカーや野球やその他もろもろ、子どもたちに対して指導というより罵声を浴びせるようなコーチがいるけれどとんでもないと思う。子どもの可能性をつぶすようなことを、さも正義みたいな顔でしやがって最悪だ。
見かけると、沼に帰れ!と思う。

仲間ができちゃった!

毎週1~2日のペースで通い続けるうち、顔見知りのメンバーができてきた。同じようにはまって通っているお母さん方を中心に、男女関係なく楽しく話したり、フットサルしたり。気心の知れたメンバーとするゲームはさらに倍楽しいのである。

付き合いの長い美容師さんや友だちも引き入れて、マンションのお父さん方や中学生にも入ってもらって、みんなで草大会に出たことも。
どこか線を引いて話していたようなお父さん方でも、フットサルの仲間となれば学生時代のクラスメートみたいな感覚にぐっと近くなる。

団体競技って生まれて初めて手を出したのだけど、ものすごい有効なコミュニケーションツールなんですね。

始めた当初から「大会に出るぞ!」と意気込んでいたちかちゃん主導のもと、女子チームも結成した。アルバイトでコーチをしている大学生の女の子(プロリーグの下部組織に在籍していた本格派!)にも入ってもらって大会にも出た。

最年長40代チームのわれら、コーチのおかげで4チーム中2位に!

お父さんたちビデオを回しながら子どもたちと一緒にお母さんを応援。
そんなことがあってもいいよねえ。

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