「1945シリーズ」再販はいつ?文庫化&漫画化情報とオススメの読む順番【尾上与一】
この記事では、尾上与一先生によるBL小説「1945シリーズ」の再販情報とオススメの読む順番を紹介していきます。
「1945シリーズ」は、第二次世界大戦中の日本を舞台にしたBL小説です。
『天球儀の海』から始まる全7作のシリーズで、尾上与一先生の代表作と言われている名作ですが、2023年現在は絶版になっており、中古市場ではプレミア価格で取引されています。
イラストはシリーズすべて牧先生が担当。
この「1945シリーズ」は、2024年2月からキャラ文庫にて順次再販されることが決定しました。
同時に電子化もされる予定です。
さらに『碧のかたみ』はコミカライズも決定しています。
「1945シリーズ」文庫化の順番
「1945シリーズ」は、2024年2月からキャラ文庫にて再販が始まることが発表されました。
刊行順ではなく、二次流通の価格が高いものからになるとのことで、1冊目は『蒼穹のローレライ』(2024年2月27日発売)です。
単行本との違いは、表紙が新たに描き下ろされることと、書き下ろしSSが追加されること、本文に多少の加筆修正が入っていることの3点です。
まだ文庫化が決まっていない作品も今後なんらかの形で再販予定とのことなので、尾上先生のTwitterアカウントをフォローして情報を待つのがオススメです。
2024年5月現在、『蒼穹のローレライ』、『天球儀の海』まで文庫化済みで、次の文庫化予定は6月の『碧のかたみ』です。
1.『蒼穹のローレライ』 2024年2月27日刊行
文庫版「1945シリーズ」の1巻は『蒼穹のローレライ』です。
シリーズ中、最も泣ける1冊で、面倒見のいい整備士と人嫌いの戦闘機乗りの恋を描いています。
表紙は牧先生の新規イラストで、単行本の時の表紙がカラーイラストとして収録されているのと、巻末に描き下ろしイラストが1枚入っています。
さらに尾上先生の同人誌から「月と懐中時計」を再録し、書き下ろしSSとして塁が三上の写真を欲しがる話「面影」を巻末に追加しています。
2024年3月8日に電子版も発売。
また、文庫化記念で尾上先生が過去に書いたSSをHPにて再アップしてくれています。
さらに、2024年5月22日発売の『小説Chara vol.50 2024年 07 月号』には、尾上与一先生による『蒼穹のローレライ』の番外編と、牧先生によるコミカライズが掲載されるとのことです。
2.『天球儀の海』 2024年4月26日刊行
文庫2冊目は『天球儀の海』です。
名家に生まれた一人息子×大家族の末っ子の初恋を描いた切ない1冊で、特攻で引き裂かれる2人の行く末は『蒼穹のローレライ』に負けず劣らず涙を誘います。
表紙は牧先生の新規イラストで、単行本の時の表紙がカラーイラストとして収録されているのと、巻末に描き下ろしイラストが2枚入っています。
作中の挿絵は単行本と同じものですが、単行本では希の髪型がずっと一緒だったのが文庫版ではだんだん伸びていくように描き直されているので、より当時の雰囲気をリアルに感じることができます。
さらに尾上先生の書き下ろしSSとして、希と資紀がお互いに食器をプレゼントしようとする話「青いカップの神様」が収録されています。
電子版は5月10日に配信開始です。
3.『碧のかたみ』 2024年6月27日刊行予定
文庫3冊目は『碧のかたみ』です。
「1945シリーズ」の中でおそらく1番人気の作品で、『天球儀の海』に登場した大家族の末っ子のお兄ちゃんが受けとして登場します。
カップリングは世話焼き偵察員×やんちゃパイロット。
紙版は2024年6月27日発売予定。電子版は7月7日あたりに配信開始になるのではないかと予想します。
4.『プルメリアのころ。』 2024年8月27日刊行予定
文庫4冊目は『プルメリアのころ。』です。
軍人気質のパイロットと薄幸の弱虫パイロットの綱渡りラブを描いた戦場BLで、比較的ほのぼのしていると思います。
紙版は2024年8月27日発売予定。電子版は9月6日あたりに配信開始になるのではないかと予想します。
5巻以降の発売スケジュールはまだ発表されていないので、公開され次第、追記していきます。
『碧のかたみ』漫画化決定!
「1945シリーズ」2作目の『碧のかたみ』は、漫画化計画も始動しているようです。
作画を誰が担当するのか、単行本で刊行されるのか、それとも連載形式になるのかなど、詳しい情報はまだ出ていません。
また発表され次第、追記していきます。
「1945シリーズ」一覧
『天球儀の海』 2012年10月刊行→2024年4月文庫化
『碧のかたみ』 2013年8月刊行→2024年6月文庫化
『彩雲の城』 2014年11月刊行
『蒼穹のローレライ』 2015年10月刊行→2024年2月文庫化
『プルメリアのころ。』 2016年2月刊行→2024年8月文庫化
『郵便飛行機より愛を込めて ブルーグラフ1945』 2016年8月刊行
『謹製ヘルブック ブルーグラフ1945』 2017年6月刊行
「1945シリーズ」は、5作の本編と2作の短編集からなるシリーズ作品です。
短編集は、尾上与一先生が同人誌などで発表した短編を集めて商業化したもので、ブルーグラフ1945というサブタイトルがついています。
「1945シリーズ」を読むのにオススメの順番
「1945シリーズ」では5組のカップルが描かれているため、登場するカップルごとに読み進めていくのがオススメです。
※ここではノベルズ版のオススメの読む順番を紹介していますが、キャラ文庫版は刊行順で読んで問題ない順番で刊行されるはずなので、手に入るものから読んでいって問題ないと思います。
1.『天球儀の海』 2012年10月刊行→2024年4月文庫化
1作目の『天球儀の海』では、地主の家に生まれたお坊ちゃま×愛されて育った学者の家の末っ子の切ない初恋を描いています。
不器用攻め、一途受け、身分違いの恋、年の差カップル、軍人BL。
シリーズの他の作品はラバウルが舞台ですが、『天球儀の海』だけは日本国内で物語が進んでいきます。
キャラ文庫から出る文庫版ではシリーズ2作目になります。
2.『碧のかたみ』 2013年8月刊行→2024年6月文庫化予定
2作目の『碧のかたみ』は、面倒見のいい苦労人気質の偵察員×喧嘩っ早い九州男児の操縦員の戦地での恋を描いた作品で、「夜間戦闘機・月光」という2人乗りの飛行機に乗るペアの関係性を描いています。
体格差カップル、かわいい受け、軍人BL。
「1945シリーズ」は、一応どの巻も話が独立しているので、どれから読んでも問題ない作りになっていますが、唯一『天球儀の海』と『碧のかたみ』にはつながりがあります。
『碧のかたみ』の巻末に『天球儀の海』の結末に触れる短編が入っているので、この2作だけは『天球儀の海』→『碧のかたみ』の順で読むことをオススメします。
キャラ文庫から出る文庫版ではシリーズ3作目になります(2024年6月27日刊行予定)。
3.『郵便飛行機より愛を込めて ブルーグラフ1945』 2016年8月刊行
短編集1作目の『郵便飛行機より愛を込めて』には、『天球儀の海』の資紀と希、『碧のかたみ』の六郎と恒の話が収録されています。
2013年~2014年にかけて発行された同人誌と特典ペーパーに掲載された短編を中心に書き下ろしもアリ。
六郎×恒カップルの話がやや多めです。
シリーズのイラストを担当している牧先生の漫画も4作収録。
濡れ場なしの全年齢向けです。
アンソロジー『HOLLY MIX』 2013年10月刊行
ここで少しシリーズ作品ではない本を挟みますが、ホリーノベルズのアンソロジー『HOLLY MIX』にも『碧のかたみ』の短編が収録されています。
ラバウル時代の六郎と恒のエピソードが描かれているので、このカップルが好きな人は買って損のない1冊になっています。
ただ、『HOLLY MIX』も2023年6月現在は絶版になっているので、手に入るのは古本のみになります。
『HOLLY MIX』についてはこちらの記事で詳しく解説しています。
4.『彩雲の城』 2014年11月刊行
次に読んでほしいのは本編3作目の『彩雲の城』です。
人懐っこい天真爛漫なわんこ系男子×心を閉ざしたツンデレ美人の軍人BLです。
「爆撃機・彗星」という2人乗りの飛行機に乗るペアの話になっています。
作中最もオトナな雰囲気のカップルで、ノンケ攻め×ゲイ受けです。
5.『謹製ヘルブック ブルーグラフ1945』 2017年6月刊行
短編集2作目の『謹製ヘルブック』は、『彩雲の城』に登場する藤十郎×伊魚カップルを描いた短編集になっています。
2014年~2015年に発行された同人誌と特典ペーパーを中心に、書き下ろしも収録。
『彩雲の城』では藤十郎視点で物語が進んでいきましたが、『謹製ヘルブック』には当時を伊魚視点で描いた短編も入っているので、『彩雲の城』の記憶が新しいうちに読むとより楽しめると思います。
濡れ場もたっぷりあります。
また、『碧のかたみ』の六郎と恒も少しだけ登場しています。
6.『蒼穹のローレライ』 2015年10月刊行→2024年2月文庫化
本編4作目は『蒼穹のローレライ』。
人のいい腕利き整備士×死にたがりのわがまま戦闘機乗りの切ないラブストーリーです。
「1945シリーズ」には2人乗りの戦闘機に乗るペアが登場することが多いですが、『蒼穹のローレライ』では唯一、地上要員と零戦パイロットの恋を描いています。
年の差カップル、強気受け、軍人BL。
キャラ文庫から出る文庫版ではシリーズ1作目になります。
7.『プルメリアのころ。』 2016年2月刊行→2024年8月文庫化予定
最後は九九艦爆という2人乗りの爆撃機に乗るペアを描いた『プルメリアのころ。』です。
昇進を夢見る戦闘機乗り×臆病な弱虫幹部の階級差カップル。
軍人としての野望に燃える攻めと、誰よりも軍人に向いていない受けの凸凹っぷりが見どころです。
キャラ文庫から出る文庫版ではシリーズ4作目になります(2024年8月27日刊行予定)。
短編集「ブルーグラフ1945」は途中で打ち切り?
「1945シリーズ」のカップルは5組いるのに、短編集にあたる「ブルーグラフ1945」は2冊しか出版されていません。
『蒼穹のローレライ』と『プルメリアのころ。』のカップルの話ももっと読みたいと思っている方も多いと思います。
実は、ブルーグラフはあと2冊刊行されることが決まっていたようですが、当時の編集部の方針で刊行が中止になったとされています。
ブルーグラフ3になる予定だったものは『青空のローレライ』、4になる予定だったものは『海鷲に告げよ』というタイトルで同人誌として出版されているようですが、絶版になっている商業誌以上に入手が困難な品です。
同人誌に関しては、シリーズ再販の際に一緒に書籍化してくれる可能性も残っているので、今後の動向に注目したいと思います。
『天球儀の海』のカップルを描いた同人誌『葉隠否定論』には再度商業化の話が出ているみたいですが、尾上先生自身がまだ迷い中なので実現するかは未定とのこと。
同人誌のうちのいくつかは2024年春に再販予定とのことで、詳しい情報は尾上先生のHPにて確認できます。※ひとまずコミコミスタジオとフロマージュブックスで『青空のローレライ』と『葉隠否定論』が期間限定販売中。
絶版に関する一連の経緯についてはこちら。
まとめ
尾上与一先生の「1945シリーズ」は、ファンの間でも再販を望む声が大きい作品です。
ついに再販が始まるとのことで、新装版も楽しみですね。
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