看護師の有給消化率はすごく低い。

今の職場では年20日有給が与えられるが、使えるのは年10日ほど。使わなかった分は翌年に繰り越される(1年で消えるけど)から3年目くらいには付与される20日+昨年の残り20日で40日ほどになる。

就業規則を見ると、有給は職員の希望した日に取らせなければならないとか、雇用者は時季変更権のみ認められるとか書いてあるけど人手不足のため、自由に使えるはずもなく休み希望を書いたところに勝手に使われていく。

退職者もほとんどの人が使わずに、退職月の4週目くらいまで働いて辞めていったからそういうものだと思っていたし、私も退職月の中旬まで仕事をして辞める予定になっていた。

しかし、有給の制度について調べてみるとその認識が間違ったものだったってことに気づいた。

気づいてしまった以上、全消化しないと気が済まなかった。

ここに有給消化バトルの経過を残そうと思う。

まず退職予定の三ヶ月前に病棟師長に書面で有給全消化した旨を伝えた。《○月末で退職する予定だったのだが、人手が足りていないため、退職日を2ヶ月ほど後ろ倒しにし、○月末まで働いた後に有給消化したい》と伝えた。書面で伝えたのは、のちのち労働基準局などにいった際に、有給消化を希望したことの証拠になると思ったから。

師長の返事は「上に確認してみます。」からの「他の人も使ってなかった。前例がないので無理です。一度決めた退職日を後ろ倒しにすることはできない。だけど人手が足りないから、退職日までの間で有給を取ってもらったら困る。」だった。そんなこと言われてもこっちも困る。お金のことなのだ。

「納得できません」と伝え、再度面談することとなり話し合いは終了した。

ここで労働基準局に駆け込んだ。労働基準局に相談しておけば、相談した内容が記録として残るし有給取得を強行突破したときに給料が払われなければ、職場に立ち入り検査してもらうこともできる。

労働基準局からのアドバイスは、「職場が有給取得を認めないのであれば、有給分は有給申請書を記入してその後職場に行かないようにする」ことだった。

さすがに看護学生時代からお世話になっている病院だしそこまでのことはしたくなかったので「労基からはこう言われたが、そこまでのことはしたくない」と師長にそのまま伝えた。

その後、諦めるつもりはないか、そういう人だとは思わなかった、マナー違反だと何度か言われたが、1ヶ月分の有給は貰えることになった。

職場の先輩には有給取得したいことを事前に相談していた。人によって意見は違っていた。権利だからいいと思うよと応援してくれる先輩もいたが、他の人に迷惑がかかるからという先輩もいた。(価値観の違いだと思った)

元々辞める予定を後ろ倒しにして有給をもらっているのだから迷惑だとは思わないし、有給をもらって辞めることが一般的になれば、有給分も考えて退職日を設定すると思うからだ。

わたしの反省点としては、有給の制度を知らなかったため有給を使いたいと申し出ることが遅くなり全部はつかえなかったことである。(3ヶ月前は一般企業では決して遅いとは思えないが、看護師はシフト制なので仕方ない)

初めから有給を使うことを前提に退職の話をしておけば、使えなかった有給17日分のお金をむだにすることがなかったと思うとすごく悔しい。

就業規則は誰でもみることができるようになっているし、労働基準法だってそうだ。知らないままでは損してしまう。過去の無知だった自分を呪いたい。まあ、過去の無知だった自分に呪われて有給消化はできないわけだけども。

これから退職予定のある看護師にはぜひ、有給全消化をしてほしいと願っている。(調べて難しければ労基に行けば教えてもらえる。退職が決まった段階で電話で相談することもできる。電話代しかかからずに有給40日分1日1万円だとして40万円貰えるのはでかい！)

追記:やっぱり諦めがつかなかったので総務に有給取得について確認したところ取得可能と言われた。もう一度バトルし、結局全部使うことができた。最後のシフトは全く休みがない鬼勤務だったが、有給をすべて使うことができなのでよしとした。