月収(手取り)25万からフリーランス(額面)50万への転職は本当に得なのか

何かと話題な、フリーランス本当に儲かるのか問題を金銭的に比較したメモです。正しい計算は大変なので、雑に計算してます。参考までに。

月収(手取り)25万の内訳

基本給 = +29万
時間外労働手当(残業)とか住宅手当とか交通費とか基本給以外の手当 = +3万
厚生年金(支給額の9%ほど) = -2.9万
健康保険(支給額の5%ほど) = -1.6万
雇用保険(支給額の0.3%ほど) = -0.1万
住民税(雑に4%ほど) = -1.3万
所得税(雑に2.4%ほど) = -0.8万

額面 = 32万
手取り(源泉徴収6.7万ほど) = 25.3万

ボーナスがある場合の内訳

基本給の1.5カ月(年2回) = +87万
厚生年金(支給額の9%ほど) = -7.8万
健康保険(支給額の5%ほど) = -4.4万
雇用保険(支給額の0.3%ほど) = -0.3万
住民税(なし) = -0万
所得税(雑に2.4%ほど) = -2万

支給額 = 87万
手取り(源泉徴収14.5万ほど) = 72.5万

年収換算すると

月収(手取り)25万のみ場合
額面 = 384万
手取り = 303.6万

月収(手取り)25万+ボーナス1.5ヶ月*年2回の場合
額面 = 471万
手取り = 376.1万

年俸制で換算すると

月収+ボーナスを12で割ると、月収は以下になります。

額面 = 39.3万
手取り = 31.4万

同等の年収で、フリーランスだとどのくらいの額面があればいいか

会社員(給与所得者)とフリーランスで計算が違う要素をどうするか

まず大まかな要素として、
経費の量で所得(売上 - 経費)がかわるため、給与所得者に比べるとフリーランスは所得が低くなりやすいです。
所得の違いは、国民健康保険、所得税、住民税に影響が出ます。
(ただし、給与所得者には、経費のかわりのような、給与所得控除があり、所得が下がらないかわりに控除が大きくなります)

そこで、給与所得者も、給与所得控除と同じくらいの負担が発生しており、
フリーランスも、同じくらいの経費が発生しているとします。
なので本当はいろいろと単純比較はできませんが、今回は経費を考慮せずに同じ計算方法をします。

また、厚生年金と国民年金、
健康保険(会社員が一般的に加入する社会保険)と国民健康保険、
住民税と所得税の引き落としタイミングと按分も違うため、
ここも比較しづらいですが、今回は同じ計算方法で、12で按分した額が毎月引かれる扱いにします。

比較対象

1年の売上を12で按分したものを月収扱いとするので、年俸制と比較します。
月収(手取り)25万+ボーナス1.5ヶ月*年2回、と同程度の年俸制の場合は、上で記載した通り。
額面 = 39.3万
手取り = 31.4万

支給されず、会社が負担している額の考慮

会社員で月々の給料明細を見ているだけではほぼ気づきませんが、実は得をしています。

厚生年金(39.3万の9%ほど) = 3.5万/月
退職金(30年で1000万として) = 2.8万/月
福利厚生(職場で何か自由に使えたり、会社の金で肉を食ったりして経費にしたもの) = 0.5万/月

厚生年金は積立額による粗利の差とかもあるけれど、国民年金ともに利率0%の元本帰ってくるだけで想定します。

会社員は定年後に厚生年金、退職金を受け取りますが、
フリーランスは随時受け取る(月収に含ませる)ため、定年後受け取り終わったタイミングで同等の年収(生涯年収)の状態になります。
(そもそも退職金制度がないとか、転職するのでそんなに貰えないとかであれば、それだけ同等と思われる額は下がります)

これらを現金で、月収に含めて受け取る場合+6.8万として、フリーランスでの額面と手取り(目安)は以下です。
額面 = 46.1万
手取り = 38.2万

昇給と契約金額

フリーランスにはよく言われるリスクがあるので、お金にまつわる部分は補足します。

会社員は昇級があり、給与が下がることは基本的にはないですが、
フリーランスでは、収入はその時々の契約金額の問題で、次の契約で上がるとか下がるとか保証はないです。
契約が途切れた場合、収入のない期間を含めて按分計算した金額が、給与と比較できる額になってしまいます。
また、フリーランスは雇用保険に入れないので、失業手当はありません。
鬱で休職した時なども、ただ収入がないだけになります。

中長期で考えた場合でも、10年後とかの市場の状態、契約金額の相場感のわからなさなどもあるので、フリーランスは高めにもらっておかないと、気が付いたら会社員のままのほうが昇級して、トータルの収入は上だった、ということも十分考えられます。

まとめ(所感)

月収(手取り)25万からフリーランス(額面)50万程度だったら、
(生涯年収の)金銭的メリットはほぼないです。
最後にまとめた数字をこちらに。
以下でほぼ同等くらい、リスク管理としてフリーランスはもっと額面が必要です。

会社員(ボーナスあり)
額面 = 32万
手取り = 25.3万

会社員(年俸制)
額面 = 39.3万
手取り = 31.4万

フリーランス
額面 = 46.1万
手取り = 38.2万

なお、定年待たずとも手元に現金がある、
働きやすさが違うなど、そういった比較はまた別の話ということで。

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