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MyGO!!!!! ZEPP TOUR 2024 「彷徨する渇望」を『砂寸奏/回層浮』から回想する

はじめに


ハロ~~~~~~~~~~~!!!!!!!!(HEY-SMITH猪狩っぽく)


Zeppツアー千秋楽から2週間ほど経ち今更感はありますが、ようやく言いたいことがまとまってきたのでツアーの感想を書き連ねていきます。
今回の記事では、東京公演で初披露された砂寸奏、福岡公演で初披露された回層浮の2曲を中心にツアーを回想していきます。

ちなみに、どちらかというとライブの感想文と言うより楽曲の解釈についてのウェイトが重いので、それを留意したうえで記事を読んでくださると幸いです(収拾つかなくなってボツにした2000字を見ながら)。


楽曲の感想・印象

前置きはこの辺にして、本題に入っていきます。
正直ツアー全体に関して言えば、無限に感想が湧き出てくるぐらい濃いツアーでした。それについてはXの方でダラダラ記述することにして、今回は『砂寸奏』と『回層浮』の2曲にフィーチャーして感想を述べます。

砂寸奏

今回のツアーの表題曲とも言えるこの楽曲。
東京公演の本編ラストで初披露された楽曲で、初見の感想は、ノリの良いリズム感、ギターとドラムの厚みに圧倒されるロックチューンだなと感じました。

歌詞に注目してみると、

「同じ音符を 追いかけるのに 昨日とは何かが 違うみたいだ」
「たった今 今にしか さわれないぐるりの音」
「僕らに降り注ぐ 時の粒つかまえ」

と、一瞬一瞬の時間にフォーカスしていることがわかります。

砂寸奏は、リアルライブなどを通して得られる観客の熱気や、その場その場でしか得られないような、二度と同じものが出せない音など、「仮想」と「現実」が交差するMyGO!!!!!において、ライブのような「現実」にかなりフォーカスした楽曲だと考えています。

これは個人的な話になるんですが、ジャンルやアーティスト関係なく、音楽ライブに参加する理由がまさに砂寸奏の中に詰まっており、そのライブのフロアでしか得られない熱気や、同じ楽曲でも場所や時間が違えば同じ音は二度と出ないような「生きてる音」をつかみに行っているんだなと再認識した楽曲でもあります。

あとTHE ORAL CIGARETTESのBLACK MEMORYに似てるのを発見した人天才。

回層浮

こちらは福岡公演の本編ラストで初披露。
開幕で砂寸奏を消化し、ラス2の迷路日々が終わって〆曲何やるんだろうと考えていたらいきなり

アカペラコーラス
「明日ははるか遠くて」

「昨日を追い出されて」

「狭間で膝を抱えてる」

「ウラ オモテ またウラへ」

「ぐらぐら 思考は揺れ」

燈「………回層浮……」

で思わず隣にいた連番者さんと頭抱えました。

ファーストインプレッションはとにかく強烈でした。
どことなく浮遊感のある掴みどころのないメロディー、ポエトリーリーディングとコーラスが醸し出すハーモニー、この曲を一括するなら、言い方はちょっと語弊を生みかねないかもしれないですが「奇妙な曲」だなと感じました。

メロディーの浮遊感に関して、福岡公演の終演後に大阪に向かうフェリー乗り場行きのバスで、合唱団にも所属しているかずさん(@settemare_mygo)と少し話した内容がめちゃくちゃおもしろかったのでその内容を一部記します。

コーラス(「明日ははるか遠くて」など)のメロディーは全部ピアノの黒鍵で演奏できること、おそらくフリジアンスケールを用いているためどことなく妖しい雰囲気になっていること、作曲者コメントより、音の縦方向への重積(和音・コード)ではなく、横方向への展開を意識して作曲したことで浮遊感を生みだしている、といったことからこのメロディーになっているとか。楽曲派オタクすげぇ。

自分で言葉に出来なかったものを全部言語化してくださったにでめちゃくちゃ感謝しています。この場でお礼を。

回層浮は砂寸奏と打って変わって、キャラクター(今回なら燈)の内面に関して描かれている楽曲で、「仮想」の面が強いと感じました。

「流せなかった涙の溜まり場深く 哀しみ用のコップで掬って 僕は静かにそれを眺めた」
「今日が散らばるように 浮かんで沈んで 文字がひしめくよ」
「早く 早く 心を書き出したいのに 推敲 水響 僕をなぞって 僕を綴って

燈の内側に溜まった感情やとめどない言葉、それを歌詞に書き起こし、MyGO!!!!!の音楽として届けにいきたい、といったMyGO!!!!!の楽曲の成り立ちに関して描かれている歌詞になっていると考えます。

「僕を綴って」っていう表現、めちゃくちゃおしゃんてぃ。

この「仮想」の面を歌った曲である回層浮と「現実」の面を歌った曲である砂寸奏の対比的な関係性も両A面の一つの理由であると考えますが、もう一つ大きな理由があると考察するので次項へ。



Zeppツアー愛知公演から見る『砂寸奏/回層浮』の関連性

歌詞も曲調も何もかも違うこの2曲。特に回層浮なんて「変な曲」すぎてなぜB面にならなかったのか不思議なぐらいです。

そんなこの2曲が両A面になった理由がZeppツアー千秋楽の愛知公演から感じ取りました。

セットリストはこちら。

この記事において特筆すべきことは本編ラストのM11.回層浮とM12.砂寸奏。
回層浮後の燈のMCにて、

「産まれた言葉を、感じた言葉を、届けに行かなくちゃ。」
「だから、今も彷徨し続ける、この渇望で。」

「今日に馳せても、いいよね。」


♪砂寸奏


これこれこれこれ~~~~~~!!!!!


ツアーの大阪公演までは、砂寸奏は各地でしかつかむことのできない音や熱気を集めに行くことを描いた曲だと思っていました。もちろん福岡や大阪のMCで述べていた通り、そのような曲であることは間違いないと思っています。

しかしこの愛知公演を経て、燈の紡ぎ出した想いを、音楽と共に彷徨していくといった意思表示である曲でもあると感じました。「消えない歌を道連れにして」って歌ってるのに今更過ぎる感じはありますがそれは置いといて

先述したように、回層浮は燈の楽曲(歌詞)制作における内面を描いた楽曲であり、燈が日常や様々な感情にもがきながらも歌詞を紡ぎ出しているといったことを歌にしています。
その歌詞(感情)を届けに行くために彷徨し、歌をうたい、想いを届けに行きたい。それこそがここで言う「渇望」になっているのだと考えました。故に砂寸奏と回層浮は、想いを伝えたいという点で、切っても切り離せない存在であり、この2曲が両A面になったのだと考えます。


おわりに

正直、割とこじつけ感ある上に、本旨(?)であるツアーの回想からは大幅に逸れていますが、とにかくここまで読んでくださった方本当にありがとうございます。

最後に、せめてものタイトル回収のためのライブ自体の感想を少し。

Xでも少し話しましたが、ツアー自体のセットリストは12thで一旦アニメの精算が終わっているお陰か、MyGO!!!!!の音楽を何のしがらみもなく楽しめるようなセットリストだったので、かなり物理的な熱量高くライブを楽しむことが出来たかなと思っています。
ライブを経る事に進化していく演奏技術や表現、演出の変化などツアーでしか得られないものが楽しめました。

ツアーでしか得られないもの繋がりとして、各地のライブ会場でしか得られない生きた音や、同じ熱になっているフロアの空気、どれをとっても最高の瞬間でした。
同じ熱になれた各地の連番者様々にはこの場を借りて大感謝を。

7月末の6th、ツアーを経て様々な景色を見てきたMyGO!!!!!がどのようなライブをするのか楽しみです。


因みにサムネの画像はRAS台湾帰りに経由した沖縄の海の画像なのでツアーは全く関係ありません。ただの好みです。

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