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【Day19】スペイン巡礼〜巡礼とその先のこと

な、な、、なんと今ならお値段半額ッ!半額、このお値段デスッッッ!!いよいよカミーノも残すところ半分ほどだ。

やっと半分きた…って安心感と、あと半分しかない寂しさと少しの焦り。残りのカミーノの間で自分の問いへの結論は出るのか。


歩きながら、帰国後に大学院に復学して修士号を取ったあとどうしようか…って考えた。
自分には元々遺伝性の病気があって、その影響で脳に腫瘍がある。まあ、あれだよね『難病』って言われちゃうやつ。

去年、その腫瘍が急速に肥大化したのが判明して摘出手術を受けた。術後に先生からの「全部取ると眼球が動かなくなるから、ギリギリまで取ったよ」って言葉には震えた。下手なホラー映画よりも怖い。

まあつまり、全摘出する代償に眼球を犠牲にするか、放置して大きくなった分を摘出するイタチごっこを人生でするかの二択ってわけだ。場所的に薬も放射線も効きにくいらしい、オワコン。

けども、放っておくと視界に影響する可能性がある。最悪の場合は失明するらしい。そんなわけで、当初は28歳くらいで行く予定だった旅を今している。見えなくなるかもしれない前に、死ぬかもしれない前に。

自分には周りの人たちと同じように保証された平等な未来がない、って現実を突き付けられた。去年は本当に生きる気力を失くしていた。

「甘えんな」って言われればそうだろう。その通りです先生。
何かで自分の生きた証を残したい、って言っても現実を見ろって話だよね。

きっと正解なのは普通に就職して普通に働いて、って道なんでしょう。それで、運悪く病気で亡くなりましたって。でもそれじゃあ納得したくないな〜なんて贅沢な悩みをしているわけです。


とりあえず歩いてる間は生きた軌跡と証を残そう。そう決めている。そして答えを探す。


バックパックには生きるのに必要なものが全て入ってる。カメラと少しの服と、それにクッキー。これがあればどこにでもいける、そんな自由を感じながら歩く心地の良さを今は味わっておきたい。


そんな今日は韓国の4人とクッキング。(少しくらい明るい話題を入れないとね。)
どこの国でもパスタの作り方は似ているらしい。

みんな歳上の韓国のお兄さんお姉さん方。
ふと、自分は彼ら彼女らの年齢の時にこうして旅する事が出来ないのかも、って考えるとどうしようもなく寂しくなる。

そんな寂しさも「写真素敵だね!ありがとう!」って言葉で飛んでいったけども。お世辞でもそんな風に言ってもらえるのは嬉しい。

【19日目】
テラディリョス・デ・ロス・テンプラ 6:00

ベルシアノス・デル・レアル・カミーノ 13:00
25 km

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