暮らしの薬学【殺虫剤編】~①害虫から生活環境をまもろう!
ミズホ「殺虫剤ください・・・」
ナナコ「殺虫剤ね、相手によって種類も色々あるけど?」
ミズホ「Gよ、Gが出たのよ・・・」
ナナコ「Gって何よ、ゴキブリでしょ」
ミズホ「嫌!やめて!その名前がすでにおぞましいからイニシャルで呼んでるんじゃない・・・」
ナナコ「え~?それじゃあ伝わらないんですけど。ゴキブリゴキブリ」
ミズホ「嫌っ!嫌っ!」
やめて・・・ Gだけは見るだけでも無理・・・
・・・ということで始まりました、「暮らしの薬学」。
薬局活用ガイド編集部のミズホです。
前回と同様、近所の薬局の薬剤師・ナナコさんとともにこのコーナーをお届けします。
気温が上がってくるとGを筆頭に家の中や外にイヤ~な虫たちがぞろぞろ現れてくるんですよね。
今年は早めに殺虫剤を買って準備しておかなくちゃ。
でも殺虫剤って虫をやっつけてくれるけど人には影響がないのかな?
ナナコ「ミズホちゃんは本当に虫が嫌いなんだね。「嫌い!」ってだけでなく、住みやすい生活環境を守るためには駆除しなくてはならないよね。
では、これから4回に渡り害虫と殺虫剤について一緒に勉強しましょう!」
害虫がもたらす病気
寒い冬も暖房器具のおかげで人間だけでなく、越冬しずらかった害虫までもが、すごしやすくなり、害虫たちも繁殖し続けることが可能になりました。ダニアレルギーからアトピー性疾患に罹患する子供が増えました。日本では戦時中、アタマジラミやケジラミ等が多かったようですが、終戦後全国あげての感染症対策が行われてほとんどいなくなりました。しかし、再び、夏のプールシーズンもしくは、季節問わずみられるようになっています。薬局ではシラミ駆除シャンプーを販売しているので気になる人はご相談してみてください。
日本脳炎など蚊が媒介する感染症は激減していますが、デング熱という、「海外渡航で感染し、帰国後に発症、そして蚊を媒介して感染」するという病気を聞いたことありますか?現在、日本国内では予防接種がなく、ただ、媒介する蚊に接触しないことのみ予防手段がありません。目に見えにくいダニやシラミそして気づかないうちに刺されてしまう蚊によって病気になってしまうことがあるので、害虫防除対策はとっても重要ですね。
Q.子供の頭にアタマジラミがいるのがわかりました。
Q.子供の頭にアタマジラミがいるのがわかりました。寝ているシーツや枕カバーは消毒したほうがいいでしょうか?
A.洗濯前に、60℃以上のお湯に5分以上つけておけば、シーツやカバー、衣類に付着している幼虫・成虫・卵が死滅します。または、衣類乾燥機も効果があります。さらに、子供さんが寝転んだカーペット等には、シラミが落ちている可能性があるので、掃除機でまめに掃除しましょう。シラミは、吸血しないと2~3日で死滅しますので、掃除機内で増殖することはありません。
もっと勉強したい人に~参考リンク・参考図書
●デング熱に関するQ&A(厚生労働省作成)
https://www.med.or.jp/doctor/kansen/dengue/003282.html
●国立感染症研究所 デング熱・デング出血熱 (niid.go.jp)
https://www.niid.go.jp/niid/ja/diseases/ta/dengue.html
<参考図書>
▼蚊が媒介する恐ろしい病気・・・『ネズミと害虫退治の科学』
▼ダニアレルギー、ダニ抗原と皮膚炎・・・『家屋害虫辞典』
<この記事をまとめた人>
ミズホ
「薬局活用ガイド」編集部員。埼玉県在住。中2の長女、小4の長男の子育てをする二児の母。
<書いた人・監修>
藤田知子
京都薬科⼤学卒業後、メーカー勤務を経て、ドラッグストアでOTC医薬品販売から処⽅箋調剤など薬剤師業務 に従事。“薬剤師は町の科学者”をテーマに薬系新聞に寄稿、「ドラッグストアQ&A」(薬事⽇報社)を編集。