2/26、スタチン合剤

今日は、ロスーゼットLD錠 1Tとアムロジピン2.5mg 2T 分2を処方された患者さんの服薬指導をした。ロスーゼットはロスバスタチン 2.5mgとエゼチミブ 10mgの合剤であり、原則としてエゼチミブ 10mg及びロスバスタチン 2.5mgを併用している場合、もしくはロスバスタチン 2.5mgで効果不十分な場合にロスーゼットLD錠が適応となることを教わった。この患者さんはロスーゼット(ロスバスタチン+エゼチミブ)+アムロジピンであるが、カデュエット(アトルバスタチン+アムロジピン)+エゼミチブでも、スタチン+エゼミチブ+アムロジピンで錠数も同じであるため、なぜこの組み合わせで処方されているか尋ねた。考え方の1つに効力比があり、スタチンにはスタンダード、ストロング、スーパーストロングというグレードがある。この患者さんはロスバスタチンでも効果が不十分であったためロスーゼットに変更になったことが予想されることから、スーパーストロングであるロスバスタチンをストロングのアトルバスタチンに変えてエゼミチブを追加するよりも、ロスバスタチンをロスーゼットに変えるほうが自然であると教わった。
これらのことから、合剤の選択には薬の組み合わせやタイミングに加え、どういう疾患、症状を中心に据えて考えるかも大事なのではないかと思った。脂質異常が亢進している患者さんでは脂質異常を中心に考え、今回の患者さんのように脂質異常治療の効果を上げるためにロスーゼットという選択をし、アムロジピンが処方されている高血圧患者で、軽度の脂質異常が見られた場合、コンプライアンスの向上も視野にカデュエットという選択がなされるのではないかと考えた。すなわち、最終的に似た組み合わせの薬になろうとも、そこに至るまでの経緯や、患者さんの体調変化によって、行き着く組み合わせが変わってくることがわかった。
薬物治療において、多くの場合に絶対の正解はなく、数ある薬物の中から適切であろう選択がなされている。薬剤師という立場は、その正解を見つけることよりも前に、その選択が患者さんに危害のあるような間違いではないかという最終的な監査をする役目であることを実感でき、学びになった。