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リスと米と吉祥寺の日記 - 20210714

二日くらい前、急にリスが見たすぎてどうにかなりそうだった。YouTubeでリスの動画を観ながら無表情で寝転がるだけの日中を過ごし、リス、とだけ思う日だった。

こういうタイミングが来るのは初めてではなく、普段はリスのことなど考えもしないのに突発的に思考をリスに支配されることが不定期的にある。その場合は毎度どうにもせず淡々と日々を過ごしリスへの思いが朽ちて風化していくのを見送ったものだが今回は勝手が違うと気づいた。自分は今春から東京に住んでいる。

東京にはリスがいる。

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いても立ってもいられず外へ飛び出した。

(外へ飛び出した感のために全く関係ないフリー素材の街を添付しました)


という感じの日だった。

いわゆる生活リズムが不特定というか流動的になっている。重篤な昼夜逆転に陥る週もあれば21時就寝→8時起床みたいな完全の健康状態に落ち着く週もある。

先日の日記でこういうことを書いたのだがここ最近は完全に後者で、眠くなって21時に寝ては7時とかに目覚めるような暮らしが続いている。こういう生活の利点は「出かけられる」という点に尽きる。リスの衝動に襲われたのが偶然このタイミングだったのは景気がいい。

12時間寝て9時に起床、歯を磨いて外へ出た。最近自分にしてはちゃんと歯磨きをしている。というのも頬を誤噛(ごごう)(誤って噛むこと)(噛の音読みってゴウなんですね)したせいで口内炎ベビーみたいなやつが発生しており、絶対に成長させてなるものかと奮起し口腔状態に気を遣っている(口内炎は口腔内がきれいじゃないときに悪化するらしいと最近知った)。

柄にもなくリステリンとかを使うようにもなった(柄にもなく?)。こんなにも口内炎を憎悪するようになったのはここ数ヶ月のことで、まあ理由は自覚している。

まず口内炎ってひとつあるだけで食事の楽しさが6割以上削がれる。食事の楽しさが6割以上削がれると生活自体の精神的水準がかなり変わってくる。あと最近になって意外と食べるのが好きだと気づいたのもある。ただいちばん大きい原因は今春以降になってそれまでの暮らしから脱したことにあると思う。以前の地獄的生活では正直かなり心がアレだったので、口内炎は嫌ではあったけど「それどころじゃない」という具合であまり気にしていなかった(それどころじゃなかった)ように思う。だから自分が口内炎みたいな小さな悩みに奔走できていることは現在の幸せな心持ちを端的に象徴している。


それで電車での移動中ふと「ハンコ注射ってやったことないしよく知らないけどあれ何?」「知らんけど注射って血管に刺さなきゃいけないんじゃないの?あんな針何本もあったら全然関係ない位置に刺さりまくらない?」「どういうこと?」と思いwikipediaで調べた。

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そしたらこういう表示が出た。わりと話題になってたらしいけど、ページを開くやいなやデカデカと出てきて「寄付してくれないとやばい」「98%の読者が無視をする」「300円でいい」「あなたが残りの2%になってくれ」的なことが巧妙な言い回しで記されている。

あァ……?


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フン……


300円ならと思って片手間に寄付した。あとから知ったけどインターネットではこの寄付願いを「乞食」と称して邪険にするノリがあるようで、それを知ったとき心底「つまんねー」と思って嫌だった。パブリックなものに反発するノリみたいなのってそれが意志でなく頭ごなしな「ノリ」である限りひたすらにしょうもないぜ。

それはそれとしてハンコ注射のwikiはなんか難しくてよくわかんなかった。


そういう調子で吉祥寺に着いた。

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目についたドラッグストアでチキンラーメン油そばが売られていて複数買ってしまった。これ昔食べてめちゃくちゃおいしくて未だに思い出すんだよな。もう売ってないと思ってた。

なんも食べてなかったので事前に調べていたテング酒場という居酒屋チェーンで初めて昼食を食べた(テング酒場が初めてという意味であって昼食を食べることが初めてという意味ではない)。

なんで事前に調べていたのかというと最近やよい軒が好きすぎて、というかごはんおかわり自由が好きすぎてごはんおかわり自由の店をいろいろ調べた結果意外に少なく、そのひとつがテング酒場だったのだ。

とはいっても、まあ、ねえ……

まあ、でしょ

まあ、よ

ま、まま笑


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うわーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーい

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おいしそうですねえーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

なんかすごいいい感じのやつが出てきた。やよい軒のチキン南蛮とは違う(やよい軒のやつもだ~い好き)。なんというか竜田揚げっぽいというか、なんだろうなこの感じ……と思いながら食べていたがその感じの正体は「居酒屋感」だった。居酒屋感がある。

メニューにチキン南蛮定食があると何も考えず即決で注文してしまう(役不足はチキン南蛮のことを最も効率よくおいしい肉料理だと思っている)という悪癖があるせいで日替わり定食がめちゃくちゃうまそうだったことにあとから気づいた。
あとこの日は日替わり定食が4種類のうち1番目のものらしかったのだが席に案内される際にそれを知らせるため突然「日替わり定食1番でーす」と言われ、最初「日替わり定食こそがいちばんでーす」というニュアンスに聞こえて、急に主観を言われたと思ってびっくりした。

望みどおり米をたらふく食べて退店した。


楽器専門のハードオフ(吉祥寺にそういうのがある)に行ったりブックオフでCDを見たりしたあと目的地に歩いた。

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多い。

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マウンテンデュー飲んだ。

なんかこの日の前日から全然蝉が鳴いてて意味がわからない。だって蝉が鳴くって夏でしょ?まだ全然そんな時期じゃなくない?え?いま何月?7月14日?結構夏じゃん。え!?もう結構夏!??と思って気が触れそうになる。

そういう調子で歩いていたら着いた。

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キターーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

この日の目的は井の頭自然文化園なのであった。初めて来た。

なんか今は事前にインターネットで日時指定の整理券を取得しなければならないらしく、普段はそういうやつがあると知った瞬間に全部どうでもよくなって寝るのだが今回に限っては熱量が違い、整理券もちゃんと手に入れて2021年7月14日午後14時30分という既定の日時にちゃんと来場した。そのための時間に出発しごはんも食べた。こういう当たり前のことができると猛烈に安心する。

入場料を払って来園。家族連れとアベックばっかであった。

まあ自然文化園っつって

何があんのってさ

自然と文化よ?

自然と文化て

そんなんさあ


どうなの?


実際どうなの?

つって






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ウワーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッ

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寝てるーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

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うさぎも寝てるーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


うさぎ意外とでけーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



最初に目に入ってきたのが意外とでかいうさぎと異様な数のモルモットだった。自分でも意外なほど嬉しかった。自分はいわゆる小動物が好きなのかもしれない。

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そんな……


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了解!!


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そんな……


モルモット本当に無限にいて(上の写真の数の何倍もいた)、中には水を飲みに来た他のモルモットを前足で殴りまくりながら水を独占して飲み続ける最悪のモルモットもいた。現代社会で暮らしている限り最悪のモルモットを見る機会に恵まれることはないので貴重だった。

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羊いた。羊ってかわいいけど近くで見ると存外に汚いなと思った。目を背けたくなる数のハエが集ってたりしていた。

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浮いてる戸もあった。

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ペンギンいた。ペンギン!!!!!!!!!

ペンギンのことかなり好きだから嬉しい。なんか書いてて思ったけど自分って結構ちゃんと動物好きだな。

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おしっこをとばすことがあってはならないだろ。

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段差を昇降するとき毎回ちょっとジャンプしてたのがよかった。

ペンギンかなり良くて結構な長時間見ていた。ペンギンに限らずみんなくそほど暇そうなのがよかった。

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鹿いた。

鹿って昔から大好きなんだよな(好きな動物を訊かれた際の回答としていた時期もあった)。 

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角かっこいい。

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全然こっち見ないな。

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最初一瞬こっち見たあと頑として右を向き続けてる。

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こっち見てくれー

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おーい

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さようなら


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マーラ見てたら奥にマーラベビーいた。

フェネックやらテンやらヤマネコやら、絶妙な動物ばかりいて楽しかった。動物園ではなく自然文化園と銘打ってるだけあってライオン象キリンみたいな感じではなく、それも良かった。

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猿がいた。猿って見ても全然面白くないなと思ってすぐ去った。

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猿の敷地に全然鳩がいる様子のほうが見ごたえがある。

それで、コウモリを見てコウモリって意味不明だなと思ったりしていたら遠くに変わった形の檻が見えたので近寄ってみた。

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そしたら、檻の中にでかい鏡が入ってて横に「ヒト」って書いてあった。





おい!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!



誰だ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!


誰だ、こんなことやろうと言い出した奴は。

なんかの会議で「檻の中にでかい鏡が入ってて横に「ヒト」って書いてあったら面白くないスか(笑)」と言った奴がどこかにいて今ものうのうと生きてると思うと腸が煮えくり返ってくる。「おっ、ユニークだねえ」みたいなインプレッションがその場にあったなら尚更だ。でも多分あったんだよな。なにしろ採用されているのだから。

誰だ!!!!!!!!!!!出てこい!!!!!!!


おい!!!!!!!!!!!!


誰でも思いつくだろ、こんなのはよお!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!


思いついたうえで「まあ誰でも思いつく陳腐なユーモアだよね」と棄却してくれよ!!!!!!!!「ユニークだねえ」じゃないんだよ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

そんなんでいいのかよ………こんなのでさあ………

こんなんのくせにだだ漏れの「してやったり」の感じがよお……我慢ならねえ…………

もう一回見とくか……


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おい!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!


ハア………ハア……


フー……


ったく……



あれ?

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あ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

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あ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

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あ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

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あ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

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umm……

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あ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!


この日の最たる目的地であるリスの小径(こみち)を見つけて結構ちゃんと高揚した。本当は井の頭自然文化園とかじゃなくてリスの小径(こみち)が目的だから。

どうなっちゃうの?

何がどうなるの?


わからない


怖い


未知が怖い



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え!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!???????????????????????????????

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おいおいおいおいおいおいおいおいおいおいおいおいおいおいおいおいおいおいおいおいおいおいおいおいおい

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全然いる全然いる全然いる全然いる全然いる全然いる全然いる全然いる全然いる全然いる全然いる全然いる全然いる全然いる全然いる

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すごい距離にいるすごい距離にいるすごい距離にいるすごい距離にいるすごい距離にいる


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夏毛夏毛夏毛夏毛夏毛夏毛夏毛夏毛夏毛夏毛夏毛夏毛夏毛夏毛夏毛夏毛夏毛夏毛夏毛夏毛夏毛夏毛夏毛夏毛夏毛夏毛夏毛夏毛夏毛夏毛

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夏毛2(ツー)


想像を上回る数のリスが躍動しており、ごはんを食べてるリスの背後で枝を俊敏に伝うリスを目で追っていたら足元をリスが駆け抜けていく、みたいな時間が続いてすごかった。奈良公園の鹿みたいな感じの距離感。

思ってたより小さく、でもちゃんとリスの小ささだなという納得感もあった。いまは夏毛らしくフワフワというよりモチモチした質感だった。

嬉し~

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ただ、隅のほうでひたすら砂嵐が上映され続けていたのは意味がわからなくて怖かった。

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足はや~

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iPhoneのスロー撮影


自分の足元をリスが駆け抜けていくのは存外に嬉しく、役不足はかなりはしゃいで結局リスの小径に1時間以上居座っていた。

事前にインターネットを見ていたら「リスが膝に乗ってきた」という人がいたりした。ウワーいいなあと思っていたのでリスへの接近も試みたが、リスは人間を避けつつ駆け巡るだけであり、人間のことはちゃんと警戒しているようだった。

ただ少しの間じっとし続けて静物を装っているとリスがたまに近づいてくる法則性に気づき、小径の隅に正座して過ごした。首も動かしてはならない。背負っていたリュックが誰かに触られたので誰!?と思って振り向いたらリスがいたときは嬉しかった。靴のつまさきを齧られたりもした。正座に疲れて腕を組んで仁王立ちしていたら知らない老人に係員だと思われて「これ何匹くらいいるの」と話しかけられ、係員じゃないから知りませんそのタメ口をやめろと思いながら係員じゃないんでと返した。

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おなか白~

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16:30に係員から「今日はリスの小径終わりです」と言われて追い出され終ぞリスには触れられなかったけどめちゃくちゃ楽しかった。

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リスが食べたクルミの殻を拾って帰った。

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リスの小径の直後にキジがいた。この顔で説教されたらかなり腹立つだろうなと思った。

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よかった~


と思っていたら閉園時間目前だったので足早に退園した。楽しかった。一人で来たけど、一人で動物園に来ると好き放題な過ごし方ができる(リスを一時間見たりなど)のでいいなとも思った。人とも来たい。というか頻繁に来たい。これで入場料400円なのすごくない?そこそこの頻度で行こうと思っています。



目と鼻の先に井の頭公園もあったので池を見つつ散歩した。水源を見ると心が豊かになる。貸ボートに一人で乗って大はしゃぎしようかと思ったが一時間700円という料金だったので、一人で一時間は長いし一人で700円は高いしと思って断念した。

この日はずっと左右を聴いていた記憶がある。さいきん左右をちゃんと聴いている。まあ普通に好きだろうなという程度の認識だったのだが聴いてみたらかなり好きだった。音数や精神性のコンセプトは言わずもがな、細かい拍子とかブレイクの筆致がすごく上品というかクール。好きな左右の曲を言います→河童 クラスタ 神経摩耗節 ダンス ばれている イエローヘイト 平和なのか ルール変更 など

それで公園を出ようと歩いてたら雨が降り始めていることに気づいた。ちょっと降ってるな、と思う程度のものだったのだが数分後

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ザーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ッッッッッッッッッザーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

目と耳を疑う豪雨に見舞われた。それまで全然降ってなかったのに……

ただ、なんとこういう事態をなんとなく予期してあらかじめ傘を持って移動していたのであった(すごい)(本当にすごい)
雨に備えて傘を持って行った日に限って晴れてるのは嫌だから降ったのはちょっと嬉しかった。傘を持たず出かけたせいでどうしようもなく駅で立ち往生している愚かな人々が無限にいた。雨を見くびるな。

とはいえ雨足は非常識なほど強く、傘はもはや「濡れないため」ではなく「濡れを軽減するため」程度の効果しか為さなくなり、自分も信じられないほど濡れた。くるぶしまで足が入るような水たまりがそこかしこに発生していた。

急いで帰ろうと駅へ向かう人が多いなか、その群衆を逆行してミスドに向かい、ドーナツを三つ買った。

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ブックオフにも再び行って漫画を二冊買った。

「純とかおる」は以前からわりと読みたかった。二駅ずい先生の前作「彼女はろくろ首」が大好きだから。打切で終わっちゃって残念だったけどあの終わり方もすごく好きだった。笑ゥせぇるすまんは、なんか読みたくて買った。

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シャトレーゼにも行きたかったのでシャトレーゼへ行き64円のバカみたいな名前のアイスを買って食べた。このアイスめちゃくちゃうまいです。

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行きたい場所は一通り行ってすっかり夜だったのでMONO NO AWAREを聴きながら帰った。

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近所の薬局で日本語版の海外ゲームみたいな飲料を買って飲みながら帰路を歩いた。


という具合でかなり最高の日だったし、リスを見たことでずっと嬉しかったんだけど、帰宅後の夜中にムカデに遭遇し、精神が完全に死んだ。年をとって順当に虫が苦手になっている。ムカデって本当に最悪ですね。あ~最悪最悪

以上です。


リス育ててえ~

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