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チンピラと付き合うとこうなるあるある


かの有名な映画で、極道の妻たちという極道の女の映画がある。

私も幼少期にテレビのロードショーかなんかで見て岩下志麻にあこがれたものだ。でも実際お付き合いするとなるとあんなにかっこいいもんではなく、ただひたすらに忍耐の日々だった。

だけどほんとなのは、映画と同じく舎弟みたいなのに

「姐さん」と呼ばれること。

初めて呼ばれたときは「姐さんだって…うける」と笑ったし、なんとも言えない気分になったし、ちょっと気分良くなったりもしたし、なんだかかっこいいなと勘違いしてしまっていたバカ野郎な時期もあったり。

思い返せば、いろいろめんどくせえことがあったように思うのでここに箇条書きしてみるとする。

1.年に一度は必ず誰かが刑務所に入るのでサポートが面倒

まあだいたいシャブでお縄。

そうなると拘置所にいる間面会、差し入れ〔本やお金、お菓子など〕を毎週、大事な人だと三日おきとか、もっと親密だと毎日。

特にお菓子、中ではあまり甘いものは出ないのでとても貴重なものとなる。なので甘いものは非常に喜ばれる一品。というかシャブ中は甘いものが好きな人が多い。ドーパミン異常に出るから脳が欲するのかな。

なかでもチョコパイは中にいる人には特別らしく、あれば必ず差し入れしていた。その名残からなのか、元カレはいつもチョコパイをしょっちゅう食べていた。なので我が家の冷蔵庫にはいつも常備。

金を持ってるやつだと、毎日靴下や歯ブラシを新しいのをよこせとわがままを言っているやつもいるらしい。娑婆にいたらそんなことをしないはずなのにめんどくせえなと思っていましたが、元カレ曰く、中にいると金持ってるやつがすごい。という謎の定義があるので「おれはこんだけ差し入れをさせる余裕があるんだぞ」と見栄を張るためにやらせているといっていた。ちんぴらっていうのは見栄張りの世界なんだなとこの時改めて思った。ほんとめんどくせぇな。

捕まった人が元カレと仲がいい場合、拘置所にいる間は毎日面会へ。だいたい立川か横浜。地味に遠くて早く起きなきゃいけないから眠かった思い出。そんなに仲良くない場合は週に一回ほど。どのみちめんどくさいのだが。

中じゃ女に飢えてるからおっぱい寄せてあげて谷間出る服着ていけとか言われたこともあった。非常に下衆い指示だ。

あと差し入れできるもので普通の本以外にも、エロ本も差し入れできる。これも人によって趣味が違うので「人妻が良い」だの「巨乳が良い」だの中にいる分際で己の好みを注文してくるのでこれも非常にめんどくさかった。ていうか女に好み伝えて買わせに行かせやがって、チンピラにプライドは無いのか――――――――!

皆大抵初犯じゃないので裁判終わったら刑務所にゴー!!刑務所行った後は毎月本の差し入れと手紙のやりとり。これもまた非常に面倒オブ面倒。

なぜ私が暇な受刑者の相手をしなきゃならんのだと思っていましたが諸事情により元カレの名前じゃ手紙が出せないので頑張ってたわたし…えらすぎる。

手紙には「最近お菓子の袋詰めの作業をしている」だの「昨日のご飯は美味しくなかった」だの刑務所内の日常がよく綴られていました。

2.先輩後輩への気遣いまじ卍

よくあるでしょう、地元の縦社会。先輩のいう事は~?絶対!みたいな風潮。昭和かよ。お前絶対ビーバップ見て育っただろってやつ。

なのでそんな男たちとの飲み会やらご飯食べに行くにもなるべく自分の男を立てる行動求められがちだった。自分の女は自分の鏡と思っているからだ。大した男でもないくせに見栄を張りたいのである。外でくらいは。こういう時も見栄張りなのだ、チンピラってやつは。

お酒のお酌の仕方、飲み会での立ち回り方は非常に厳しく言われていた。「私はスナックのママかよ!」ってほどに。ビールつぐときはラベルが相手に見えるようにとか、向こうが気分よく飲めるようにとかすごい気を使うので皆が楽しくよろしくやってる中、憂鬱でしかない場だった。

3.やくざはやくざの話が好き

どこどこ組のだれだれがどうだとか、なにしただとか、シャブやってるとか、誰とつながってるだとかそういう話を延々としてる。チンピラ同士で。

そういう話してるとき女は右から左に聞き流していなきゃいけない。知っている話でも知らないふり。なんでかって?口の堅さがこの中にいるときは重要だからである。沈黙は金なり。

喋れないし退屈だからこの手の話されるとこれまた憂鬱。

4.スナックやキャバクラで自分の女見せたがり

これは働いてる女の子に気を使わせてしまうし本当に嫌だった。

気を使って「えー?!彼女さん美人ですね!」とか言ってくるのを「そんなことないです、お姉さんのが美人です」と返さなきゃいけないのだ。私もつらいしお嬢も面倒に思っていただろう。

もう男同士で行けよって毎回思っていた。

しかもスナックに連れていかれた時なんかは、歌え歌えいわれて歌わされるので爺に受ける明菜ちゃんや百恵ちゃんをCD借りてわざわざ覚えていた。だがそのおかげで歌謡曲が好きになった。ちなみに十八番は嵐の素顔である。

5.喧嘩が壮絶

歴代の元彼とのけんかがかわいく思えるくらいひどい。

チンピラはプライドが基本高いので怒らせると止まらない

殴り合いはしょっちゅうだったし、素手じゃ済まずに包丁出てくるし拳銃出てくるし何度も死を覚悟した。

私もすぐ頭に血が上ってしまうタイプだったので向こうをぶん殴ったり髪の毛引きちぎったりやりたい放題していたが、やられたら二倍にしてやり返すという向こうのポリシーのもと、倍返しで返り討ちにあい沢山のケガをした。俗にいうどちらもDV。でも男と女、力の差はある。私が殴ったとこで、向こうは少し腫れるくらいだ。やり返された私は鎖骨を折られたりあばら骨を折られたり鼻の下に傷跡が出来あがり、何度も救急車も乗った。顔を何度も殴られたせいでアバターという映画に出てくるキャラクターの様にもともとない鼻が頬が腫れ余計になく見えて同化している。という見た目にもなった。

「転んでしまってけがをしました」という私に

「DVされてるなら正直に言って」と病院で先生に詰められたこともあった。

「あなたがつらいなら助けたいの。今すぐ通報することだってできるんだよ」

と先生は真剣にこちらに優しい言葉をかけてくれたが、仕返しが怖い私は「ほんとに転んだんです」と返すことしかできなかった。

そしてこういう会話があったことを元カレに言うと「俺に恥かかせやがって」とまたその場でぶん殴られました。...理不尽ーー!

お巡りさんが仲裁に入ってくれたこともしょっちゅうだった。自分のほうが絶対に不利なのに、すぐ警察呼ぶタイプのシャブ中だった元カレ。良く頭おかしいと警察に思われなかったな。

ていうか気づけよおまわり!お前の目の前にいるの、シャブ中だよ?!わかる?!と大声で叫びたい衝動に毎度かられたものだ。報復が怖くて言えなかったけど。

ここまでがあるある。大体こんな感じ。

あと口論になるとすぐ筋通せっていう。

外道に筋も減ったくれもないだろうにー!

あと刑務所の手紙の最後に、お身体ご自愛くださいって書きがちw

あとセックス基本ドМ。そりゃ全身に針ぶっさしまくって入れ墨入れれるんだからドМじゃなきゃできないよね。

今振り返れば毎日刺激的で激動だったなあと思う。

仲良く過ごせた時期なんてあったっけ?と思うほど毎日喧嘩していたし。殴り殴られ、怒鳴り怒鳴られ、家の中で色んなものが飛び、壁に穴が開く、そんな毎日。

この前当時の写真を友人が送ってくれたが、その写真に写る私は酷くやせこけ、殴られて腫れた顔を引かせるために冷えピタを張って間抜けな顔をして写っていた。

今は笑い話にしているが、DVは男がするのも、女がするのも良くないことだということは重々わかっている。当時は毎日それの繰り返しでマヒしてしまっていたけど。

「何で別れないの?」と周りからよく聞かれたが、別れたくても別れられなかった、というのが理由。チンピラは妙に頭がずる賢かったので、私の働いていた援デリを警察に売ると言ったり、猫や親を人質にしようとするので別れるのにとても時間がかかって、今思い返しても非常に無駄な年数を費やしてしまったと思う。警察に行けばすぐ解決したのに、私は頭が足りなかった。というか、「何か仕返しされたら」という恐怖に支配されていたんだと思う。

別れてからも、なぜかいちゃもんつけられて長らく裁判したので、それもまたネタ。これはまた別で記事にしようと思います。

「相手が良いヤクザなら女大事にするし、一般人には優しい」と俺は通だぜ、わかってるぜ。みたいなやつは口をそろえて言うけど、これは絶対に嘘。

だって、良い位置にいる方ともお付き合いしたことあるけど店員さんとかにめちゃくちゃ偉そうで、タクシーの中で手マンして来ようとしたりで頭いかれてたし、どこにいっても金払ってやってる感がすごかったので速攻お別れしたもの。それに良い人を演じてるのはそいつを利用したいか金になると思っているからなのである。

結局ヤクザなんてのは、表面上と金になる相手と自分のプライドのためならそうやって良い面しか見せないのである。家では偉そうな外道を支えるのに女が泣いてるよ、大抵は。

じゃあ、そんな男と付き合って何を得たの?と聞かれたら自信をもって答えます。

気合と根性!

そんなもん、いらなかったかもしれなかったけどw


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