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シャブ辞めた後の人生


数週間前、フォロワーの好きな時に飛べさんがタイで亡くなった。自殺だと言っているけど、真相はわからない。
スキトベさんはある日何故か急にフォローしてくれて、何かあるといつもリツイートしてくれて、街録出るときも沢山励ましていただいたし、アンチが沸いた時も沢山アドバイスを頂いた。twitterではアホなことばっか呟いてるような人だったけど、めちゃくちゃ優しい人なんだな、というのが私の印象。だからタイに行ったときも、大好きなマリファナを吸ってハッピーに過ごして楽しそうに暮らしているな、と思ってた。

でも、死んだ。

理由は「鬱病なのに精神薬をタイで処方してもらえず鬱が悪化したため」って見たけど、ストナーのやつってマリファナって吸ったらハッピーになるってみんな言ってるじゃん、鬱にもいいとかほざいてるじゃん、じゃあスキトベさんにはマリファナの効果がなかったってこと?と疑問ばかりが残った。

覚せい剤が原因で、自殺した人を私はたくさん知っている。つい最近も、覚せい剤を辞めて何とか生きていた友人の1人を亡くした。彼女は過去に何度も自殺をしようとして、すべて失敗。飛び降りでお尻の骨や足の骨を折っても「失敗しちゃって、あはは」なんて笑ってるような子だった。死んだ、という知らせを聞いた時は「ああ、やっと成功しちゃったんだな」と思った。インスタのストーリーを見ても、いつも不安定でアップダウンの激しかった彼女。それでも「来月くらいに可愛いカッコしてアフタヌーンティー行こうね」なんて約束してたのに、彼女からまたDMがくることはなかった。先に楽になってずるいと少し羨ましく思っちゃったけど、彼女はもう死ぬことしか望んでなかったんだと思う。もう死を望んでる人は、死ぬことしか眼中にないのだ。死ぬことしか未来がないのだ。周りに友達がいても、家族がいても、それらは彼女がこの世にとどまる理由にはならなかったのだ。それよりも死ぬことの方が、彼女にとっては幸せだったのかもしれない。


シャブ中の兄貴分も、覚せい剤で首を吊った。
ドライバーの親友も、覚せい剤で首を吊った。

みんなシャブで頭おかしくなって、首を吊る。
シャブで頭おかしくなった私も一度、シャブと眠剤のODで自殺を試みたけど、失敗した結果この世にいる。

覚せい剤の怖いところは、何度も言ってるけどその人によってどう人生が転ぶかわからないところだ。
頭がおかしくなって首吊る人もいれば、頭がおかしくなって一生精神病院から出れない人もいる、勘ぐって包丁持って暴れて逮捕される人もいれば、シャブが辞めれず何度も懲役を繰り返す人もいれば、シャブ辞めてから精神を病んで鬱病になる人もいる。シャブやってたせいで統合失調症になったと嘘の診断をもらって生活保護を受けながら毎日パチンコしている外道もいれば、内臓やられて病院通いする人もいれば、別になんともなく新たに人生を歩める人もいる。

覚せい剤によって、その人の人生が大きく変わってしまう可能性があるというのがシャブの怖さであると思っている。

シャブを辞めて2年経った元カレのシャブ中は現在肝臓と腎臓の数値が悪く病院通い、糖尿痛風まで患っている。こうした健康への影響も、シャブの怖さだ。
そりゃキマってるとき全く食べず、切れ目明けたらドカ食いするのを繰り返してたら血糖値バカアガリするし、体に毒であるシャブを打ち続けてたら代謝する肝臓も悪くなるし、それらをろ過する腎臓が悪くなるのも当然だ。電話では弱気なことを言っていたが、自業自得でしょ、と言って私は電話を切った。だってどう考えたって自分が悪いじゃない、13歳から50になる近くまでシャブやってたらそりゃ身体もがガタくるわ。


私もシャブ中だった時は、ムズムズ脚症候群、肋間神経痛、喘息、何度も救急車に乗るほどの胃腸炎に悩まされていた。免疫が下がるせいで膀胱炎やカンジダ、風邪などもしょっちゅう引いていた。自ら自分に身体に悪いことして、膨大な医療費が毎月飛んでいた。たった4年、シャブをやっただけでこんなに身体に異常が起きたのだ。「体が丈夫」であることだけが取り柄の私ですらこんなに病気するようになってしまうのである。覚せい剤がどれだけ身体に影響を与えるか、これでわかってもらえるだろうか。

心の面で言えば、シャブの効き目でアップ、切れ目でダウンというのを毎日繰り返しているので、躁→鬱を毎回繰り返しているようなものだ。そりゃ精神的にもやられる。私は酒を飲んだ後、酒鬱と呼ばれる現象が起こるようになった。酒を飲んで楽しく酔って、家に帰った後起きて二日酔いになると急に首吊りたい衝動に駆られるのだ。多分酔ってアップ、二日酔いでダウン、に頭が耐えられないのであろう。これはやめた後も数年続いた。
そして愛猫を亡くしたのをきっかけに、私は不眠症になってしまった。最初はドリエルで誤魔化し誤魔化しで寝ていたけど、ついには一箱のんでも効かなくなっていった。
意を決して精神科に行くも、馬鹿正直な私は問診票の薬物の経験というところに丸をしてしまい「うちでは見れません」と門前払いを食らった。

また別の精神科を予約するのを面倒くさくなってしまった私は、オオサカ堂で眠剤を買いあさった。色んなのを飲んでは耐性がついてダメになり、を繰り返し、私はハイプロンと言う薬に辿り着いた。でも相性が悪いのか、どうしてもハイプロンを飲むと眠れず、そのせいか量が増えていき、夢遊病のようなことを繰り返すようになった。気付いたらなんか食ってる、気づいたら映画見てる、と意識してないのになんかしちゃうのである。
そんなある日、私は気づいたらベランダで手すりに手をかけていた。なんか知らないけど多分相当ODしてハイになっていたんだろう。「今日死んじゃお」みたいな軽いノリで、飛び降りようとしていたのだ。

でも「ニャー」と窓の向こうでなく猫4匹に気づいて、私は我に返った。

「私なんてことをしようとしたんだ!」

慌てて家に入り、猫たちを抱きしめながら泣いた。なんでただ眠りたいだけなのに、こんな風になってしまうんだろう。なんで死のうとなんかしたんだろう。よくわかんなくて、泣いた。

もうこういうのは辞めよう、と決めた私はハイプロンをゴミ箱に捨てて、精神科の予約を取った。今度はちゃんとカウンセリングを受け、しっかりとした医師に見てもらい、試行錯誤しながら相性のいい眠剤を探していった。すぐ耐性がついてしまう体質のせいで本当に薬に悩まされたけど、今現在は眠剤は断薬できて、アドレナリンを抑える薬だけで眠れるようになった。

この前久しぶりにiphoneのメモを見たら、この時書いたであろう遺書が書かれていた。ずっと死にたかった、ごめんなさいを繰り返し書いているその文を読んで、私まだこのときやっぱ死にたかったんだなと思った。

ずっと、死にたかった。これは子供の頃からずっとそうだ。猫がいても弟がいても友達がいても、死にたかったんだと思う。つい最近になって「死にたい」という感覚は消えてくれたけど、「死にたい」がなくなったっていうより「もうこういう人生だからしょうがない。行くとこまで行こ」という開き直りに近いと思う。


それからしばらくして、去年私は鬱病を発症。
特に嫌なことがあったわけでも、ショックなことがあったわけでもなく、急になってしまったのだ。医者からは「躁鬱病」という診断を受けた。
4か月間、まともに働けず、noteも書けず、起きているのもしんどくて睡眠薬で眠り続けるしんどい毎日を過ごした。毎日、生きてんのか死んでんのかわかんない程につらかった。この終わりはいつ来るのか?答えがわからず絶望だった。でも不思議と、死んでしまおうという気持ちは湧かなかった。どうにか元の生活に戻れないか、そればかりを考えていたように思う。
でもあることをきっかけに、鬱病がすっぱりと治り、今は自分のメンタルを気を付けながら過ごすことでどうにか鬱の方に傾かず済んでいる。この鬱がシャブのせいかなのかは7年たってるからわからないけど。


「簡単に辞めれたし、なんともない」とずっと言ってきたけど、こう振り返ってみるとシャブを辞めた後の方が、シャブをやっているときより大変なんじゃないかと思う。

シャブをやりたい、という欲求は全くないけど「死にたい」が消えなかったり。
シャブ辞めた反動で、今度は酒に走った時もあったり。稼ぎのほとんどを飲み代に費やしていた時期もある。ていうか辞めて2年くらいはずっとそうだった。本当に酒浸りで、酔った勢いで大喧嘩して、何度警察を呼ばれたかわからないほどには酒乱だった。

でも猫が増えて、仕事も安定して、気持ちも安定したら酒飲む頻度も減った。今は禁酒も出来ていて、誰かと久しぶりに飲むとか、特別なとき以外あまり酒を口にしないようにしている。酒を飲んで暴れることもなくなった。趣味もたくさんできて、整形したり友達と旅行に行ったり有意義な金の使い方をできるようになってきた。


でもこれは私の場合。

殆どの人が、辞めた後「シャブやりたい」という欲と戦っていると思う。
「止めてたけど彼氏と喧嘩してむかついた勢いでやっちゃいました」
「仕事でイライラしてまたやっちゃいました」
そんなまたやっちゃったDMが、わたしのもとへよく届く。

でもよく理解して欲しい。
何かのせいにしているうちは、辞めれない。
自分軸で生きれない人は、いつまでも何かのせいにしてやるのである。何故ならば決定権が自分にないから。環境や人に影響されるから。だから辞めれないのだ。だからシャブに逃げるのだ。
本当にシャブを辞めたいのならば、まずは自分のために生きて欲しい。自分のために金を稼ぎ、ストレスが溜まったら好きなことに金を使って、自分の機嫌を自分でとって欲しい。最初は多分上手くいかない。私みたいに酒浸りになる人もいるだろう。でもそれでもいい。シャブ以外の何か、で解決できるようになるしかないのだ。

私は「自分が一番可愛いし大事」というポリシーのもとに生きているので自分が傷ついたりイライラすることは嫌だ。だからそんな喧嘩したりメンタルえぐる彼ならばいらないし、そういう友達もいらない。
仕事も何か問題があれば文句がちゃんと言える職場でしか働かないし、自分のメンタルえぐる職場なんか働く価値はない。だから私はストレスを全く受けない生活を過ごしている。というかそうなるように努力している。
本当にシャブを辞めたいのならば、やりたくなる原因の排除の努力も必要だと思う、私は。


「シャブ辞めたけど何もかもうまくいかないから死にたい」「シャブ辞めれなくて死にたい」とか言うメンヘラなDM送ってくる子もよくいるけど

お前が、自分で選んでやったんだからな?!
だから自業自得の人生、自分でケツふいて生きてくしかないんだからメソメソ言ってる暇あるなら働いてとりあえず生きろよ。暇だから病むんだよ。それにシャブのせいじゃねえよ、お前のせいだからな?甘ったれたこと言ってるからそうなんだってこと自覚しろ?まじで。なんで自分でシャブやっといて悲劇のヒロインなってるんだよすっとこどっこい!!

これも何度も答えているけど、めちゃくちゃ聞かれるから再度答えるけど
「彼氏、彼女、家族のシャブを辞めさせたいけど、どうすればいいですか?」って質問。

結論、無理。

何故ならばダルクに入れてもシャブ好き同士でつながってまたやるし、精神病棟なんかいれたら安定剤眠剤漬けになって余計頭おかしくなるし、懲役行っても中でまた同志と繋がるから出てきたらまたやるからだ。

本人に「辞める」という意思がない限り、辞めることは難しい。覚せい剤は、そういう薬。誰かの手助けで辞めれるくらいなら、この世のシャブ中みんなシャブ辞めれる。再犯率が60パーセントと言われているこの薬が、そんな簡単なものならばみんな捕まってない。


辞めてからの人生は、自分のケツふき。鬱になっても上手くいかなくても、自分で蒔いた種なんだからてめーでどうにか生きてくしかないの。
もう楽になりたい、もう無理だって思うなら「死」を選ぶのもてめーの勝手だからいいと思うけど、どうせせっかく辞めれたなら残された人生、長い余生だと思って何して楽しく生きるか、なにが自分にとって幸せか、手探りで良いから見つけて欲しい。
「趣味も好きなものも何もない」っていうけど、この世の中どんだけの娯楽に溢れてると思ってるの。あるよ絶対。

シャブのような刺激が恋しいって言うなら、バンジージャンプでもしに行っとけ。と私は思う。



亡くなった友達、好き飛べさん、そっちでは楽に暮らしててよ。どうか安らかに。

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