泥でできたタイタニックの船出

UVライセンス策定者さんのあんまりの居直りっぷりに呆れてしまったので私の思うことを二、三書きたいと思います。

海外ユーザー向けに売るのはリスクとリターンが釣り合うのか?

難しい問題だと思うんですけど、私の考えは後にも先にも変わりません。

「揉め事起こさないでくれるなら使ってくれてもいいよ。でも面倒ごと起こしたら日本の裁判所まできてね」

それでいいと思ってるし、それが嫌だと思う人に買ってもらおうとも思っていないのです。スーパーヒーローのコスチュームにも実際には空が飛べないことを表示しないと過失責任が問われる国 とかの消費者に何の警戒感もなしに売ろうと思うこと自体が間違いなのです。

それを現地の法律とか囚われずに売ってやろうと思う人は、とても勇敢だと思います。そんな無鉄砲な真似は私には真似できません。それで泣きを見るくらいなら最初からやらないほうがマシだと思うからです。十分なリターンがあって、国際弁護士を雇えるようになってから考えます。

問題認識をしないって無敵だよね?

何を言ってもライセンスを採用したのは君だから何があっても責任を負わないよ。だけど弁護士がいいっていったから安心だよ〜とかいう矛盾をさらっと言ってのける人って、ある意味平和だなあと思うのですけど。

はっきり言ってズレてるとしか言いようがないです。
ポジショントークと言われるかもしれないけど、これは覚えておくといいです。

ベンチャーの倒産原因って、1に資金繰りだけど2に法的トラブルなんですよね。

Creative Commonsを有償のプロダクトに使えるようにするという突飛な発想ですよ。法律の天才が誰も思いつかなかった抜け道を思いついたのか、誰かは思いついたけど論理的に考えたらダメだからやらなかったことをガバガバな法律知識でやっちゃってるのかは、その差は大きいです(UVLがどちら側なのかは、お分かりですね?)。

弁護士が正当性を証明することの本質

そもそも弁護士の信用性ってのはその知識のみによってではなく、弁護士法や弁護士職務基本規程などで高い倫理観が要求され、もし弁護士の社会的信用を損ねるような行為を行えば懲戒を行うことができる(その懲戒請求権は広く市民に与えられています)、また刑事罰を科されるようなことがあれば当面弁護士の免許が停止されるなどの厳しい懲罰規定によって、保たれているのです。その点は公務員と同じです。

当然、いわく「承認」をしたという弁護士の内容の確認を妨げるためにその弁護士の名前・連絡先を明かさないというのは、所詮はそれ相応の責任能力ということであって、ただの「法律詳しいおじさんおばさんの30分相談を何度かやっただけであろう」の域を出ないのです。

かつ、A4用紙1枚におさまる程度の記載内容ならともかく全部で192通りもある複雑なライセンスの妥当性なんて短時間でまともに見られるわけがないでしょ?どうせ規約の原稿本文を見せず自分が聞きたいことだけを聞いてオッケーオッケーしたみたいな落ちだとおもいますけどねえ。

その弁護士に連絡をとって欲しくないというのは、UVLの成立に関与につき当然都合の悪い事実があるからであると考えて差し支えないと思います。

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