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1500円のフリーパス「名古屋おでかけきっぷ」の使い道を考える

2023年10月1日、名古屋近郊移動にとり地味に便利な切符がデビューします。
そんなわけで、使い道を考えてみました。

名古屋おでかけきっぷ #とは

名古屋駅から片道990円のJR東海区間が1日1,500円で乗り放題になる切符です。

今のところは新幹線旅行客限定販売などの情報は出ておらず、10月1日販売開始・即日利用可の商品であり、名古屋圏在住者でも普通に使えるものと推定されます。

e5489限定という性格上、主に遠方から名古屋に来た旅行客が近郊移動に使うことを想定している商品のようで、近距離用きっぷ券売機で買える「豊橋往復きっぷ」のように地元民に積極的に売ることは想定してないのかもしれません。

もちろん名古屋市内から外方向でも便利に使えるなら使うけどね!

名古屋おでかけきっぷのフリー区間(JR東海より)

青空フリーパスとの違い

名古屋おでかけパスは1,500円で、土休日限定で2,620円の青空フリーパスよりフリー区間が狭いですが、通年で利用できます。
わかりやすくするために青空フリーパスのフリー区間と重ねてみました。青色の部分が名古屋おでかけきっぷです。全てTOICAほか交通系電子マネー対応エリアなんですよね。

新幹線以外の特急券を組み合わせて特急に乗ることができるのは青空フリーパスと共通です。

青空フリーパス(JR東海より)と名古屋おでかけきっぷのフリー区間の差異

e5489専用商品、かつ区間内でのみ受け取れること

三河三谷とか釜戸とかはEX対応の券売機を設置していません。また関ヶ原などの一部駅では有人窓口のみでの発券となります。フリー区間内のみというのはたとえば米原とか豊橋で発券はできません。

東海道本線で使う

滋賀・京都方面へ

いきなりエリア外に飛び出すわけですが、青空フリーパスは米原が境界で、そこから先はJR西日本の管轄内になります。フリーエリアが狭くなる分エリア外のきっぷ代は増えますが、それ以上にきっぷ代が安くなるので、差し引きでペイできます。

別にJR西区間が安くなるわけではなく、JR東海区間(米原)の料金が圧縮できるので結果的に西への日帰り旅行もトータルで安くなるわけです。
関西1デイパスがなくなった今、大阪などの方面に行くには、大津とか烏丸まで行って京阪や阪急のフリーパスを購入した方がよいでしょう。

また関連して、関ヶ原など、大垣ー米原間でいったん下車してから京都・大阪方面に行くならとても面白い切符があります。

ラグーナ蒲郡・蒲郡温泉・三谷温泉へ

次は東方面。これはありきたりかもしれませんが、愛知県随一のリゾート地であるラグーナ蒲郡へは、無料シャトルバスが出ている蒲郡で降りるのが便利です。

従来蒲郡エリアは、豊橋往復きっぷ(往復1,900円/土休日1,560円)/カルテットきっぷ(890円/枚)で途中下車するのが最安の移動手段でしたが、日帰り往復旅行に限ってより便利な移動方法が用意されたわけです。

豊橋・浜松方面に行く

豊橋往復きっぷがあるのに、三河三谷からの差額料金を払ってまで豊橋に行くかどうか。少なくとも名古屋市内からはメリットはありません。名古屋市外から名古屋を経由して豊橋に行く場合は多少お得になる場合があります。

豊橋方面から名古屋エリアに来る場合、豊橋往復きっぷより少し割高になりますが、こちらのほうがまだメリットを見出しやすい気がします。この場合、名古屋おでかけきっぷの東端となる三河三谷駅ではe5489対応の券売機がないので、その次の蒲郡で降りて切符を発券する必要があります。

知多半島へ

大府から武豊線へ。多少歩きますが、JR半田・東成岩・武豊と名鉄の知多半田・青山・知多武豊はそれぞれ徒歩10〜20分程度で移動することができます。したがって、名鉄の河和線・知多新線に乗り換えて河和や内海方面に行くもよし。

中央本線(+太多線)方面

土岐プレミアムアウトレット行くにも便利

土岐市駅からバスで270円でプレミアムアウトレットに行くことができます。名古屋から土岐市は片道770円なので、名古屋おでかけきっぷによる値引き率は軽微ですが、エリア内をいろいろ回るなら十分便利です。

恵那峡・明智鉄道へ

エリア外なのですが、釜戸からの差額料金240円(片道)で、恵那駅に行くことができます。恵那駅は景勝地である恵那峡の最寄駅であるほか、明智鉄道に乗ることができます。

中津川〜馬籠宿へ

釜戸から片道420円追加していける中津川からは、馬籠宿などの人気観光地行きの路線バスが出ています。なにげに中津川は日帰りで行ける観光資源が豊富です。名古屋から中津川までなら余裕で「青空フリーパス」よりも「名古屋おでかけきっぷ」のほうが安い区間になりますから、どんどん活用していきましょう。

飯田方面へも行ける

実は東濃(土岐・瑞浪・中津川など)エリアから飯田市は、山を一つ越えてすぐの場所になります。

鉄路はないのでバスを使っていくことになりますが、瑞浪駅から片道1,800円、あるいはフリー区間外の中津川駅まで出てバスを乗り継ぐルートで(釜戸からの差分で)片道2,090円。もちろん飯田線よりは楽です。

もっとも、飯田に行くのに一番楽なのは名鉄BTから(名鉄名古屋)片道2,900円ですが(リニア早くできて!)。

木曽(長野県南西部)エリアへ

あまりおすすめできませんが、青空フリーパスが使えない時にはある程度安い移動手段になろうかと思います。一応奈良井まで出れば塩尻まで行けるコミュニティバス(乗車あたり100円)がありますし、あるいはJRに乗っていってもいいですが、塩尻からは長野県内乗り放題のフリーパスを買うのが良いでしょう。

太多線に乗る

可児駅は名鉄新可児駅の乗り換え駅。可児線の奥の方に旅行に行く場合は、場合によっては名鉄より安いかもしれません。時間帯によっては美濃太田駅はこちらの方が早く着くかもしれません。

関西本線(+紀勢本線・参宮線)

亀山以西の移動に大きなメリットあり?

名古屋ー亀山は普通きっぷで片道990円なのですが、JR東海と西の境界駅であり、青空フリーパス(2,620円)を利用するにはかえって割高になりがちな名古屋ー亀山までの往復が1,500円相当で済む名古屋おでかけきっぷはシンプルに使いやすいです。そして、亀山までの料金が実質値下がりしたことで、関西線・草津線ルートは、名古屋から京都・奈良方面の最安の移動手段となり得ます(ただし近鉄の企画きっぷを除く)。

紀勢線・参宮線方面はメリットなし?

快速みえや特急南紀は、伊勢鉄道を経由して紀勢線を走りますが、名古屋・桑名・四日市などの各駅で、4枚綴りの快速みえ回数券が販売されています。一応、名古屋おでかけきっぷも、名古屋ー四日市の区間については、別途特急券を購入すれば特急南紀にも乗れますが、そちら方面なら名古屋ー多気間の快速みえ回数券を買った方がはるかにお得でしょう。

逆に、参宮線方面から利用する場合は、四日市もしくは亀山までのきっぷで出てきてe5489対応券売機で発券してから名古屋に出てくる流れになると思われます。
(青空フリーパスとどっちが得でしょうか?)

高山本線方面

犬山線に行く/鵜沼からJRに乗る

普通に名鉄名古屋から北上するより大回りになりますが、鵜沼は名鉄犬山線との乗り換え駅です。そして鵜沼駅はe5489のきっぷの発券ができます。

長良川鉄道に乗る

本きっぷのフリー区間の終端の一つである美濃太田駅は長良川鉄道の入口駅でもあります。そして長良川鉄道の「1日フリーきっぷ」は2,700円のフリーパス。名古屋おでかけきっぷと合わせて4,200円で両区間を自由に行き来することができます。

下呂・高山方面に行く

美濃太田までの区間が安く往復できるようなった分、青空フリーパスの使えない平日にも通常きっぷより安く、下呂や飛騨高山に日帰り旅行に行くことができます。青空フリーパスよりもちろん、フリー区間も含めて特急ひだに乗ることができます。なお、白川口駅あたりまでなら青空フリーパスを使うより安く移動できるので、使い方によっては休日でも青空フリーパスよりお得なきっぷとして使う余地があるでしょう。たとえば景勝地「飛水峡」は、美濃太田から片道330円の上麻生が最寄りです。

結論

名古屋へも名古屋からの日帰り旅行にも地味に便利だと思うので、買うべきと思います。

総まとめです。

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