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岩波文庫に(勝手に)帯をつけるプロジェクト#01

私はここ四半世紀くらい、岩波文庫を集めて読んでいる。
(なんでそんなことをしているのかについては、近日公開される別の文章に書いたので、ここでは省略する)

それで早速なのだが、岩波文庫について少し困っていることがある。

書棚に本をどう並べるか、ということに関わっている。

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これは、岩波文庫を収めた棚の一部。棚が足りないので、手前と奥の二列で並べている。

といっても、いま考えたいのはそのことではない。問題は、棚に本を並べる順に関わる。

「そんなこといっても、岩波文庫には番号がついているんだから、その順に並べればいいじゃん」

この文庫のことを知っている人ならそう思うだろう。その通りである。岩波文庫には「帯色」「著者番号」「作品番号」という分類のための記号がついている。

例えば、ニーチェの『この人を見よ』なら、「青639-6」という具合。

「青」は帯の色で、おおまかな分類を示す。哲学・思想は「青」に分類されている。ついでに言えば「青」には日本思想、東洋思想、仏教、歴史、地理、音楽、美術、教育、宗教、自然科学も含まれる。人文学と自然科学と技芸術といったところだろうか。

他に「白」「黄」「緑」「赤」がある。白は、法律、政治、経済、社会。黄は日本の古典文学、緑は日本の近現代文学、赤は海外文学である。

話を『この人を見よ』に戻せば、「639」というのが著者に割り当てられた番号で、つまりニーチェの番号。その前後を見ておくと、638は『眠られぬ夜のために』のヒルティ、640は『心理学』や『プラグマティズム』のウイリアム・ジェームズだ。

そして最後の「6」という番号は、ニーチェ(639)の下にぶら下がる作品に割り当てられた番号。ニーチェの場合は、次のようになっている。

639-1 『悲劇の誕生』
639-2 『ツァラトゥストラはこう言った(上)』
639-3 『ツァラトゥストラはこう言った(下)』
639-4 『道徳の系譜』
639-5 『善悪の彼岸』
639-6 『この人を見よ』
639-7 『反時代的考察』

実際にはこの他に『人間的余りに人間的(上)』も刊行されているが、番号はついていない。

なんだ、やっぱり問題ないじゃない。その著者番号の順に並べればいいのだからさ。

私もかつてはそう思っていた。だが、それだけでは済まないケースがあるのだ。

とかなんとか書いていたら長くなってきたので、いったんここで区切ろう。

などともったいをつけるような話ではないのだけれど。

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