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砂浜の白い線


散歩の途中、気が向くと浜辺を歩く。

水の色も、浜の様子も、訪れるたび違っているように見える。この日は、なんというのだろう、水が澄んで浅瀬の底が見えている。少し緑がかった水面は穏やかで、春の気配を感じさせる。

しゃらしゃらという小さな音が聞こえる。浜辺の細かい貝殻が、波に動かされて鳴る音だ。

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砂浜の様子も行くたび違っている。あるときは、砂ばかりかと思えば、貝殻の破片が層を成していることもある。貝殻も、日によって大きめのものが目立つこともあれば、小さなものが無数に敷き詰められたようになっている日もある。

魚が打ち上げられていることもあれば、一度などは水鳥の頭骨を見つけた。標本のようにきれいだったので、持ち帰って机に置いてある。

砂浜を歩きながら、そんなに大きくもないこの浜辺だけでも、いったいぜんたいどれだけの貝殻があるだろう、と思う。そう思うそばから、いま踏みしめた場所で、ぱきっと貝殻が割れる音がする。また数が増えてしまった。

波打ち際を見ていると、ときどきこんな線が目に入る。写真の真ん中あたりを、白い線がうねっているのをご覧いただけるだろうか。

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これは、波が寄せては返す際、その波が残すかたちのようだ。いったい何がどうなってこのような線になるのか、にわかには分からないものの、この線を見つけると、つい眺めてしまう。だいたいなぜ白いのか。砂粒のなかでも比較的軽いものが波に動かされて表面に残るのだろうか。などと空想する。

本当はもっときれいなのだが、私の写真の腕前はへっぽこすぎて、うまく映らない。

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