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色々な意味で大人向けの牧場物語、「Stardew Valley」で傷を癒す。

ゲームを趣味としている方の多くが、「Stardew Valley」というゲームタイトルを聞いたことがあるだろう。
牧場物語に影響を受けた海外のゲームクリエイターが一人で開発を始めたこのゲームは、今やパソコン版だけでなく各種ハードに移植され、スマホやタブレットでも遊べるようにとモバイル版も発売されている。

私も牧場物語シリーズのファンなので、向こうが熱いファンの熱意で出しているのならこちらもやらねばと購入した。Steam版とSwitch版、それから最近はいよいよモバイル版も購入した。
公式へのお布施みたいなものである。

牧場物語に影響を受けて作られた作品ということもあり、牧場は亡き祖父から譲り受けたもので、すっかり荒れ放題の土地を整えるところからゲームは始まる。
三年目におじいちゃん(幽霊の姿)から採点を受けるところまでがひとつの区切りともいえるがゲーム自体に終わりはなく、三年目以外にも色々な区切りはある。
なので、深く気にせず遊べるゲームと言ってもいいだろう。

しかし、深く気にせず考えず……と言ったものの。
牧場物語をプレイしたことのある方は分かるだろうが、こうした作品はほのぼの牧場経営ゲームかと思いきや秒単位で判断と行動を求められ、自分なりの最適効率を生み出していくことになる。
主人公が起床すればそこから畑の世話と家畜の世話、行事があれば時間のやりくりをして、町の住人との交流も忘れずにしていき、必要なものを買うために店の定休日は頭に入れておく等々。
そして道具のアップグレードのための素材を集めるために、時には鉱山に潜り牧場主というより炭鉱夫のような状態になる。
勿論体力なんてぎりぎりだ。ぎりぎりまで酷使して、なんなら倒れることを前提に行動したりもする。

「Stardew Valley」も、もれなくそうしたノリになるゲームだ。
黙々と、淡々と作業をしていく。住人との交流もしていくのだが……この作品、この住人がなかなか濃い。
同性異性共に恋愛や結婚が可能だが、そうした結婚候補のキャラクターは勿論、それ以外もなんというか濃い。

町長なんて、とある住人の家に忘れてきてしまった下着をこっそり回収してくれと主人公に頼んでくる始末だ。
(おそらく、各住人との友好度が一定以上ではないと彼らの自室に入れないというシステムを理解してもらうためだろうが)

翻訳が一部ぶれているからとかそういう理由ではない方向で、子供に勧めるのは向かないゲームだと思う。まだ早い。
町長以外でも、商魂たくましすぎる雑貨店の店主、娘を溺愛しており再婚相手の連れ子のことは一切語らない人物、自然のままに暮らすことを良しとする野生に生きる人、仕事が出来なくなり酒場で泥酔する人……ちょっとあげてもこれだけ出てくる。
なんというか、色々抱えている人が多いのだ。
知らぬ間にアプデが入り、新たに追加されたキャラクターも色々抱えた人物だった。

ゲームとはいえ、そういう場で同じようにちょっと疲れた状態の自分がプレイヤーとしてゲームを始めると丁度いい塩梅になるのだ。
単純に作業ゲーで余計なことを考えなくてもいいというのもあるが、色々抱えた者が集まったコミュニティの中でゆっくりと自分を癒せる気がする。
人によってはキャラクターの抱えているものが重すぎると感じるだろうが、それも含めて大人向けの牧場物語と言えるだろう。

Switch版やPS版、モバイルでもapple関連では出来ないが、MODなどを入れてまた別の楽しみを得ることも出来る。
モバイルでも、androidなら顔のグラフィック差し替え程度はできるらしい……が、容量的に不安なので私はやっていない。
牧場のスタイルや公民館復興ルートの場合のバンドルもノーマルとリミックスが選べるので、以前遊んでいたけれどという私のようなタイプでも再び楽しめるようになっている。
ヘッダーに使った画像は、私がSwitch版で遊んでいる牧場の画像だ。4コーナーズファーム、柵などを大きく作らなくていいので便利……。
各種媒体で頻繁にセールも行われているので、作業ゲーがひとつ欲しいなという人は検討して損はないと思う。

そうしてこの作品に没頭することで自分を癒してきたわけではあるが、プレイ中しみじみと思ったのは「私みたいなタイプはがっつりマイクラをやってはいけないな……」だった。
あれをやり始めて、楽しみを覚えてしまったら延々と、それこそ衣食住が秒で崩壊する自信しかない。何かしら工夫をしない限りやってはいけないと現在も封印をしている。

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