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派遣薬剤師(正社員)とフリーランス薬剤師の手取額を年収別に比較してみました。

本日は派遣薬剤師(正社員)とフリーランス薬剤師の手取額の差額を見てみたいという要望がありましたので、比較表を作ってみました。

結論から申しますと手取額は派遣薬剤師(正社員)の方が高いという結果になりました。
ただフリーランス薬剤師は経費が使用できたり、活用できる控除が多かったりと使い方次第では支払う税金を減らすことで手取額をアップさせることも可能です。

フリーランス薬剤師の方は確定申告などの際に税金をここまで意識したのは初めてで、納税額が大きく驚いたという方も多いようです。
では早速、年収別の手取額を見ていきましょう。

○設定条件

※設定は39歳以下/独身/扶養家族なし/保険料等の控除なし
※社会保険料は概算です。
※復興特別所得税は計算に入れておりません。
※年収計算は時給×160h×12ヶ月で行っていますが、わかりやすくする為に数字を丸めています。

※金額計算に関しましては、フリーランス薬剤師は弥生様、派遣薬剤師はウェルスハック様を参考にさせていただいております。


○派遣薬剤師(正社員)とフリーランス薬剤師それぞれの手取額の比較

・年収550万の場合(時給3,000円で比較した場合/経費50万)

派遣薬剤師は給与所得控除が多くある為、課税所得が少なくっています。

・年収550万の場合(時給3,000円で比較した場合/経費100万)

フリーランス薬剤師の経費を100万円まで増やすことでやっと派遣薬剤師と同額の手取額となってまいります。



・年収650万の場合(時給3,500円で比較した場合/経費50万)

この年収になってくると給与所得控除にて課税所得の差がどんどん開いてきます。

・年収650万の場合(時給3,500円で比較した場合/経費100万)

経費が100万円でも派遣薬剤師に比べてフリーランス薬剤師の税金がかなり高くなります。



・年収750万の場合(時給4,000円で比較した場合/経費50万)

双方、この時給の案件は少ないですが地方であれば存在します。

・年収750万の場合(時給4,000円で比較した場合/経費100万)

フリーランス薬剤師も派遣薬剤師の給与所得控除と同じくらいの額を経費で落とせれば、所得税+住民税も同じまたは低くなってきます。



○都市部でよく募集されている派遣薬剤師時給3,000時とフリーランス薬剤師時給3,500円での年収比較

時給差のおかげもあり、フリーランス薬剤師の手取額が派遣薬剤師の手取額を上回りました。


○控除MAX!?派遣薬剤師とフリーランス薬剤師の掛け持ち勤務

派遣とフリーランス両方の求人があるエリアでしか難しいパターンとなります。
派遣薬剤師週3回(社保加入)+フリーランス薬剤師週2回勤務を掛け持ちすることで給与所得控除・青色申告・経費などが併用できる為、課税額がガクンと下がり、いいとこ取りが可能となります。
※控除を増やす為に小規模企業共済も使用しております。



○フリーランス薬剤師が支払う税金について

・所得税

フリーランスで稼いだ所得に対して収める税金となります。
事業所得から経費+各種控除を差し引いた課税所得に所定の税率をかけることで算出します。


・住民税

各地方自治体へ収める税金となります。
所得によって納税額が変わります。


・個人事業主税

派遣薬剤師にはないものが出てきました。
個人で特定の事業を営む方に課される税金となります。
薬剤師業は「5%」の税率が課せられます。
※所得金額が290万以下の場合は発生しません。


・消費税(年間の売上が1,000万を超える方のみ)

こちらに関しては地方住居付きなどで相当稼がない限り、発生しない税金となります。


・国民健康保険料

派遣薬剤師は社保に加入出来ますが、フリーランス薬剤師は国保となります。
社保と違い会社との折半がない為、高く感じる方が多いです。
また家族を扶養する場合は社保と違い、別途金額が掛かるなどデメリットもあります。


・国民年金保険料

国民年金は所得に関わらず一律の金額で毎年見直しが行われます。
派遣薬剤師が加入している厚生年金に比べ、納税額が少ない為、将来もらえる年金額が減ります。
フリーランスに関しては小規模企業共済やiDeCoに加入する事で将来に備える事が可能です。

小規模企業共済に関しては自営業者の退職金の様なものです。
iDeCoに関しては社保加入の場合は限度額が2.3万/月に対して、自営業者の場合は6.8万/月まで積み立てる事ができ、節税効果が高くなります。


○知っておくと良い事

・フリーランスは儲からない?!これに関してはやり方によります!

上記の比較表を見ると派遣薬剤師の方が良いと思う方も多いかもしれません。
ですが経費で落とせるものが多数ある方や、小規模企業共済(フリーランスの退職金のようなもの)などを活用することで納税額が減っていきます。

経費で家賃や光熱費の一部を落とせるというのもフリーランスならではの強みとなります。
上記の比較表にはそこまで詳しく記載が出来ておりませんが、フリーランスの方は上手く活用されて手取額を増やされている方もおられます。

※経費になるもの一例:薬剤師賠償保険・交通費(支給がない場合)・研修費・打合せ費・仕事に関わる交際費・通信費(スマホやWi-Fiなどプライベートでも使用する場合は半額などの按分必須)・自動車(プライベートでも使用する場合は按分必須)・家賃(仕事で使用する平米数を按分必須)・光熱費(按分必須)など


・フリーランス薬剤師には厳しい社会保険関係

国民年金の所にも記載しましたが、国民年金と厚生年金では受給額が2〜3倍変わる可能性があるという統計があるようです。
ここに関しては小規模企業共済やiDeCoでカバーするしかありません。
また国保に関しても家族を扶養にするにあたって別途追加料金が掛かるなど悩ましい話があります。


○最後に

以上、派遣薬剤師とフリーランス薬剤師の年収比較の記事でした〜!
前回のフリーランスと派遣薬剤師のメリット・デメリットの記事と同じく、良い話・悪い話があったかと思います。
手取額も経費や控除の使い方によってかなり変わってきますので、一概にどちらが手取りが多くなると言い切れない所もあります。

結局はご自身にあった働き方を選択していただければと思います。
よくTwitterなどでもフリーランス薬剤師経験後に薬局開業を行なわれている方もおられます。
ずっとフリーランスというよりフリーランスも経験した上で派遣や正社員などと比較していただくのがいいと思っています。



また今回の記事制作にあたり、外部サイトのシュミレーションなどを使用させていただき、見直しに見直しを掛けましたが、やはりお金関係のことなのでミスがないか心配ではあります・・・。
もし、ここ間違っているよなどがありましたらこっそり教えて貰えると幸いです苦笑

それではまた次回記事にて〜!

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