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新チームの習志野が激戦区の関東を勝ち抜くためには

どうも、やまけん(Twitter:@yam_ak_en)です。
この秋はドラフト直前ということもあり各地の大学野球を中心に観戦していたのですが、「やはり新チームの習志野が見たい!」と思い、本日(2019年10月6日)の秋季千葉県大会決勝戦(vs拓殖大紅陵)を観戦してきました。結果から先にお伝えすると、習志野が14-3で拓殖大紅陵に勝利し、秋の千葉を制しました。

個人的には夏の甲子園以来の習志野の試合の現地観戦で、新チームとなってからは初めてでした。そのため習志野の新チームが一体どうなのかをこの決勝戦でじっくり見させていただこうと思っていました。今回のnoteでは新チームを見ての感想、そして関東大会を勝ち抜くために必要なことを書いていこうと思います。

①打線

従来の習志野打線といえば、足や小技を絡めて着実に1点を積み重ねるスタイルを思い浮かべる方が多いと思います。では新チームの打線はどうなのかというと、旧チームから覚醒の気配を漂わせている1番・和田泰征、4番・櫻井亨佑をはじめに走者を塁上に貯めて長打で一挙大量得点を挙げることが可能となり、より破壊力の増したスタイルとなりました。一方で2番の小澤拓海を筆頭に小技の上手い選手も相変わらず多く、まさに従来の習志野野球と破壊力のハイブリッド打線と言えます。また、チーム全体で狙い球や狙うコースを絞る任務遂行力は相変わらず目を見張るものがあり、県内ナンバーワンの好投手・篠木健太郎(木更津総合)らを攻略したのも頷けます。

旧チームの根本翔吾、竹縄俊希が抜けた外野には1年生の飴谷廉広や小林風太、兼子将太朗が抜けた捕手には2年生の宮下征也がスタメンに名を連ねてそれぞれ結果を残しており、明るい兆しは感じられます。関東大会を経験して旧チームの先輩を越えられるように成長してくれることを期待したいです。

②投手

旧チームから先発を務めることが多かった山内翔太に完投能力が備わり、1試合を任せられるようになった点に成長を感じました。山内は準決勝の木更津総合戦で自己最速を大きく更新する139キロを計測したという話も聞いており、背番号1を背負うエースの自覚からか出力も以前に比べて増しているのではないかと思います。

決勝戦で登板した2年生右腕の堀井遥斗と1年生右腕の山根雄峰が新チームでの2番手投手の座を争っているようです。堀井は力強いストレート、山根は綺麗なフォームからの制球力が持ち味の投手であるように感じました。両投手の課題を挙げると、堀井は変化球の精度が甘く判別がしやすい点や、ボール先行になることが多いためストレートの速さと強さの割には打者に打たれている点が挙げられると思います。一方の山根は綺麗なフォームが逆に相手打者にとって合わされやすく、またボール自体の威力があるわけではないため、変化球とのコンビネーションに頼らざるを得ないという点が現時点での課題ではないかと思います。両者とも伸びしろはまだ秘めており楽しみな投手であることに間違いはありません。

旧チームのみならず、高校日本代表でも絶対的な守護神を務めた飯塚脩人の穴はそう簡単には埋まらないと思いますが、彼らが右の本格派投手として一本立ちすることによって左の技巧派タイプである山内も旧チームのようにより活きるかと思います。関東大会では恐らく山内を中心とした投手運用がなされると思いますが、堀井や山根も経験を積んで大きく成長を遂げてほしいところです。

③守備・走塁

習志野野球の肝とも呼べる守備・走塁ですが、決勝ではここにやや隙が見られました。アウトカウントを間違い、2アウトでフライをハーフウェイで見送ったためにその後の捕球ミスで本塁生還できなかった点やバッテリーエラーが頻発した点など、秋であるとはいえ旧チームほどの完成度にはまだまだ及ばないと感じました。

捕手の宮下は決勝戦で本塁打を含む4安打と打撃でアピールしたものの、キャッチング、ブロッキング、スローイングなどの捕手スキルはまだまだ発展途上であるように感じました。ディフェンス面では決勝戦の9回の守備で登場した2番手捕手の京極塁に分があるように感じましたが、関東大会以降どういった起用になるのか注目したいです。
一方で、ショートでキャプテンの角田勇斗やファーストの櫻井が積極的に内外野に声をかけてポジショニングやカウントの確認をしている姿が印象的でした。最上級生の自覚が芽生えたのでしょうか、彼らには経験を活かし今後も積極的にこうした声かけや準備・確認作業を行ってほしいです。

関東でのキーポイント

激戦区・千葉を制し関東大会に進む習志野高校野球部。新チームが関東を勝ち抜くために、自分は「大量得点を取れるようになったからこそ、1点を大事にする野球を忘れないように」という言葉をかけてあげたいです。
前述の櫻井や和田といった一発長打のあるスラッガーが台頭したり、角田をはじめ勝負強い打者が並んだりするため以前に比べて大量得点を取ることが可能となりましたが、やはり習志野野球の真髄は「1点を大事に」という点ではないかと考えます。

取れる得点は取り、防げる失点は防ぐ。点差、残りイニング、アウトカウント、ランナーの状況、ポジショニングの確認などなど…最終的に、そういった細かい部分での詰めが甘いと勢いのあるチームに押されたり、ミスで崩れてしまいかねません。
選手のポテンシャルは十分に通用するものがあると思うので、関東大会では1点にこだわった「習志野らしい」野球を披露してくれることを祈っています。

写真協力:みゆ(Twitter:@miyumaru_19)さん

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