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子どものコロナ経験談3:待機期間の子どもの勉強、兄妹の過ごし方

数カ月前に子どもが新型コロナウイルスに感染、発症したときの経過についてまとめたコラムです。「経過編」「行政サポート編」に続く3本目になります。

本人10日、家族7日は学校に行けない 勉強はどうしたか

感染者本人は10日、家族は濃厚接触者ということで陽性判定日から7日、自宅待機が要請されることになる。今回は感染者本人のカウントは2日前(微症状があった)からとなったものの、兄のほうは次の週末が終わるまで、妹のほうは翌週の木曜までが待機期間となった。

小3男子(兄)のほうが学校を休むことになるのは当事者なので仕方がない。問題は小1女子(妹)のほうがいきなり学校を休むことになったことだ。本人は体調を崩していないのだから、おもしろくない。

それでも「今はコロナの時代で大変なのだ」ということは分かっているようで、休むことは素直に応じてくれた。兄の発熱時も迎えに行ったら荷物をまとめて保健室に移動していた(感染懸念のため、兄が発熱したら妹もすぐ教室から出なければならないらしい)。

陽性判定を受けて学校にも報告をしたとき、それぞれ先生に頼んで宿題プリントを用意してもらうことにした。校門すぐのところにある用務員室に預けておいてもらい、小学生の登下校時を避けて、私が受け取りに行った(必要最低限の用事をこなすためなら家族は外出を許される)。

進研ゼミの「チャレンジ」教材もあるので、兄のほうは解熱して3日めから、妹のほうはお休みの初日からちょっとずつこなしていくようにした。

幸いだったのは、カリキュラム的に難易度の高い時期ではなかったことだ。小1女子のほうはまだひらがな・カタカナの段階だし、算数も繰り上がりのない一ケタ計算だ。少し遅れても問題ない(というか、すでに理解していた)。

小3のほうも私がちょっとフォローすれば理解できる程度だったので助かる。ただし、漢字学習についてはどんどん新出文字が出る中、学校で学び、プリントで復習するというルーチンが崩れたので、ちょっと心配ではある。夏休みになんとか復習をしておきたいところだが、今どきの子どもに手書き文字を教えるのはなかなか大変である。

これが小6、あるいは中学生だと1週間も休むと追いつくのが大変になる。発熱した当事者は療養もあるので仕方ないかもしれないが、元気な兄弟のほうはリモート授業などを受けてフォローできることが必要だろう。まだ学校次第なのが悩ましいところだ。

部屋を分けて暮らす前半:それぞれの生活をエンジョイ

さて、自宅内で感染者たる小3男子を隔離しつつ、家族は待機期間を過ごすことになる。小3男子と小1女子、兄と妹が部屋を分け、まったく会わずに過ごすことになる。

祖父母の家に片方が泊まりに行って1日くらい別行動というのはあったし、兄のほうが保育園時代に一週間入院することになって、別生活というのはあったけれど「すぐ近くにいるのに会えない」というのはなかなかない。

それでも最初の頃はそれぞれ「独身生活」を楽しんでいた。

小1女子のほうは毎日ちょっとずつ学校のプリントをこなし、Nintendo Laboという工作ソフト(段ボール工作をして、Switchを差し込んでミニゲームをするもの)をさせて「今日は図工の日」なんて楽しんでいた。

実はこれ、ちょっと前から用意しておいたものが役だった格好だ。子どもの遊びのおもちゃはストックしておくに限る(ただし寝かせすぎると成長した子どもの興味がなくなるので要注意)。兄に横取りされずにじっくり作ることができるのもうれしかったようだ。

小3男子のほうは、というと解熱した直後の2日目こそややだるそうな生活だったが、3日めからはほぼ元気となっていた。ゲームもYouTubeも、Amazonプライムビデオも解禁されたため、最高の引きこもりモードという雰囲気で、ドラえもんやらミニオンズの映画を見ていたりした。

ただし、それぞれの独身生活を満喫しているのも3~4日というところだった。

部屋を分けて暮らす後半: だんだん会いたくなってくる兄と妹

家族はとにかく睡眠時間をたっぷり取り、食事もしっかりとるように留意した。免疫力が下がっている状態は作りたくない。

しかし7日間は長い。途中からはどうしても油断が高まってくる。

家庭内感染のリスクが何日目から下がるかは判断が難しいところだ。感染後数日は移りやすいという意見もあるが、4日めくらいはどうかというとなんともいえない。

子どものほうはすぐ近くにいながら会えないというのはやはり寂しくなってくるようだ。4日くらい経ったころから、妹のほうが時折、兄のひとり部屋に侵入しようとして親が止めるというのが何回か起き始めた。

もう感染しなくてすむんじゃないか、という雰囲気が出始めていたけれどそこで家庭内感染させては元も子もない。そこから改めて「本人10日、家族7日」のカウントがリスタートしてしまうからだ。

後日、子どもが学校に戻った後で聞いた話だと、クラスメイトには家庭内感染が連鎖し2週間以上休んでいる子もいたという。これはなかなか大変だ。

ということで、一計を案じた。まずSwitchで遊ばせる。ふたりのSwitchにはMinecraftという同じワールドでふたりが遊べるソフトが入っているので設定を整えて、まずこれで「一緒の世界で遊ぶ」状態にする。

そのうえで、iPhoneを2台用意して(私のものと型落ちのもの)、FaceTime機能を起動させる。要するにテレビ電話だ。これで別室のふたりが「顔を合わせて」「同じ世界でゲームで遊ぶ」ことができるようになった。

最初は「同じ家の中でテレビ電話なんて、おおげさな感じがする」と思って避けていたけれど、やってみたら、子ども同士はご機嫌のようだった。治りかけの最後の数日は、むしろ楽しくテレビ電話で話し合いながらMinecraftの世界で一緒に家を建てたりしていた。

途中から家の間取りや建築担当の分担でケンカもしていたが、それも日常に戻った気持ちになれたようだ。

このあたりは最新のテクノロジーが使える今どきの子ども、というところだろう。もちろん、2台のSwitchを用意しておいたことにも助けられたといえる(小1のときに上の子にSwitchを与えたので、下の子の分も入学前に用意し、制限つきで少しずつ触らせていたところだったのも、幸いだった)。

友達とはまだつながらない小3と小1

それぞれクラスメイトや学童つながりで外に友達がいるわけだが、こちらはどうだったか。

小3くらいだと、学校等の場を離れるとまだ積極的に友人とはつながっていない。仲良しがいてもSwitchのフレンドになっている子が数人いるくらいだ。公園で遊ぶのも学校で口約束して会えれば遊ぶ、くらいだ。

ちなみにSwitchはメッセージ機能がないので(!)、フレンド登録をしても連絡を取り合ったりやりとりができない。これはこれで、セキュリティ的には不審な人とのつながりを断てる安心もあるのだが、会話を続けるところにはまだいかない。

スマホを与えてメッセージのやりとりをさせるのはいつからにすべきか、これはなかなか難しい問題だ。とはいえ、うちの子だけが疎外されてしまうのはもったいないので、どこかで設定してあげなくてはいけない。

このあたりは将来の課題だと感じた。うちの場合は兄妹という「近くに子どもがいる」環境なので、同年代と誰もコミュニケーションできない寂しさは生じなかったものの、そろそろ限界だろう。

今後また感染拡大が起きるときにどう備えていくかは親としての課題だ。

まとめ:家庭内感染がなく、症状も軽かったからこそ言えること

さて、3回に分けていろいろ経験談をまとめてみたが、最後にいくつか述べてみたいことがある。

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20本の連載を抱える人気FPが、外では書けないお金の本音の話(個別商品の悪口も言っちゃうかも)、ニュースコメント(ものの見方考え方が変わるかも)、コミックレビュー(蔵書4000冊から選りすぐりを紹介)に子育て奮闘記(家事育児年1500時間の笑える話)など毎週お届けします。一週あたり50円のお買い得プライスです。登録初月は無料なのでぜひお試ししてみてください。

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