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県立公園「群馬の森」にある朝鮮人追悼碑、代執行してまで撤去する必要がある?

 群馬県知事が1月25日の定例記者会見で、群馬県立公園「群馬の森」にある朝鮮人追悼碑を、近く行政代執行で撤去することを正式に認めた25日以来、朝日新聞デジタルには連日これに関する記事が出ていますが、29日に撤去工事が開始されたようです。

 1月25日「群馬県知事「公益に反する状況、一日も早く正す」 朝鮮人追悼碑撤去」
 1月26日「朝鮮人追悼碑撤去 アーティストが中止求め要望書 2日で2千人賛同」
 1月27日「「歴史思い起こせるように」 撤去される朝鮮人追悼碑、設計者の願い」
 1月28日「朝鮮人追悼碑、群馬県が29日から撤去 「加害の歴史消す行為」の声」
 1月29日「県立公園内の朝鮮人追悼碑、群馬県が撤去始める 知事「公益反する」」

 朝鮮人追悼碑のある「群馬の森」は、旧日本陸軍の火薬製造所があった場所だそうで、碑は「戦時中に軍需工場や鉱山などへ労務動員されて亡くなった植民地支配下の朝鮮人を悼む目的で、市民団体「『記憶 反省 そして友好』の追悼碑を守る会」の前身の団体が、2004年4月に570万円かけて建て」、「碑の建立は当時、県議会が全会一致で賛同し、県が場所を提供した。設置には「宗教的・政治的な行事をしない」との条件がつ」いていました。「設置許可は10年間で、14年に再度、県に許可を得る必要があった」のですが、「14年、設置条件に反する政治的な行事がされたとして、県は設置を「不許可」とした」ということで、その後裁判で争われましたが、今回代執行による撤去となったということです。

 県知事は「碑を公園に置いておくことは公益に反する」と言っていますが、28日の記事によると、ルール違反とされた内容は朝鮮人追悼碑を疑問視する別の団体の主張とのことで、その団体に力のある人物がいたのか、あるいは力のある人物につながる団体だったのかはわかりませんが、県はそれを認めたわけですね。
 ただ、27日、29日の辻田真佐憲氏のコメントを読むと、代執行してまで撤去するような碑でもないようで、何故?という印象は否めません。

 2012年と言えば、李明博大統領が竹島に上陸したことで日韓関係が悪化し始めたころです。その後発足した韓国の朴槿恵政権は、従軍慰安婦などの植民地時代の問題を強調し、「日本政府の積極的な変化と責任ある行動」が日韓関係改善の条件であるとし、当時の安倍首相が国会答弁の中で「侵略という定義については、これは学界的にも国際的にも定まっていない」と発言したたため、韓国の政府も社会も安倍政権に対して猛反発を見せ、さらに12月に安倍首相が靖国神社を参拝したことで、韓国側の反発はさらに強まったので、それが影響しているかもしれません。

 しかし、昨年の関東大震災100年で、朝鮮人虐殺の「記録が見当たらない」とした政府のコメントのこともあり、碑の撤去は加害の歴史の否定と見えるのではないかと思います。

 


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