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ファイレクシア:完全なる統一 リミテ下馬評(環境予想・カード個別評価)

はじめに

こんにちは!
いつもポジティブ、山辺カフカです!

昨年4月頃からYouTubeでリミテッド専門の配信をしており、同10月にVTuberデビューをしました💕
今後ともよろしくお願いいたします。

自己紹介はさておき、
筆者は毎度新セットのリリース前に環境予想の下馬評記事を、
リリース後にはその反省会記事を、
それぞれ執筆しております。

まだ新セットの全カード公開プレビューから間もないですが、先日プレビュー雑談配信(↓)をしたこともあり、早速下馬評やってみたいと思います。

(1/31追記)
本記事を基に環境予想動画を上げたのでよろしければこちらもご視聴ください…!!

また、あいばどさんが早速YouTubeに環境攻略動画を上げてらしたので、こちらも是非参考になさってください!

兄弟戦争(以下、BRO)は結構事前予想が当たっていた方(当社比)なので、今回も頑張りたい!


環境予想

本セットの固有メカニズムや各色のアーキタイプについては、わが師匠、大やけどした節約家さんの下記動画に纏められているので、是非ご視聴ください。

(1/30追記)
大やけどした節約家さんが環境理解動画も上げてらっしゃいましたので、こちらも掲載いたします!

(1/31追記)
いつも各環境のリミテッド記事を書き上げてらっしゃるぞんびさんからも記事が上がっていますので、掲載いたします!

また、リミテッドで各色に振り分けられたアーキタイプ(運営想定)は下記のオリバさんのツイートを参照ください。

その上で、下馬評というからには私なりの予想を17landsで見られるデータの形で行いたいです。


環境のスピード

17landsの「Play/Draw Advantage」というデータの予想をします。
このデータは先攻・後攻の勝率差と、その環境で試合が終わるまでの平均ターン数を示すものです。

ちなみに、現在のスタンダードのエキスパンション&アルケミーバルダーズゲートの最新データは以下の通りです。
銀シンボルがプレミアドラフト、赤シンボルがシールドのデータです。

Play/Draw Advantage

筆者としては、ファイレクシア:完全なる統一(以下、ONE)のプレミアドラフト環境を、ニューカペナの街角(以下、SNC)と同等の平均ターン数(約9.2ターン)となる、早めの環境と予想します。

そして、先手vs後手の勝率については、先手有利な環境(先手勝率52.0%程度)と予想しています。

上記考察の根拠は以下の通りです。

①堕落アーキタイプの存在

毒カウンターは、プレイヤーが得るカウンターである。いずれかのプレイヤーが10個以上の毒カウンターを得た場合、そのプレイヤーは次に優先権が発生したときに敗北する。

MTG Wikiより引用

毒性は、それを持つクリーチャーが戦闘ダメージと一緒に毒カウンターも与えることを示すキーワード能力である。
毒性を持つクリーチャーがプレイヤーに戦闘ダメージを与えるたび、そのプレイヤーは、そのクリーチャーの持つ毒性の値に等しい個数の毒カウンターを得る。

Wizards社公式HPより引用

堕落は、対戦相手1人が3個以上の毒カウンターを持っている場合に、カードをより強力にする能力を強調する新能力語である。

Wizards社公式HPより引用

この環境にはいくつかのメカニズムが搭載されていますが、一大メカニズムとして再録されたのが毒カウンターであり、それに付随するのが新キーワード能力:毒性 および 新能力語:堕落です。

毒カウンターというメカニズムは古くはMtG黎明期:レジェンドの時代より存在しておりますが、同じく一大メカニズムとして採用されたミラディンの傷跡ブロックではリミテッド環境において猛威を奮ったそうです。
その際は、毒カウンターを与えるキーワード能力として感染が登場し、この感染がクリーチャー同士の戦闘においても滅法強かったことが、環境を席巻した一因と言われております。(詳細は割愛)

今回、この感染に代わって新たに採用されたメカニズムが、毒性です。
上記感染との大きな違いは、クリーチャー同士の戦闘においては何も置換しない点と、毒性を持つクリーチャーの戦闘ダメージをプレイヤーが受ける場合、そのプレイヤーは「ライフを失った上で、毒カウンターも得る」点です。
感染デッキが通常は毒カウンターを10個与えることによる勝利(所謂、毒殺)を目指すのに対し、毒性デッキは毒殺だけでなく通常のライフレースによる勝利も並行して狙うことができます

そしてその趣をより色濃く反映するメカニズムが堕落です。
堕落は上記の通り能力語ですが、対戦相手に3個以上の毒カウンターを与えた時点で能力が向上するカード群に割り当てられています。
今まで10個与えなければ何の意味もなさなかった毒カウンターに対して、3個という新たな基準・マイルストーンを与えた、大変面白いメカニズムになっています。

これにより、堕落メカニズムを中心に据えたデッキは、
①まず毒カウンターを相手に3個与えた後
②通常通りライフレースでの勝利を目指す(ないし並行して毒殺を狙う)
という特殊なゲーム展開を目指すことになります。
このような特殊な展開を狙うからにはそれなりの対価・ボーナスがあり、堕落達成により大幅に能力が向上するカードがコモンから存在します。

堕落(使う側)

中でも《切歯の滑空機》は堕落達成によるボーナスが一際目立つカードであり、明らかに②の通常のライフレースでの勝利に近づけるための堕落カードの筆頭です。
また、《生体解剖の福音者》もマルチカラー且つ堕落カードという特性上、堕落達成を狙わないデッキには入りにくく、カードの強力さと対比してかき集めやすいアンコモンになると思われます。能力も堕落デッキの到達点として申し分ありません。

話を少し戻すと、このような対価・果実を得るためには、①の毒カウンター3個が不可欠な訳で、これを達成するための毒性持ちクリーチャーが序盤に展開されます。
このうち今回の環境を定義すると思われるクリーチャーを以下に挙げます。

堕落(使われる側)

《信念堅い決闘者》はこの堕落アーキタイプを成立せしめるキーカードと予想しています。
2マナ2/2・自ターン先制攻撃という及第点以上のスペックを持ったクリーチャーであり、このクリーチャーの攻撃に対して2マナ以下で素で一方的に戦闘で勝るクリーチャーはレアの《生ける治療、メリーラ》のみ、起動を交えても《刃ある大使》しか増えません。また、受け止められるスタッツ持ち(タフネス3以上)すら枚数が限られています。
このような背景からこのクリーチャーへの最善の対処法は以下のような軽量除去となり、是即ち除去できなければ堕落達成→敗北に一気に近づくクリーチャーになりそうです。

2マナ以下じゃないと軽量と言わせないぜベイベー

《伝染させる吸血者》もやはり序盤に止めるのが難しい毒性持ちです。特に先述の決闘者とこのカードの双方を素で受け止められる2マナ以下のカードとなると、環境に1/3到達の《銅の足長虫》しか存在しません。
このように優秀な軽量毒性持ちの存在に比べると、軽量ブロッカーは力不足・不在と言えそうです。

最後に、堕落を語る上ではダニ・トークンについても触れないといけません。

ダニと愉快な仲間たち

ダニ・トークンは毒性1を持ちブロックに参加できない1/1のアーティファクト・クリーチャーです。
先述のクリーチャー群と比べるとダニ・トークンは大体のクリーチャーでブロック可能なスペックですが、比較的容易に複数体生成できるため横並びによる堕落達成が狙えます。
このダニの横並びは堕落達成のためだけでなく、達成後の《切歯の滑空機》の恩恵も最大限受けられる点は無視できません。
そして今回の一部のコンバットトリック(以下、バットリ)には毒性持ちクリーチャーを対象にすることによるボーナスも存在し、1/1のダニでもチャンプアタックに参加しやすい土壌が形成されています。

以上のような背景から、序盤、特に先手によって早期に堕落達成がなされるゲーム展開が続出するのではないかと想定しております。
この堕落アーキタイプは特殊なゲームプランではあるものの所謂アグロ戦略に括られるため、環境スピードを早め、先手勝率も高める結果になるものと思われます。

筆者としては、堕落アーキタイプはピック・構築の方針が難しい一方で、環境的な追い風も相まってTier1~2として君臨するものと予想しております。
(ちょうど忍術の種と忍術持ちのピックが必要であった神河:輝ける世界の青黒忍者に近いピック方針・立ち位置になるでしょうか)


②ライフゲインが少ない&効かない

皆さんは《蜂蜜マンモス》というクリーチャーをご存知でしょうか。

はーちみーつたーべたーいなー

イコリア:巨獣の棲処が初出のカードですが、6マナ6/6に4点のライフゲインが付いたクリーチャーです。
このクリーチャー自体は実は再録されたことがないものの、以降同型再版や類似クリーチャーが幾度も収録され、ETBライフゲイン付きのコモン・アンコモンのファッティをこのカードに例えられることが(少なくともリミテッダー界隈では)多いです。
直近の兄弟戦争には、この枠に相当するカードが《岩枝のゴーレム》と《強情なベイロス》の2種存在したことも記憶に新しいかもしれません。
このようなクリーチャーは、アグロ戦略を取るデッキに対する一種のメタカードとして存在しており、特に緑系のミッドレンジデッキが巻き返しを図る際の第一歩として代えがたい役割を担ってきました。

今回、このようなETBライフゲイン付き生物の枠を《油喰らいのトロール》が担っていますが、このカードは1ドローという大きなボーナスが付いた代わりに、サイズが標準以下となり、条件として油カウンターの置かれたパーマネントをコントロールする必要も生じています。
したがって、過去のカードよりも事前のケアがしやすい(裏目の大きい)クリーチャーになってしまっているのが特徴であり、本カードの明確な弱点です。

なんでも美味そうに食うんだけどねえ

そして、本環境のライフゲインカードは非常に数が限られています
実はアンコモン以下でライフゲインが可能なカードは、上記の《油喰らいのトロール》以外にはアンコモンの《策謀の有貌体》《アトラクサの疾牙》と、コモンの《大顎の大司法官》《骨拾いのスカージ》《残虐の陰皇》のみであり、計6枚しか存在しません

まじで全然ゲインしないの

そのうち3枚は絆魂によるライフゲインであり、クリーチャー除去や戦闘中のサクリファイスによって回避されやすいものです。
また、《残虐の陰皇》も相手に選択肢を委ねる性質上、過信できません。

筆者の興味もあり直近2セットとのライフゲイン関連カードの枚数も比較してみましたが、レアリティに依らず明らかに枚数が少ない傾向が見られます。
この状況に追い討ちをかけるように、コストやデメリットとしてライフルーズを要求するカードも多数収録されていることから、開発部が世界観を強く意識してカードデザインをしてきたものと見られます。

ライフゲインカードのエキスパンション別・色別枚数(Lifelink/絆魂は付与も含む)


ここまでは通常のライフレースの話でしたが、本環境は①で述べた通り並行して毒カウンターによる敗北も意識しないといけません。
この毒カウンターに関しては、そもそものコンセプトとして容易に取り除けない・回復できないものを意図しております。
その方針に則り、本環境は神話レアまで含めて一度得た毒カウンターを減らす手段は一切採用されておりません

以上のような背景から、ミッドレンジデッキが一度失ったライフ(相当の)アドバンテージを回復できず、非常にアグロ優位な環境と言えそうです。

近年のアグロ優位な環境と言えば筆者はSNC環境を思い浮かべますが、あちらはマルチカラーのコモン2種が条件付きで絆魂を持つ等、主力級のライフゲインカードが多く、アグロ同士の殴り合いにおいて絆魂が非常に強力な環境でした。
今回も数は少ないですがコモンの2種の絆魂クリーチャーがその枠として大活躍してくれるかもしれません。


③ジャッカルアグロ戦略が再現性高そう

ジャッカルってなんぞや?という方は以下の記事を参照ください。

「ジャッカル」とは《ジャッカルの使い魔》のことで、M10ドラフトにおいてこれを集めるドラフト戦略があったことと、《結束した構築物》の能力がこれに似ていることに由来する

晴れる屋記事より引用

簡単に説明するならば、「そこまで人気のない(普遍的に強くない)カードをかき集めて強いデッキを作る戦略」でしょうか。
今回、この戦略を取りやすそうなカードが油カウンターアーキタイプに集中しているように思います。

そもそも、油カウンターは毒カウンターに比べるとシナジーの多様性は低いです。
これは、毒カウンターが堕落と増殖の両面でのシナジーが形成されるのに対して、油カウンターは増殖とのシナジーしか形成されないためです。
また、油カウンターが青・赤・緑に割り振られている分、活用方法(効果)は多岐に渡ってしまっており、一つの方向を向いていません。
一口に油カウンターアーキタイプと言っても、強いデッキを構築するには効果の方向性の近いカードを集める必要があります。

ちなみに、油カウンターがカラデシュに存在したメカニズム:「エネルギー」と似ているという声も聞こえますが、各パーマネントに置かれる油カウンターは、リソースを共有できるエネルギーよりは明らかにカード間のシナジーも弱いです。エネルギーは効果の方向性が多少異なってもリソースを共有できた点が強かったので、明確に区別する必要があります。

カフカのつぶやき

この「シナジーの多様性の低さ」は言い換えれば「普遍的な強さがない」ということであり、結果として「ピック人気の低い」カードになりやすいです。
これはあくまで普遍的な強さの話であり、カードパワー自体が低いことを意味していません。
裏返せば、普遍的でないが特定の戦略でカードパワーが高くなるカードを集めるのが、ドラフトではピック競争も避けられるため強い、とも言えるのです。

以上の前提に基づき、今回特化型戦略(ジャッカル)で特に強力になりそうだと筆者が考えているのは、赤および青の油カウンターカード群です。
筆者として注目しているカードを以下に示します。

ジャッカルジャッカル!

中でも《胆液の合成者》は特に注目しているカードでして、複数枚並べたのちに増殖スペルや《肉体の解放》で一気にゲームを終わらせるスペックがあると思います。
この「複数枚並べる」はあくまでピック人気が低い場合にのみ成り立つ戦略ですので、前提が崩れれば全く成り立たない戦略である点は要注意です。

余談にはなりますが、過去イニストラード:真紅の契り環境において、これに近い戦略(青赤スペル)が成功を収めた実績があります。
その際は《胆液の合成者》や《鋸刃の餓鬼》に相当する枠が《ケッシグの火吹き》で、複数枚取れたこの子で序盤~終盤まで削りきる戦略がしっかりと機能していました。

久しぶり!元気にしてた?

この戦略については、おだんごTVさんMakoさんをゲストにお迎えした下記動画が非常に参考になると思います。

この戦略は非常に強力で各種大会でも好成績を収めたのですが、環境後期になるに従い青赤のアーキタイプの勝率の高さがバレ始め、ピック戦略が成り立ちにくくなった記憶もあります。
メタゲームは生物(なまもの)ですので、特にこのジャッカル戦略はその影響を受けやすい点にはご注意ください。


④マナサポートが少ない

リミテッドを少しでも齧ったことがある方は、「原則2色でデッキを組む」という話・コツを聞かれたことがあると思います。
これは、リミテッドでは構築と異なり優秀なレアの多色土地を採用できず、デッキの多くの土地を基本土地のまま戦う必要があるためです。
(本論とずれるため、各ケースの色マナ確率計算はここでは割愛します)

一方で、リミテッドにおいてベースの2色以外の色のカードを採用するとよいケースは多いです。
これは、デッキに採用できるカードの候補が増えることにより、ボムレアを筆頭としたカードパワーの高いカードをデッキに増やすことができるためです。
この3色目以降の色のカードを少量(通常は1~3枚)採用することを、俗に「タッチ」と呼びます。
タッチするカードは3色目の土地を引き込む確率からもゲーム序盤では通常唱えにくいため、中盤以降に唱えることを前提とした強力なカードが推奨されます。

このタッチの成功率を上げるために、リミテッド環境において重要なのが色マナの自由度を上げるカード、マナサポートです。
そしてこのマナサポートとして最適なのは、当然ですが構築同様、多色土地の採用になります。
構築のように条件付きでアンタップインできるレアの多色土地は使えませんが、コモンで2色以上にアクセスできるタップイン多色土地はタッチの成功率を大幅に高めます。(ひいてはデッキの色事故率も下げます)

翻って、本環境のコモンの多色土地は何があるかというと《広漠なる変幻地》1種のみです。
《広漠なる変幻地》の同型再版が《進化する未開地》ですので、状況としてはBRO環境と同等ですね。

クビになったと思ってたけど、まだ仕事あるんだ?

この対極に位置する環境がその前のエキスパンション、団結のドミナリア(以下、DMU)であり、有効色・対抗色合わせ10種のタップイン2色土地に加え、《水晶の岩屋》まで有する等、類まれないマナサポートに恵まれていました。

この多色土地マナサポートの有無によるタッチ成功率の差異について、DMU環境とBRO環境の17landsデータに基づき比較してみました。

Color Performance (左: DMU環境、右: BRO環境)

注目すべきは2色ベースのデッキのうちタッチカラー(17landsではsplash)を行ったデッキの割合で、DMUは実に67.4%ものデッキがタッチを選択しているのに対し、BROは24.5%と控えめであったことが分かります。
この差異のすべてを土地の違いだけで説明はできませんが、最大の要因であることは疑いありません。

また、「卵が先か、ニワトリが先か」の話にはなってしまいますが、結果的にBRO環境はアグロが優位なメタゲームとなったため、先述の通りゲーム中盤以降でしか有効でないタッチカラーが減っていった影響も少なからずあると思われます。
(タッチ減少⇔アグロ優位の因果は難しい…)

すこし議論が散らかったため纏めると、
ONE環境はBRO環境同等程度にマナサポートに恵まれておらず、中盤以降に巻き返すためのボムレアタッチプランも取りにくくなり、結果的に環境スピードの加速に拍車をかけると予想しております。

最後に、本環境の土地でないマナサポートとして《予言のプリズム》にだけは触れておきます。

このカード、パウパーフォーマットで禁止指定を食らうくらいにはマナサポートとして強力ですので、正直BRO環境と比較すればマナサポート面では若干恵まれていると思います。
(BROの《エネルギー屈折体》と比べてもテンポ損が少ないのは明らかな強みです)
使用感としては寧ろDMUの《マナ労働機》に近いと見られ、一応アーティファクトシナジー等の活用先もあるため、このカードの存在による影響は注視していきたいです。

本環境は増殖のように色・アーキタイプを越えて機能するカード・シナジーも存在するため、筆者予想としては最終的にこのカードの奪い合いになるメタゲームが待っていそう…と思っております。


Tips: ミラディンのために!

ここまで熱心に読んでいただいた読者の方は、もしかするとピンと来ているかもしれません。
筆者、ここまでもう一つの新メカニズムである「ミラディンのために!」に全く触れていません。
なぜ触れていないかというと、弱いと思うからです

ミラディンのために!
(この装備品が戦場に出たとき、赤の2/2のレベル・クリーチャー・トークン1体を生成し、その後これをそれにつける。)

カードテキストより引用

誤解を恐れずに言うと、このキーワード能力自体は強力です。
下環境でも実績のある生体武器のリメイクカードであり、生み出すトークンの色とサイズが変わっただけで、装備品の弱点である「別にクリーチャーが必要」「装備する際のテンポ損」を両面で解決してくれます。

問題は本セットに採用されているコモンのミラディンのために!カードの質の低さです。
いずれも単体では(フレンチ)バニラクリーチャーであり、2マナ3/1の《逆棘の叩拳》だけは及第点ですが、3マナ2/3の《黄金守護の兜》、4マナ4/2の《ヴァルショクの割り斧》、5マナ4/3警戒の《ミラディンのバルディッシュ》はいずれも落第と言わざるを得ません…

そんな装備で大丈夫か?

《刃継ぎの有貌体》というコモンにしてはハイスペックなサポートカードはあるものの、肝心のサポートを受ける側が単体で弱いことを見逃す訳にはいかないのです。

君は悪くない…!悪くないんだ!

また、先述の《刃継ぎの有貌体》を除くと装備品に関するシナジーは本セット内には少なく、アーティファクトシナジーも複数存在しますが、ゲームプランにするには弱いものが多い印象です。
寧ろ装備先として環境柄簡単に生成できるダニ・トークンが存在することから、装備品×トークン戦略の方が筆者としてはしっくり来ます。

赤白デッキが全くやれないかというと、そのようなことはありません。
アンコモン・レアのミラディンのために!カードはいずれも単体で強力ですし、既に①の項で触れた白の堕落アーキタイプのカードにも単体で強力なクリーチャーは含まれます。

大丈夫だ、問題ない(コモン以外)

ただ、言い換えれば「単体で強い赤・白のカードを集める」からグッドスタッフデッキとして通用するのであって、弱いコモンのミラディンのために!カードを含むような赤白デッキはシナジーも薄くTier3以下の負け組になるのではないかと予想します。
(万が一ピック人気が低くなるような場合は可能性があるかもしれませんが、パッと見で弱いアーキタイプではないため筆者はだと思っています)


カード個別評価

以上の環境予想を基に、各カードの個別評価も予想してみました。

今回もTIERMAKERを使用させていただきました。
道民さん作成のテンプレートを活用しております、よろしければ下記の道民さんによるTier listもご参照ください。

下馬評採点の定義としては、10段階評価(下記MTG wiki)→7段階評価(TIERMAKER)に相当させており、対応は下記のイメージです。

10点→S
9点→A
8点→B
7点→C
6点→D
5点→E
4〜1点→F (アンプレ)

対応表:(wiki定義)→(TIERMAKER定義)

評価はプレミアドラフトをイメージしていますが、シールドにもある程度通ずるかと。

コモン

アンコモン

レア・神話レア

おわりに

2/3(金)未明~2/4(土)未明にかけて、ONEのアーリーアクセスイベントが開催予定です!
筆者も幸い参加権を頂きましたので、そちらの体験も踏まえた情報共有ができればと思っております!
参加できるかあやしくなってきたけど…
DMU・BROの環境理解記事(↓)がとても好評で嬉しかったので、今回もみんなに届くと嬉しいです🎵

それでは!また次回記事か配信でお会いしましょう!
次会うときはあなたも完成化してるカナ?
バイバイ, サヨナラ, サイツェン

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