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「最初の低高域処理」セルフMixしたい人が読む記事(10)

今回から本格的にボーカルMixの処理を紹介していきます。初めにやるべき処理を解説します。ボーカルのバスにbx_cleansweep pro(あるいはパラメトリックEQ)をインサートします。

初級

bx_cleansweep proをインサートします→未所持の場合はfree版か中級へ
プリセットの28番目を適用
おわり→微調整する方は上級へ

中級

帯域ごとにソロで聴きこみ帯域の成分を分析します

この処理がパラメトリックEQ(作業のしやすさからデジタルEQがオススメ)でも行えるようになり聴き分けが出来るようになると処理精度があがります。最初はこの方法で始めるのも〇。
中級では視覚的な判断が大きく、聴覚による判断に自信が持てない。あるいは聴覚による判断を避けているかと思います。少しずつ耳で判断できる自信をつけるためソロで聴きこむことも織り交ぜていきます。

上級

EQの変化はほぼ聴覚で判断します。アナライザーをじっくりみることはありません。bx_cleansweep proでもパラメトリックEQどちらを使っても構いません。

高域の処理は耳障りな砂のような音を軽減するローパスです。低域の処理はリバーブなどで濁りを発生させないハイパスです。この処理によりオケの低音に明瞭感が生まれ、帯域の住み分けが可能になります。
この処理について詳細となる参考記事(PA FREE bx_cleansweep V2

bx_cleansweep proのメリット
ワンノブで微細にEQカーブを変更でき、EQによりキャラクターをもたらします。リファレンス聴いたときに印象にもっとも近いEQカーブを採用するという選択肢ができるほか、ABCDに設定を保存できます。そのため、複数のEQカーブを素早く比較できます。そして軽量です。

コツ
掛けすぎない。ここで音が劇的に変わってしまった場合掛けすぎです。
EQですべてを解決しようとしていませんか。ここで行う処理の目的は低域の除去と高域の微細な処理です。

コツ2
ローパスはモスキー音に近しい鳴り方をします。15khz~20khzに相当しますが、楽曲により13khz~に存在することも多いです。ハイカットが深すぎるとボーカルから煌びやかさが失われるため注意してください。

コツ3

ハイパスを行う際、ソロで聴いたとき低域に存在するボーカルが入ってしまう。ローカットが深すぎる(=目安130hz以上)可能性が高いです。その成分はボーカルの温かみにあたるため、除去すると明瞭感が増す一方、温かみが失われます。

このローカットはソロで聴いた場合、聴覚上では「ほぼ無音~無音」といっても良いです。しかし、この処理を行わないと以降に行う処理で音が濁りとして発生します。周波数にしておよそ130hz未満のローカットとなるはずです。
以降の処理では様々な手法で音を重ねていきます。そのため現状聴こえていない130hz未満の音が重なることで聞こえるようになり濁りとなって現れるわけです。

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ボーカルMixのご依頼を受けております。機材等々わからない初心者の方にもわかりやすいよう案件を進めさせていただいております。

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