野菜とスープと奥さん

①きゃりーぱみゅぱみゅ「ピンポンがなんない」、②松任谷由実「チャイニーズスープ」、③谷山浩子「土曜日のタマネギ」。この順番で聞くと、フラリーマンを夫にもつ主婦と晩御飯の献立が、なんとなく見えてきます。この文章を読み終わった後に、ぜひ3曲を聞いてみてください。

まず「ピンポンがなんない」期では、帰りを待ちわびながら、シチューを作る奥さんの様子が浮かび上がってきます。まだ心の傷は、ササクレ程度。メールを打つ音が「ピポピポ」と、まだ明るめな擬音です。しかし、なかなか帰って来ない旦那さんは、シチューと同じように冷めていく彼女の気持ちに、きちんと気付けているのでしょうか。

次に「チャイニーズスープ」期では、Chinese soupを作って待つ、奥さんの過去が垣間見えます。彼女は、サヤエンドウとプティオニオンを使ったChinese soupを、過去の男たちにも作ってきたのでしょう。「もう、待つのは疲れた」という思いを隠し味に入れて、具材と一緒に煮込んでしまいます。

最後に「土曜日のタマネギ」期では、奥さんは、ポトフを作ります。平日の夜も帰って来ないのに、土曜日の夜も、帰って来ない旦那さん。一体どんな仕事をしているのでしょうか。そして、お湯を沸かす音だけの部屋に、電話がなります。その電話を、彼女はどんな風に聞いたのでしょうか。2人分作ったポトフが、1人分、余計になってしまいました。いやそれどころか、一生、彼女の料理を彼が食べることはないようです。彼は、家を出ていったみたいです。

いやぁ、切ない。
フラリーマンから、もう帰って来ない人に。
旦那さん、いったい、何があったんだい。


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山雲淳一

3曲ストーリー

【休止中】小説家がDJをやったら、こんな風に曲を紹介するだろう。そんな妄想を基に、3曲ストーリーは誕生しました。この挑戦をする上で、3つのルールがあります。①3曲に限定する、②テーマを限定する、③最低100テーマを生み出す。妄想が尽きたら負けなので、頑張ります。
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