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余寒の京都旅「平野神社」三.すえひろがねと早咲き桜


え?ちょっとまって?

バス停留所に貼られた一枚の紙。"ストライキ"という文字を見てキョトンとする私。欧米の外国人観光客にとっては日常茶飯事かもしれませんが、日本に住む我々にとってストライキは只事ではありません。ずっと雨模様が続く三月。久し振りに晴れ予報が出ていた貴重な一日。なんとその日にストライキ決行の告知がなされていました。

晴れか雨か。天候は撮影にとって重要な要素となります。晴れていれば緑は濃くなり川は煌めき花は輝きます。逆光というデメリットはありますが傘を持ち歩く必要がないので旅行をするなら断然晴れのほうが快適です。一方雨はデメリットばかり。いいことなんてほとんどありません。濡れた傘は室内に持ち込めないし、自動車の利用が増えるので移動に多くの時間を浪費することになります。また日光が雲に遮られるので自然や文化財がくすんだ色合いへと変化し、全体が暗い表情になってしまいます。

もちろんストライキをするなと申してはいません。労働者の大事な権利であり尊重すべきものです。でもよりによって久し振りの観光日和にバスを使えないなんて。痛い。痛すぎますよ。旅行予定日の二日前に告知されて、週間天気予報とバス会社の公式サイトの両方とにらめっこする日が続きましたが、結局ストライキは中止となり予定通り旅行をすることが出来ました。

全国規模でバス運転手が不足するという危機的状況の中、我が地元の京阪バスでも4月1日のダイヤ改正でいくつか廃止や減便がなされることになります。おそらく今後は欧米並に日本でも様々な業種のストライキが行なわれるでしょうね。かなりの不便を強いられることになりますが現状仕方がありません。私に出来ることは日々運転手さんといったサービス提供者に感謝の意を伝えることぐらいです。先人たちは多くの苦難を乗り越えてきました。私達もなんとか踏ん張って道を切り開いていきたいものです。

枕話はこのくらいにして旅の続きに参りますね。


こちらは樹齢四百年のクスノキです。

平野神社の御神木になります。御神木を囲う台は祭祀のためと、根を踏まないよう保護する目的があるのでしょうね。


お参りするため近づいてみたところ不思議な石が御神木の根に寄り添っていました。

こちら"すえひろがね"と呼ばれている餅鉄になります。餅鉄べいてつは、アニメ"もののけ姫"の舞台になった"たたら製鉄"などで、古代から鉄の原料として使われてきました。ほとんどは石ころ状でこのように大きな石は非常に貴重なんだそうです。日本最大級ということで平野神社に奉納されたのでしょうね。


日本で"磁石"に関する最初の記述は797年に刊行された"続日本紀"だと言われています。平野神社では邪気や厄を吸い取ってくれるものとして言い伝えられてきました。おそらく江戸時代頃まで磁石の原理を知る人は少なかったと思われます。

とまぁ霊験あらたかな石でありますが、磁石の概念をまだ学んでいない七五三参りのお子様たちはこれを見たらきっと大はしゃぎをするでしょうね。私も久し振りに屋内以外で磁石に触れて大人気なくはしゃいでしまいました。


こちらの立派な建物は拝殿になります。


おおー平野造だ。

生だと迫力が全然違いますね。パタリと有名人に出会ったような夢心地の気分。いつもテキストで見ているモノを目の当たりにすると不思議な感覚に陥ります。皆様もそういう体験ありますか?


本殿に近づくとこのように平野造の屋根が隠れてしまいます。

神様は遠くから崇めるものであることを示しているのでしょう、なんつって。こじつけが過ぎちゃいましたかね。


実はわたくし"梅を愛でる"という旅の目的が一つありました。


平野神社は広い境内だからきっと梅も咲いているに違いない。


私の目論見は見事に外れました。


まぁ普通に考えれば当たり前ですよね。

平野神社は桜の名所であり、すぐ近くに全国有数の梅の名所がございます。京都を歩き回れば何処かしらで梅を見れるだろうと高をくくっていました。結局最後までこの旅で梅を観ることは叶いませんでしたが、代わりに早咲き桜を観ることが出来て良かったです。二月初旬の桜もなかなか味わいがあっていいものですね。

以上です。次回は平野神社編の最終回になります。乞うご期待。



今回の参拝スポット


追記

note公式マガジンに記事が掲載されました。ありがとうございます。


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