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日本は世界一冷たい国『ではない』

こんにちは、カワウソ(@english_otter)です。

本来深夜に書くようなことはないのですが、ちょっとマスコミの報道に腹が立ったので緊急で書いています。

テレビ朝日、ANN系のニュースで以下のような報道がされました。


「人助けランキング」で日本が最下位を記録したとのことです。

この統計にいちゃもんをつける気は全くありません。

ただ、正直報道の仕方があまりにも偏っているというか、恣意的な操作を感じたので急遽noteに書きます。

4か月前に、同じ『世界寄付指数』調査で日本が下から3番目になったというニュースが話題になった時に「ちょっとおかしいな」と思いブログをかきました。

今回は、その記事に書いたのとほぼ同じ内容を書かせていただきます。

簡単にしかかきませんので、時間に余裕がある方は上の記事を読むことをオススメします。

(注意)

このnoteにおいて、私は「日本は世界一親切な国だ」とか、そんな不躾なことを主張する気は全くありません。日本が世界とくらべて際立って親切な国だとは思っておらず、せいぜい真ん中くらいの順位が出れば御の字かなと思っています。

しかし、あまりにもANNの報道に、いろいろ思うところがありますのでnoteとして書かせていただく次第であります。

世界寄付指数はアンケート調査だ

正直にいって、この指数は、注意して読む必要があります。

Doenload your copyというところをクリックするとpdfが出ますので、そこをご覧ください。

そこの4ページ目。Backgroudというところに、以下のように書かれています。

In order to
ensure that giving is understood in its various forms, the
report looks at three aspects of giving behaviour.
The questions that lie at the heart of the report are:
Have you done any of the following in the past month?
Helped a stranger, or someone you didn’t know
who needed help?
Donated money to a charity?
Volunteered your time to an organisation?

『人助け』をいろいろな形で理解されるのを確実にするために、このレポートは『人助け行為』の3つの観点を見ます。

レポートの根底にある質問は以下の通り

以下のことを先月しましたか?

・見知らぬ人を助けた、あなたの知らない人で助けが必要な人を助けた

・チャリティーに募金した

・自分の時間をボランティア活動に費やした


つまり、これはアンケートなのです。

ここが、地域性がでるのではないかと思っています。


どういうことかというと、基準があいまいすぎる。

どの程度のことを『人助け』と呼ぶか。これが国によって大きく異なるのではないかと思うのです。

たとえば、日本の電車で良く見る光景ですが、若い方がお年寄りに席を譲る際、無言でさっと立つようなことがあります。

私自身積極的にしていますが、私の感覚では「ああ、今人を助けたな」とは感じない。

なんというか、『人助け』というには軽すぎる感じがするのです。

しかし、他の人であれば「人助けをした」と感じるひともいるでしょう。


きっかりとした統計をとったわけではありませんが、日本人には、人助けをしても、そう感じないひとがおおいのではないかと思います。

これが欧米、例えばドイツでいえば、困っている人がいると周りが呼びかけるそうです。これだと、『席を譲る』という同じ行為でも、人助けをしたという感覚になりやすいのではないか。

僕は、日本人は謙虚だと思っています。そして、あまりしゃべらない国民でもあります。

そのことが、こういったアンケート調査の結果を実際以上に悪くしているのではないかと思います。


マスコミの『悪質な』印象操作


私は、この指数そのものに異議を唱えることはいたしません。

ただ、マスコミの報道がひどすぎる

端的にいって最悪の報道です。


日本のメディアにありがちなことですが、調査方法や目的を伝えず、結果だけ伝える。

これでは、視聴者が「日本は世界一冷たい民族だ」と無批判に受け入れても仕方ありません。

もし、どのような調査方法だったかを説明していれば、同じニュースでも、私が上で書いたような意見、そうでなくてもなんらかの反論意見がでるでしょう。

センセーショナルな結果だけ伝えて、それについて考える機会を与えない。これが日本のマスコミです。

もっと建設的な議論を国民にさせる、そういうメディアに代わってほしい。その思いを込めて、終わりにいたします。


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