ヒストリック:白単アグロ(2021/9/16)

こんにちは、長野県飯田市にあるTCGショップMAGの山田です。

この記事は、9月12日に行われたMTGアリーナの賞金制イベント、アリーナオープン(フォーマット:ヒストリック)で私が使用した白単アグロについての記事になります。
1日目の予選、2日目の本戦で行われるこの大会で、私は白単アグロを使用し本戦に参加、勝ち進み、2000$のマネーフィニッシュをすることができました。

アリーナオープン2日目7-1

現在の構築はラダーも勝率70%以上を維持していて、直近は15-1と非常に好調です。

勝率
画像2


間もなく発売となるイニストラード:真夜中の狩りで環境がどう変化するか楽しみですが、その前に現在の構築やカードの採用理由などを記しておきたいと思い、筆を執りました。また、知人数人から「白単について知りたい」という声をいただいたことも理由の一つです。

デッキ選択理由

白単アグロを選択した理由は、現在のヒストリックで使用率の高いジェスカイ系デッキに非常に相性が良いためです。また、以前ヒストリックで白単アグロを使用していた経験や、スタンダードではありますが白単アグロでストリクスヘイヴンチャンピオンシップに参加するなど、白単アグロというデッキへの理解、慣れがあったのも理由の一つです。
それらに関しては過去に私のダイアリーノートにまとめてあります。
参考:https://yamadadada.diarynote.jp/

デッキリスト(インポートできます)

デッキ
19 冠雪の平地 (KHM) 277
4 不詳の安息地 (KHM) 255
4 スレイベンの検査官 (SOI) 44
4 エスパーの歩哨 (MH2) 12
3 無私の救助犬 (M21) 36
1 巨人落とし (ELD) 14
4 スレイベンの守護者、サリア (DKA) 24
4 光輝王の野心家 (ZNR) 24
4 サリアの副官 (J21) 27
1 封じ込める僧侶 (M21) 13
4 精鋭呪文縛り (STX) 17
4 イーオスのレインジャー長 (MH1) 21
3 スカイクレイブの亡霊 (ZNR) 39
1 軍団の天使 (ZNR) 23

サイドボード
2 封じ込める僧侶 (M21) 13
1 スカイクレイブの亡霊 (ZNR) 39
3 軍団の天使 (ZNR) 23
2 ポータブル・ホール (AFR) 33
1 霊気圏の収集艇 (KLR) 218
2 安らかなる眠り (AKR) 33
2 不可解な終焉 (RIX) 1
2 黒き剣のギデオン (WAR) 13

カード別コメント

4 不詳の安息地 (KHM) 
パワー4のクリーチャーとなる土地。全てのクリーチャータイプを持つため人間であり、サリアの副官でサイズを上げることができる。マナフラッド(土地の引きすぎ)をカバーしてくれる非常に優秀な土地。コントロールデッキ全般に強い。警戒のおかげで攻撃後にマナを出しアクションをすることができる。余談ですが、1ゲーム内で土地を13枚引くも、このカードを3枚含んでいたおかげで勝ったゲームがありました。

19 冠雪の平地 (KHM) 
不詳の安息地を起動するために平地は全て冠雪。土地の合計枚数は23枚。この枚数は、3ターン目までスムーズに置きたい場合の適正枚数。

4 スレイベンの検査官 (SOI) 
手掛かりを生成する小型クリーチャー。タフネス2も優秀で、2ターン目にサリアの副官や光輝王の野心家でサイズを上げることで、踏みつけや邪悪な熱気(昂揚無し)を耐える心強い2/3というサイズになる。余談ですが、私はこのカードをスタンダードの頃によく使ったので、とても愛着があります。

4 エスパーの歩哨 (MH2) 
MH2からの新戦力。スレイベンの守護者、サリアと共に、非クリーチャー呪文を多用するデッキに対して非常に強力。アーティファクトのため、プリズマリの命令やコラガンの命令のアーティファクト破壊のモードで1:2交換される場合があるので注意。

3 無私の救助犬 (M21)
生贄にすることで自分の選んだクリーチャー1体に破壊不能を与える犬。地上戦が膠着した場合、光輝王の野心家やサリアの副官でサイズを上げたクリーチャーによる戦闘で相手のクリーチャーを削っていくため、どのクリーチャーに破壊不能を与えるかを相手のブロック後に選択できることは非常に重要。

1 巨人落とし (ELD)
イーオスのレインジャー長からのサーチ用に1枚採用。タップ能力は非常に優秀。不詳の安息地(警戒)と組み合わせると、不詳の安息地の攻撃後、相手のブロック前に攻撃済みの不詳の安息地からマナを出してタップ能力を使うことができる。

4 スレイベンの守護者、サリア (DKA) 
非クリーチャー呪文の多い相手を大きく減速させることができる。基本的には最優先でプレイしていく。神々の憤怒が4マナに、神の怒りは5マナに。そのアクションの1ターンの遅れから、精鋭呪文縛りやイーオスのレインジャー長に繋げ、攻撃できるターンを増やしていく。先制攻撃もあるため、強化することで戦闘を有利に運ぶことができる。

4 光輝王の野心家 (ZNR) 
毎ターン永続的にクリーチャーを強化することができる。このカード自体が除去の対象になることが多いため、本人以外に乗せていくことが多い。救助犬のバックアップがあれば、安心して自身に乗せることができ、次ターンには踏みつけや邪悪な熱気(昂揚無し)で倒されない3/3となることができる。

4 サリアの副官 (J21) 
自分のコントロールしている人間クリーチャーのサイズを1段階上げてくれる。自身も他の人間が出ることによりサイズを上げることができ、アタッカーとしても優秀。重ねても嬉しい。第1メインで人間を出してサイズを上げてから攻撃することを忘れないように注意。

3 スカイクレイブの亡霊 (ZNR) 
非常に強力な除去内蔵クリーチャー。ジェスカイ以外のほぼ全てのマッチで必要となり活躍するため、メインボードからの採用となった。ジェスカイコントロールに対しても、3マナ2/2としての仕事はあり、デッキ自体の相性も良いため問題無しとした。

4 精鋭呪文縛り (STX) 
相手の手札を見て、1枚のコストを増やすことができる飛行クリーチャー。
攻めの要でもあるため、基本的には3ターン目に最優先でプレイ。手札から追放するカードは全体除去がメインターゲット。追放するカードに迷ったら、相手が2アクションを取りにくくするように意識するとよい。

4 イーオスのレインジャー長 (MH1)
パワー3のクロック、クリーチャーサーチ、相手の呪文妨害と、多くの仕事を持つクリーチャー。4マナの状態からプレイし、無私の救助犬をサーチからプレイまでの流れが無駄が無い。この動きは4マナのアクションだが、そのためには白白白他1マナが必要なため、不詳の安息地が手札に2枚あるときには3ターン目に精鋭呪文縛りよりも優先してレインジャー長を出す展開もある(手札の土地が平地×2、不詳の安息地×2の場合)
基本的なサーチは無私の救助犬、除去が必要ならば巨人落とし(切り落とし)、マナフラッド気味の場合はスレイベンの検査官でドローを進める。
生贄にして相手の呪文を妨害する能力も、相手のアップキープに起動することで全体除去を防いだり、攻撃する前に起動することで除去をケアしたり(サメ台風サイクリングには注意)と柔軟な使い方ができる。特に手札を見ることができる精鋭呪文縛りと組み合わせた時に強力。相手の魔女の復讐をレインジャー長2体で2ターン連続で防いで勝った試合がある。

1 軍団の天使 (ZNR) 
デッキの構成上クリーチャーデッキ対決では地上戦が膠着しやすく、それを打破する手段が精鋭呪文縛りのみだったのが気になったため、採用した。以前より1枚採用は気に入っていたのだが、今回はジャンド食物とのトップ勝負も多く、特に助けられた。全体的に細かいクリーチャーが多いデッキでの4/3飛行連打はインパクトとしては充分。また、盤面のクリーチャータイプが人間と天使で散ることで、魔女の復讐をケアできたのは僥倖だった。

1 封じ込める僧侶 (M21) 
集合した中隊、掘葬の儀式、不屈の独創力といったコンボ寄りのデッキに対しての防御力が低いため、メインに1枚、サイドに2枚採用。メイン2枚の採用も検討したが、2/2は2枚引いた時のクロックの低さも気になり、メインボード1枚に抑えた。また、瞬速のため、サリアの副官のサイズを急に上げたり、全体除去を打たれたターンのエンドにプレイして不詳の安息地とともにフィニッシュすることもある。

◆ここからサイドボード

2 封じ込める僧侶 (M21) 

上記の通り、アンフェアなデッキに対してサイドイン。メタゲーム次第では4枚目も検討できる。

1 スカイクレイブの亡霊 (ZNR) 
除去の追加。有効なゲームでは何枚でも引きたい。

1 霊気圏の収集艇 (KLR) 
3/5飛行絆魂の機体。積極的にライフを狙ってくる相手や、地上が膠着してしまう相手に対してサイドイン。光輝王の野心家でサイズを上げると絆魂の回復量も上がり、ダメージレースが有利になる。

3 軍団の天使 (ZNR) 
先攻の場合や、中盤以降にもつれるゲーム、トップ勝負になりやすいゲームでは1枚サイドインすることが多い。

2 ポータブル・ホール (AFR) 
魔女のかまどやパンくずの道標、戦慄衆の秘儀術師やドラゴンの怒りの媒介者、ラノワールのエルフなどに対してサイドイン。1マナで2マナのカードまで処理可能なため、非常にテンポが良い。

2 不可解な終焉 (RIX) 
主に波乱の悪魔を倒せる除去としての採用。夢の巣のルールスなどもターゲット。敬虔な命令と迷ったが、部族デッキ(マーフォーク・エルフ・ゴブリン・人間)に対しても入る除去が欲しかったため、不可解な終焉を選択。

2 安らかなる眠り (AKR) 
墓地を利用するデッキ全般にサイドイン。戦慄衆の秘儀術師、魔女のかまど+大釜の使い魔、ドラゴンの怒りの媒介者などの昂揚系、不吉な儀式の僧侶や掘葬の儀式を使用するリアニメイトなど。マリガンで探してキープしても思考囲いされる場合があるので、無理に探すことはない。ミジックスの熟達を使うマグマ・オパスデッキにも1枚サイドイン。

2 黒き剣のギデオン (WAR) 
対コントロール戦では確定サイドイン、他には、サリアをサイドアウトするゲームで先攻時にサイドインすることがある。戦場に出る際はクリーチャーとして登場し、クリーチャータイプは人間のため、サリアの副官のサイズアップ。

カード個別解説は以上。続いて、今回は不採用としたカードについてのコメント。

不採用カード

不屈の護衛
無私の救助犬との選択。部族デッキ対決などで地上戦の膠着が見られたため、守れるクリーチャーを戦闘時に選択できる無私の救助犬を採用。

〇不屈の護衛
・1体のみの場合でも稲妻のらせんでライフゲインされない。(対象が無くても生贄に捧げることができる)
・パワーが2ある(2ターン目副官or野心家で3/2になれる)
・サリアの副官のサイズを上げることができる。
〇無私の救助犬
・1ターン目に出すと2ターン目の重要なクリーチャー(サリア、野心家)を守ることができる。
・様々な状況下(全体除去や戦闘中)で一番重要なクリーチャーを守ることができる。

石の宣告
カードアドバンテージを失いやすいクリーチャー専用除去。そのディスアドバンテージが影響する前に決着を付ける場合は強力だが、エスパーの歩哨やサリアといった、攻撃力が低い代わりに相手を縛るヘイトベアー戦術を取る場合、決着まで時間がかかってしまう。よって、より裏目の少ないスカイクレイブの亡霊を採用した。石の宣告の方が優れている点は、セラの使者(クリーチャー指定)が除去できること、トークンに対して強いことが挙げられる。メタゲーム次第では採用したい。

月皇ミケウス
イーオスのレインジャー長でサーチが可能な全体強化。サイズアップまでの若干のタイムラグと、素引きしたときの序盤の心もとなさから不採用に。膠着状態では強力ではあるが、無私の救助犬、スカイクレイブの亡霊、軍団の天使の採用により、膠着を打破しやすい構築にすることで不採用とした。

兵員の結集
現在の構成が人間を減らし粘り強く戦える構成なので、速度を上げる非クリーチャーカードは不採用とした。全体除去の後にクリーチャーが出せるかどうかは重要。

アーデンベイル城
人間クリーチャーを生成できるためサリアの副官ともシナジーしているが、冠雪ではないために不詳の安息地で攻撃ができないことを防ぐために不採用。

プレイしている時に気を付けていること

〇1ターン目、スレイベンの検査官かエスパーの歩哨か
1本目先攻の場合は、エスパーの歩哨から展開。後攻1ターン目から打てる軽量の呪文は、思考囲い、魔女のかまど、邪悪な熱気、選択など、強力なものが多い。後攻の場合は、相手の土地を見てから判断。ラウグリンのトライオームや島からのスタートの場合や、損魂魔道士やドラゴンの怒りの媒介者のような呪文とシナジーするクリーチャーの場合、次のターンに非クリーチャースペルが控えていることが多く、エスパーの歩哨をプレイすると良い。逆に、エスパーの歩哨や部族クリーチャーなどが出てきた場合は、1回でもブロックができ、手掛かりから除去を探せるスレイベンの検査官の方が良い。

〇1マナクリーチャーからスタートした2ターン目、2マナのクリーチャーは
基本的には相手の行動を抑えるスレイベンの守護者、サリアが最優先。次に、できるだけ誘発型能力を多く誘発させたい光輝王の野心家、最後に、場に人間が増えてからの方が価値の高いサリアの副官を出すことが多い。2ターン目のベストアクションはスレイベンの守護者、サリアだが、ミラーマッチのような明らかにクリーチャーが多いデッキと戦う場合は、光輝王の野心家を優先する場合もある。

〇VSジャンド食物
非常に強力なシステムクリーチャーである波乱の悪魔が盤面に残ると厳しい戦いになる。メインボードはスカイクレイブの亡霊、サイド後は亡霊に加え、不可解な終焉などの除去を最優先で当てていく。波乱の悪魔は、こちらの生贄でも誘発するため、スレイベンの検査官からの手掛かり、無私の救助犬、イーオスのレインジャー長の起動型能力でも誘発する。うっかり誘発すると致命傷になるので注意。ジャンド食物戦は、お互いにキーカードを除去し合った結果トップ勝負になることが多いので、軍団の天使、イーオスのレインジャー長、スレイベンの検査官でしっかり勝負するようにする。

おわりに

簡単に思いつくままここまで書いてきました。他にも何かあれば追記していきます。ここまで読んでいただき、ありがとうございました。
イニストラード:真夜中の狩り、楽しみましょう!

オマケ:現在のサイドボードプラン

今も色々試行錯誤しながらサイドボーディングしてます。基本的にはクリーチャーデッキにはエスパーの歩哨やサリアを減らして除去を、コントロールには亡霊を減らしてギデオンと軍団の天使を入れています。

vsジェスカイコントロール

out
3スカイクレイブの亡霊
in
2黒き剣のギデオン
1軍団の天使

vsジャンド食物
out
2エスパーの歩哨
2無私の救助犬
2スレイベンの守護者、サリア
1封じ込める僧侶
1スレイベンの守護者、サリア(先攻)
in
1スカイクレイブの亡霊
1軍団の天使
1霊気圏の収集艇
2ポータブル・ホール
2不可解な終焉
1黒き剣のギデオン(先攻)

vsセレズニアカンパニー
out
2エスパーの歩哨
2無私の救助犬
4スレイベンの守護者、サリア
1エスパーの歩哨(先攻)
in
2封じ込める僧侶
1スカイクレイブの亡霊
1霊気圏の収集艇
2ポータブル・ホール
2不可解な終焉
1軍団の天使(先攻)

vsマーフォーク
out
4エスパーの歩哨
3スレイベンの守護者、サリア
1無私の救助犬
1スレイベンの守護者、サリア(先攻)
in
2封じ込める僧侶
1スカイクレイブの亡霊
1霊気圏の収集艇
2ポータブル・ホール
2不可解な終焉
1軍団の天使(先攻)

vs白単人間
out
2エスパーの歩哨
1封じ込める僧侶
4スレイベンの守護者、サリア
in
1スカイクレイブの亡霊
1霊気圏の収集艇
2ポータブル・ホール
2不可解な終焉
1軍団の天使

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