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【プライベートブロックチェーンが未来を作る】オープン・分散・非中央集権という呪縛

非中央集権の本当の意味

ブロックチェーンとは、”オープンかつ分散化された環境で非中央集権的に動くシステム"だ。

この思想はかなり根深く、ブロックチェーンをクローズドな環境で使うことは、本質から逸脱した意味のない行為だと批判される。
この批判は妥当だろうか。

そもそも非中央集権の目的とは「長く続く仕組みを作ること」だ。

中央集権の最大の弱点は、突如として終わりを迎えることであり、システムの世界ではこれを単一障害点(Single Point of Failure)という。

ブロックチェーンにおける非中央集権とは、これらの単一障害点を極力少なくして、突如として終わりがきて被害を被る人が出ないような仕組みを、ブロックチェーンという技術で実現することを指す。

しかし、実際には長く続く仕組みを作るのはかなりハードルが高い。高すぎると言ってもいい。

人をコミュニティにどう惹きつけるか、どのようなインセンティブで留まってもらい、どう発展させていくかを総合的に考えなければならない。もはや一種のアートである。

今必要なのは一歩踏み出すこと

”オープン・分散・非中央集権”は一種の呪縛だ。

多くの人や企業がこの呪縛に捕らわれて、ブロックチェーンを活用する一歩すら踏み出せないでいるように思う。それでは何も生まれない。

まずは、クローズドな環境で中央集権的に使うことから始めてみてはどうだろうか。最初から無理に”オープン・分散・非中央集権”の完全形を目指さなくてもいい。原理主義は百害あって一理なしだ。

ただし、前述したように「長く続く仕組み」になることは念頭においたほうがよい。そのためには参加者間のパワーバランスに注意する必要があるし、主要参加者が脱落したとしても、残った参加者で維持運営できるように設計する必要がある。

ビットコインが秀逸なのはこの点だ。
一見するとマイニングしているユーザーが権限を持っているように見えるが、実はそれを検証する各ノードのほうが強い権限を持っている。このようなパワーバランスで設計されているからこそ、マイナーも不正なデータを作るインセンティブが抑制され、全体的に健全な運営がなされるのだ。

積極的にフラットな方向を目指す。自分にパワーが集中してるのであれば、少し抑制して周りの権限を相対的に強める。ここに次世代的な何かがあるように思う。

大事なのは、長く続く仕組みを作るための設計だ。”オープン・分散・非中央集権”にこだわる必要はない。

まずはできるところから、一歩ずつ始めよう。

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