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小1の壁と学童


小1の壁

通称「学童」は、熱海市では「放課後児童クラブ」という名前で、今年度は6箇所で運営されていたようです。

2024年度全て継続するかどうか、又は新規でのオープンがあるかどうかは不明です。

似たような名前を持つ「放課後等デイサービス」がありますが、これはまた別の施設です。

以降は通称の「学童」を使用していきます。

学童のニーズは首都圏・都市部を中心に高まっています。

子どもの数が減り続けている一方で、女性の就労率が上がっているからです。

この時期になると話題になるのが「小1の壁」。

「小1の壁」とは、小学校入学前は保育園などに預けることが出来ていたお子さんを、小学校入学後に学童に預けられないことを言います。

小学1年生を14時くらいから19時くらいまで、一人でお留守番させることを心配に思う方は多いと思います。

学童には教室の広さと支援員の人数に決まりがあるため、受入人数に上限があります。

そのため、学童にも「待機児童問題」が存在します。

保育園にも待機児童問題がありますが、どちらかというと「小1の壁」の方が軽視されている様に思います。

子ども家庭庁の調査によると、「学童の待機児童」は「保育園の待機児童」の6倍以上の1万6千人いるとされています。

集計されなかった潜在的な待機児童も結構いるのでは?と問題になっています。

支援員不足

指導員の数を確保するのは困難を極めています。

現在求人がでているものを調べました。

週5日、6時間の勤務で月給18万円。

保育士、幼稚園教諭第二種、社会福祉士、放課後児童支援員の資格を必要としています。

表面的な情報を見るだけで、「やりがい搾取」という言葉が浮かびます。

会費が4,000円のところがほとんどで、なぜ足並みを揃えてこんなに低く設定されているのか謎です。

利用者は安い方がありがたいですが、持続可能でないと、急になくなってしまったり、スタッフのストレスをぶつける対象に子どもがなる可能性を考えれば、適正な料金設定が必要です。

子ども目線の環境作り

少し複雑なのが、仮に待機児童が0になっても、それはゴールではないということです。

1年生の4月から学童に入っても、1年以内に退会する子が多く、4月中に退会する子も少なくないそうです。

理由として最も多いのは、「子どもが行きたがらない」だそうです。

わいわい楽しみたい子もいれば、静かに過ごしたい子もいます。

児童が増えても支援員は増えないので、コントロールが難しくなると思います。

子どもが自ら望んで学童に入っている訳ではないことも加味すると、子どもにとっては耐え難いことだと思います。

学童のニーズが高まっているのは、親の仕事の都合が要因です。

子どもが、少なくとも嫌な気持ちで退会することがないような改善が必要です。

実態がよく分からない

熱海市に掲載されている6個の学童を検索してみても、HPなどが出てきません。

どんなタイムスケジュールで、どんなことをしているのか、オンラインで調べることが出来ない状態です。

市が運営しているのか、委託しているのか、全く関与していないのか、それすらもよく分かりませんが、電話対応で説明するよりも、HPや公式LINEによる説明の方が時間的に楽だと思われます。

定員に空きがあるのかないのか、これだけでも分かるようにした方が良いのではないでしょうか。

習い事との連携

僕自身、生徒の集客に苦戦しています。

熱海市在住の30代以上の女性にインスタ広告を出稿しています。

クリック単価は150〜200円くらいです。

1クリックしてもらうのに150〜200円を支払っていますが、そこから入会に繋がる、いわゆるコンバージョン率はもっと低く、席を埋めるのは至難の業です。

折込チラシや新聞広告も何度も掲載していますが、費用対効果は低いです。

恐らく他の学習塾、他の習い事も、広告を出しても集客には繋がりにくく、口コミがメインになっているのではないかと思います。

もし学童の場所、学校などに講師・トレーナーが赴いて、別の教室や体育館などで活動することが可能であれば、仮に無報酬だとしても、多くの習い事が参加すると思います。

保護者の送迎が出来ないことで諦めていた習い事が出来るようになります。

別記事で取り上げた日本版DBSでは、学童、学習塾、スポーツクラブは照会が義務化されていません。

学童支援員も学習塾講師もスポーツコーチも安全性は担保されていません。

恐らく都市部の民間学童は、塾やスポーツスクールの機能で差別化をしています。

しかしながら、子どもが少ない熱海にそのような民間企業が参入することはまずあり得ません。

それならば、公営の多機能学童は検討する価値は十分あります。

これまた別の記事で取り上げましたが、部活の地域移行とも相性が良いです。

学童の個別の問題というよりは、もっと大きな枠組みで問題解決を考える必要があります。

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